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河田昌東さんを講師にゲノム編集技術に関する学習会を開催しました
分子生物学者・河田昌東先生による「ゲノム編集技術に関する基礎学習」報告
分子生物学者で遺伝子組換え食品を |
スライドを使って分かりやすく解説 |
会場からは数多くの質問がありました |
河田さんは、「遺伝子組換え食品を考える中部の会」代表で、原子力災害の被災者救援などの活動もされています。名古屋大学で遺伝子の基礎研究をしていた1996年、世界で初めて遺伝子組換え大豆が商品化されたことが、遺伝子組換え問題に関わるきっかけとなりました。分子生物学の学術用語や基礎概念を平易な表現に置き換え、スライドを使って分かりやすく解説しました。
遺伝子の総体を表す「ゲノム」。これを人為的に壊したり入れ替えたりして食料や医療に役立てようとするのがゲノム編集技術です。標的遺伝子を自在に切断できる"遺伝子のはさみ"「CRISPR-Cas9(クリスパーキャスナイン)」が開発されたことで、世界で研究が急速に広がっています。
はじめに河田さんは、筋肉量を増やした「マッスル真鯛」、成長ホルモン抑制遺伝子を壊して太らせた「マッチョ豚」などゲノム編集技術を応用した品種開発、病気の治療、ヒト受精卵を操作する研究など、国内外の情勢を紹介。日本政府は2018年、ゲノム編集を成長戦略として位置付け、2019年には安全性審査や表示などの規制を行わず、事実上"野放し"とすることを早くも決定しました。
これに対して河田さんは、ゲノム編集技術が持つさまざまな未解決の問題について解説。標的外の遺伝子を傷つけてしまう「オフターゲット」や、免疫反応(アレルギー)や発がん性などゲノム編集酵素(CRISPR-Cas9)が持つ問題のほか、ゲノム編集にウイルスや細菌、外来生物の遺伝子や抗生物質耐性遺伝子などの外来遺伝子を使用することなど数多くの問題を指摘し、「技術的には従来の遺伝子組換えとあまり変わらない」「標的遺伝子以外の他の宿主遺伝子に対する影響を調べる必要がある」「食品の場合は表示義務が必要」との考えを示しました。
また、ヒトの遺伝病治療や臓器移植を目的としたゲノム編集について、生命倫理の問題に言及。皮膚から卵細胞を作り出すiPS技術を使うと、同一遺伝子を持つ人が多数作れるようになること、雌×雌の「同性婚マウス」から生殖能力のある子どもが誕生したこと、ラットの膵臓、心臓、眼、鼻、脊髄などを持ったマウス(キメラマウス)が誕生したことなどを紹介。生殖細胞のゲノム編集が種の保存を脅かす危険性、編集した遺伝子が子孫に伝えられ、社会のニーズによって生命が左右される生命倫理上の問題点を指摘しました。
最後に、CRISPR-Cas9を開発した研究者の「これは遺伝病の治療に使えると同時に、生物兵器の道具にもなる」「国際基準を作るべき」との言葉を紹介し、原子核を操作する中性子技術と核兵器や原子力発電との関係への類似性を説明。数十億年にわたる進化を経た生命の根幹となる遺伝子を人間の欲望のために利用することの問題点を示し、「環境・生態系に対する影響とヒトゲノムの編集には生命倫理の観点からの規制が必要」「専門家だけでなく一般市民を巻き込んだ国際的な規制が必要」と締めくくりました。
東都生協はゲノム編集食品について、日本政府に対し「消費者が理解できる情報提供と説明の徹底」「消費者が適確に選択できる環境や条件づくり」「国の管理・監督責任の明確化と消費者の不安や懸念に応える仕組み作り」を要請しています。
ゲノム編集技術は、消費者が健康な暮らしを営む上で根底となる食の分野を含む問題として重く受け止め、引き続き学習会の開催などに取り組んでまいります。
>>当日の講演要旨(pdf)
「ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶署名」へのご協力ありがとうございました
東都生協では「ヒバクシャ国際署名」に取り組んでいます
2019年6月から9月にかけて東都生協が実施した「ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶署名」(通称:ヒバクシャ国際署名)では、多くの皆さまにご協力いただき、ありがとうございました。
核兵器廃絶は、被爆者が心から求め、訴え続けてきた願い。この願いを実現させるために取り組む署名です。世界の全ての人が核兵器廃絶を求めることで、核兵器の廃絶を実現することを目指しています。
東都生協は2017年度、2018年度に引き続き、2019年度も署名活動に取り組み、7,756筆の署名(オンライン署名130筆含)をお預かりしました。署名は「ヒバクシャ国際署名をすすめる東京連絡会」へ送付し、その後国連へ届けられます。
東都生協では、「ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶署名」(通称:ヒバクシャ国際署名)を2017年度より取り組んでいます。2017年度は16,456筆、2018年度は4,577筆の署名をお預かりし、これまで累計で28,789筆をお預かりしました。
真っ赤なトマトを収穫する感動を体験!
2019年8月6日~7日 トマト倶楽部主催/トマト収穫援農・交流!
参加した東都生協組合員の収穫作業 |
収穫した完熟トマトと、これを原料にし |
本日の参加者の皆さん |
長野県松本市にある「東都高原夏摘みトマトジュース」のトマト産地を訪問し、ジュース用トマトの摘み取り作業をお手伝いする収穫援農・交流企画に、東都生協の組合員19人が参加しました。
初日は、トマトの学習会とトマト畑で収穫体験、夕食会では生産者のお話を直接聞き、交流を深めました。2日目は、早朝からトマトの収穫作業のお手伝いをした後、トマトジュースを1本利用するたびに1円を国産加工用トマトの生産支援の基金とする「1本1円募金」の贈呈式が行われました。
生産者のご苦労や愛情をもってトマトが生産されていることに触れ、あらためて安全・安心であることと、産地直結の大切さを感じ、参加者全員から生産者への感謝の言葉が伝えられました。
参加者からの「収穫を体験して」
- 事前学習会で、生食用とジュース用のトマトの違いなどが分かった
- 地面に重なり合うように伸びる枝から実がたわわになり、その中でも完熟したトマトだけを使って国産ジュースやケチャップなど作られるのかと思うと、その貴重さを実感した
- 地面にはうように実を付ける真っ赤なトマトを収穫して感動
※1
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2021年4月より、ユニオンソース㈱はオタフクソース㈱と合併しました。今後はオタフクソース㈱として引き続き活動します。夏休みの自由研究に! 牧場で学ぼう!!
2019年7月24日 八千代牛乳生産者・鈴木牧場にて(千葉北部酪農農業協同組合)
講師は千葉北部酪農農協の |
乳搾り、私もできたよ |
乳牛への餌やり体験 |
いっぱい食べておいしい牛乳を作ってね |
同組合が生産する八千代牛乳は、安全・安心なNon-GMO(非遺伝子組換え)の指定配合飼料を食べて育った乳牛から搾った原乳で製造されています。日本で数少ないHTST法(殺菌温度75度、殺菌時間15秒)で殺菌しており、牛乳本来のうまみやコクを残したおいしい味わいです。
今回の企画は、そんな八千代牛乳の生産現場で酪農体験などを通して、八千代牛乳の取り組みや品質について、また、産地や生産者、酪農の現状などについても学ぶことが目的。
千葉北部酪農農業協同組合の信川さん引率の下、1時間目はジャージー種による搾乳体験、2時間目は乳牛が食べている飼料の説明や、餌やりを体験しました。
初めはおっかなびっくりだった子どもたちも、牛に触れているうちにしだいに慣れてきました。生後1カ月のかわいい仔牛には、交代でお乳を与えました。
昼食交流では、楽しいアイスクリームづくり体験も。
3時間目は聴診器・体温計を使った牛の身体測定。牛のブラッシングをした後は牧場主の鈴木さんから冷凍精子の話を伺いました。
4時間目は全員で牛乳の飲み比べです。牛乳が凝乳酵素・レンネットで固まるか、抗生物質が入っているかの検査も実施。八千代牛乳は、熱変性しやすい牛乳中の水溶性カルシウムがレンネットと反応して固まり、水溶性カルシウムが残存していることを確認。八千代牛乳のおいしさと安全性を再認識しました。
参加者からは「牛の顔が見える牛乳に感動した」「牛乳は得意ではないが、八千代牛乳なら飲める」「苦労もあると思うが、これからも頑張ってほしい」と生産者の皆さまへの感謝の言葉が多く寄せられ、充実した体験学習会となったようです。
酪農家を取り巻く環境は大変厳しいものですが、生産者と消費者の「ともに支え合う関係」をこれからも大切にしていきたいですね。
平和募金企画 2019ピースアクション東京戦跡巡り ~東京に残る戦跡を訪ねて~
戦争の実相を知り、平和につなげる取り組みとして「東京戦跡めぐり」を開催
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旧陸軍軍医学校跡地にたたずむ |
東京大空襲の爪痕の残る戦跡を巡り、平和について考え、平和を語り継ぐことを目的とした戦跡巡り。
今回は、戸山公園~学習院女子大学正門~陸軍戸山学校将校集会所跡~箱根山~国立感染症研究所内(納骨施設)~感通寺のコースを巡ります。
当日は、東都生協の組合員18人が参加。新宿区高田馬場駅前で集合し、全体説明の後、3グループに分かれ、ガイドの説明を聞きながら戦跡を徒歩で約3時間かけて巡りました。
新宿区戸山から早稲田にかけては、米軍による空襲被害とともに、旧日本軍による侵略戦争と植民地支配という加害の歴史が刻まれた史跡が数多く残っています。
コースを実際に歩いた参加者は、射撃場、軍医学校、技術本部、科学研究所など、旧日本陸軍の関連施設が広範に分布していたことや、町の片隅には今もなお、当時の軍施設の目印が残されていることなどに気付かされました。
歴史の果たす役割などを学びながら、参加者はガイドさんの丁寧な説明に聞き入り、普段はあまり知ることの少ない東京の戦跡や歴史の問題を学ぶ貴重な場となったようです。
さまざまな人々が、とても無残に犠牲となった戦争の実相について説明を受け、知らなかった人へ話すこと、伝えていくことの大事さを実感する企画となりました。
【参加者からの感想】
- 説明を聞かなければ気付かず通り過ぎてしまう所もいろいろ話してくださって、とても勉強になりました。勉強を続け、子どもや友人と話し合いたい
- そもそも山手線をまたいで陸軍関連の施設がこれだけ多数あることさえ知りませんでした
- 二度と戦争が起きないように、みんなで声を挙げていきたい
- 「日本は戦争の被害者であると同様に加害者でもある」という視点を忘れないでいたいと思いました。
2019ピースアクションinナガサキに参加しました(8月7日~9日)
「戦争も核兵器もない平和な未来を ~ナガサキ・ヒバクシャの思いを継承し、日本・世界に広げよう~」
東都生協では毎年、平和とより良いくらしの実現に向け、平和募金を活用したピースアクションに取り組んでいます。
ピースアクションは、戦争・被爆体験の継承や、世界のさまざまな戦争や紛争、基地問題、憲法など、多角的なテーマで平和を考える取り組みです。
2019年8月7日(水)から8月9日(金)にかけて、被爆地での被爆の実相を学び、戦争体験の継承と平和の尊さについて考えることを目的に、親子2組4人が平和代表団として、2019ピースアクションinナガサキに参加しました。
8月9日には長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に一般参加しました。
被爆証言
早崎猪之助さん(公益財団法人 長崎平和推進協会 継承部会員)は奇跡的に生き残った生存者の一人として、原爆投下の日の一部始終を語りました。
三田村静子さん(公益財団法人 長崎平和推進協会 継承部会員)は、「核兵器廃絶と、平和の尊さを若い人に訴えていきたい」と活動しています。原爆の悲惨さ、戦争の愚かさを継承していくため、自身の被爆体験を紙芝居にして上演しました。
お二人の話を伺い、被爆の実相や多くの思いを知ることで、参加者は平和の大切さを学びました。
生協平和のまち歩き
「城山小学校コース」として、ガイドさんの案内の下、原爆投下中心地から約500メートルに位置する城山小学校を中心に巡る「生協平和のまち歩き」に参加。
国の史跡となった被爆校舎や少年平和像、同校で勤労動員中に被爆死した林嘉代子さん(当時15歳)ら女学生をしのんで母親が寄贈した「嘉代子桜」、資料館などを見学しました。
現存する被爆当時の校舎は、1999年に「城山小学校平和祈念館」として改装され、当時の状況を伝える資料が展示されています。
長崎市永井隆記念館・如己堂、被爆遺構を見学
長崎市永井隆記念館・如己堂(にょこどう)、爆心地の北東約500mに位置する被爆遺構の浦上天主堂(うらかみてんしゅどう)を見学しました。
如己堂は、自らも白血病と闘いながら被爆者の救護活動に務めた永井隆博士(享年43歳)が、生前二人の幼子とともに亡くなる前日までに過ごした家です。
ナガサキ虹のひろば
8月8日には、長崎市民会館文化ホールで開催された日本生協連主催の「ナガサキ虹のひろば」に参加しました。
ステージでは長崎大学チアリーディング部「BERRIES」によるオープニングイベント、長崎大学核兵器廃絶研究センター準教授・中村桂子氏による学習講演「核兵器を巡る世界の動きと私たちにできること」、長崎市立長崎商業高校・美術部の皆さまによる被爆継承のための紙芝居が行われました。
「2019子ども平和会議inナガサキ」取り組み紹介、光岡華子さん(ナガサキ・ユース代表団5期生 Youth Union Peace共同代表)による取り組み報告「『人と人』で分かり合えること」され、被爆者歌う会「ひまわり」の皆さんよる原爆の被害を訴える力強い歌が披露されました。
長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典
8月9日、式典会場に「平和の鐘」が響きわたる中、式典に参加した多くの方々と共に核兵器廃絶と恒久平和の実現を祈って黙祷し、核なき平和な世界を願いました。
平和公園で折り鶴を捧げました
長崎県長崎市「平和公園」では、平和への思いを込めて千羽鶴を捧げました。
参加者の感想より
- あらためて原爆や戦争はいけないと思いました
- あらためて、悲惨な過去を繰り返さないように、日本が誇る非核三原則や、平和憲法を守りたいと思いました
- 知ることの大切さを、あらためて確認できました
- 今回の体験で感じたこと、学んだことを次の世代に伝えていきたいと思います
2019ピースアクションinヒロシマに参加しました
今年のテーマは、「ヒロシマの心を次世代のあなたへ ~知って、感じて、動き出そう~」
[1日目]浅野温生さんによる被爆証言 |
会場の様子 |
[2日目]原爆関係の遺構や慰霊碑を見学 |
「平和の子の像」 |
「虹のひろば」ステージ |
「虹のひろば」展示コーナー |
被爆者と全国の生協が交流 |
[3日目]平和記念式典の終了後、 |
2019年8月4日(日)から6日(火)、被爆地での被爆の実相を学び、親子で平和の尊さについて考える契機とすることを目的に、組合員9人(親子3組含)と事務局1人の10人が2019ピースアクションinヒロシマに参加しました。
1日目
合人社ウエンディひと・まちプラザ(広島市中区)で、「入市被爆の新聞記者が伝えたかった被爆の実相」として、入市(にゅうし)被爆者の浅野温生さんが講演。
浅野さんご自身の体験と、元中国新聞社の記者として被爆者・原爆・平和問題など多くの被爆者の苦悩を取材したお話を聴き、被爆者のさまざまな苦悩を知って平和の大切さを学びました。
その後、碑巡りガイドさんの案内の下、室内で慰霊碑巡りに参加し、異例碑などの説明を受けました。
2日目
コープひろしまのガイドさんによる案内の下、碑巡り(フィールドワーク)に参加。平和公園などの主要な遺構や慰霊碑などを中心に見学しました。
その後、広島平和記念資料館を見学し、平和記念公園の中の「原爆の子の像」に平和への思いを込めて折り鶴を捧げました。
碑巡りの後は日本生協連主催の「虹のひろば」に参加し、ステージでの学習講演企画や展示コーナーを見学。展示コーナーでは全国の生協から平和・国際交流活動の紹介など多くの企画があり、次世代への被爆・戦争体験の継承を進めながら、取り組みの輪を全国へ広げることを確認しました。
東京都生協連主催のピースアクションinヒロシマにも参加しました。「被爆者との交流 ― 被爆証言をお聴きする集い ― &生協交流」として、広島医療生協「原爆被害者の会」植松由紀子さんと綿崎直子さんのお二人からお話を聴き、後世に語り継いでいくために私たちに何ができるのかをあらためて考える機会となり、参加者は平和への思いを一層強くしました。
3日目
広島市の平和記念式典(広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式)に参加。
式典会場は朝から雨が降る天候でしたが、式典に参加した多くの方々と共に、核兵器廃絶と恒久平和の実現を祈って黙祷し、式典終了後には原爆死没者慰霊碑に献花。式典に参加した多くの人々と共に核なき平和な世界を願いました。
式典参加の後の碑巡りでは、2チームに分かれて「平和公園コース」「本川コース」に参加。「本川(ほんかわ)コース」は、広島二中原爆慰霊碑などの本川近くの慰霊碑と、本川小学校平和資料館などを見学しました。
参加者の感想より
- 今回何人もの被爆者の証言を聞くことができて良かった。惨劇を想像しながら話を聴くことができました。子どもたちと一緒に話を聴けたことは大変貴重なことでした。
- コープひろしまのガイドの説明がとても良かった。
- 何事もなかったかのような広島で、戦争中にこんな恐ろしいことが起きていたことを初めて知りました。(小学生)
- 今回の学びを、どう次の行動につなげていくかを親子で考えてみたいと思います。
「第16回 東都生協平和のつどい 平和の願い メロディにのせて♪」を開催しました。
平和について学び、交流する「東都生協平和のつどい」報告
「ピ-スアクションinナガサキ」報告 |
(一社)東友会 仲伏幸子さんの被爆証言 |
(一社)東友会の皆さまに膝掛け贈呈 |
おとあそび音楽隊ファミリーコンサート |
組合員が毛糸で編んだ膝掛け |
「原爆と人間」パネル展示 |
東都生協では、次世代に歴史の事実と平和の大切さを伝えていくため、平和について学び、交流する機会として「平和のつどい」を毎年夏に開催しています。
16回目を迎える今年は「平和の願い メロディにのせて♪」をテーマに2019年7月28日、府中市市民活動センター「プラッツ」バルトホールで開催しました。
当日は、東都生協の平和活動報告、被爆者体験者の証言、「原爆と人間」のパネル展示や「戦争ほうき(放棄)」作り、ハートのモール、折り鶴の再生・循環プロジェクトの折り紙を使用した折り鶴作りのほか、東京藝術大学「おとあそび♪ 音楽隊」ファミリーコンサートを上演。組合員など約130人が参加しました。
はじめに東都生協の平和活動を紹介「おとあそび♪音楽隊」によるオープニング演奏の後、昨年の8月に実施した「ピ-スアクションinナガサキ」に参加された3人より取り組み報告を行いました。
一般社団法人東友会・仲伏幸子さんより被爆体験のお話仲伏さんは、5歳の時に、爆心地から約1.7㎞の広島市西観音町で被爆。橋の上で座り込んで、水を求める人々に応えることができないまま、郊外に避難。大やけどを負ったお母様は、何の手当ても受けることができず、2日後に亡くなりました。
「誰にも再びあのような悲惨な経験をさせてはならない、生きて核兵器のない世界を見届けたい」という思いを込めて、仲伏さんは被爆者証言活動を続けていらっしゃいます。
戦時中のお話や被爆の証言などを直接お聴きする機会は、年々減っています。そのような中、一般社団法人東友会の皆さまから直接、こうした貴重な被爆証言を聴かせていただける機会はとても大切になっています。
一般社団法人東友会の皆さまに膝掛けを贈呈被爆証言をお話いただいた後、仲伏さんに東都生協より膝掛けを贈呈しました。この膝掛けは、組合員が毛糸で編んだモチーフを、とーと会(ピースニットカフェ)・サークル(パッチワーク三本杉)のメンバーがつなぎ合わせて作ったものです。
東京藝術大学「おとあそび♪ 音楽隊」ファミリーコンサート「おとあそび♪音楽隊」は、東京藝術大学大学院応用音楽学研究室を修了した音楽療法研究者・実践者で構成された音楽集団。障害児・障害者のための音楽療法を実践的に研究するとともに、就学前の親子に向けた「おとあそび♪ 親子教室」(東京藝術大学公開講座)に取り組んでいます。
当日のファミリーコンサートでは、「さんぽ」「翼をください」など全13曲を演奏。参加者に楽器を配付して全員で「うみ」演奏しました。
展示・体験コーナーロビーでは、ハート型のモール作り、戦争ほうき(放棄)作りの体験、展示ミニ学習、組合員が毛糸で編んだ膝掛け、パネル「原爆と人間」の展示などを行いました。
参加者の感想- 仲伏幸子さんの被爆証言が大変心に刺さりました。これからもずっと東友会を応援したいと思います。
- とても楽しいコンサートでした。また開催してほしい。
- 初めての参加でしたが大切なことを共有できる素敵な機会となりました。コンサートでは小さなお子さんと一緒に楽しめました。
- 参加できる音楽会でとても良かった。子どもが平和について学ぶ機会が持てて良かった。
学習会「ゲノム編集 最新の品種改良技術の現状を知る」を開催しました
最新の品種改良技術であるゲノム編集について学習
講師の四方 雅仁さん |
学習会の様子 |
品種改良(育種)には、性質の異なる品種を交配し目的の性質のものを作る「交配育種」、突然変異で遺伝子を書き換える「突然変育種」、遺伝子組換えで新たな性質を付与する「遺伝子組換え育種」、遺伝子を狙い撃ちし、変異を起こさせる「ゲノム編集育種」があります。ゲノム編集は、品種改良技術の1つであり、突然変異育種を効率化させたものです。
ゲノム編集は、もともとある遺伝子を狙って変異を起こすことが可能です。ゲノム編集技術で生じる変異は自然界でも起こり得ることで、今までの突然変異での変化との差を見出すことはできず、科学的な検証もできません。ゲノム編集で育種が進められている例として、超多収イネや、芽の毒素産生量を減らしたジャガイモなどがあります。
遺伝子組換えによる育種との違いは、その生物が本来持つ遺伝子に変異を起こすゲノム編集に対し、遺伝子組換えは、遺伝子を加えることで、その生物が本来持っていない新しい性質を足すという点です。
ゲノム編集という新しい技術を利用していくためには、正しい情報を得た上で、消費者、生産者、企業などがさまざまな視点から議論することが必要です。そのため今回のような講演会で情報提供を行ったり、厚生労働省、農林水産省、消費者庁が主催で消費者や事業者などとの意見交換会を行ったりしています。
四方氏のお話を受け、最後に東都生協の野地専務理事は「私たち消費者にとっては、何を選ぶかがリスクへの抵抗手段」とし「東都生協が厚生労働省に提出した意見書の通り、ゲノム編集食品については、確実な表示を行い、それを基に個人個人が選択できることが最低限必要」と締めくくりました。
- <参加者の声>
- ゲノム編集できる作物をいろいろ紹介してもらえて良かった。ゲノム編集には不安なこともあるので、少なくとも表示をしてほしいと政府に要望したい。
- ゲノム編集への参加者からの不安の声はもっともだと思います。一方、気候変動など世界規模で見た食料難を考えると、新技術を全否定はできないと思います。なので、表示によって消費者が選べるようになることを切に希望します。
- 遺伝子組換えとの違いが分かり、突然変異と同じだということですが、新しい技術については、しばらく年月をかけて経過を見ることも必要だと思う。
- 説明はとても分かりやすかった。良いか悪いかは別とすれば理解はできました。科学的なところでは、きちんとされていていることが分かりました。
- 「安全性」とは何か? 自分でどう判断していくのかが難しいなと思いました。
- 科学的な根拠なしに安全性を疑うのはどうかと思いました。
※農研機構:
正式名称は国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構。農業、食品産業、農村の健全な発展のための研究、農機具の改良の研究、新品種の栽培試験などを行う農林水産省所管の機関(独立行政法人)
学習会 「海や川を汚染するマイクロプラスチック」を開催しました
身近なプラスチックの問題を考える
講師の高田 秀重さん |
会場の様子 |
原田副理事長より |
学習会では、マイクロプラスチックの問題点や、人への影響、プラスチックによる汚染を低減するために必要な課題や対策などを、分かりやすくお話いただきました。以下は講演の要旨です。
マイクロプラスチックの問題点は?
マイクロプラスチックは、直径5ミリメートル以下のプラスチックの微細な粒子です。プラスチック製品の破片や化学繊維などが廃棄物処理されず川を通じて海に流出し、波や紫外線により壊れて細かくなり、マイクロプラスチックとなります。
また、マイクロプラスチックには、プラスチック製品に含まれる有害物質や、海洋に溶け出している有害物質を吸着することが分かっており、これを魚や海鳥がエサと間違えて食べてしまうことなどによる生態系への影響が心配されています。
海鳥、魚、貝、ウミガメ、クジラなど200種以上の海洋生物がプラスチックを食べてしまっていることが分かっています。タイでは、クジラの胃の中から80枚ものレジ袋が見つかった事例もあるそうです。
何も手を打たなければ、海に流入するプラスチックの量は、20年後10倍に増加する
海洋のマイクロプラスチックは、除去することができません。しかし、何も手を打たなければ、海に流入するプラスチックの量は、20年後10倍に増加し、海洋プラスチック汚染はさらに深刻化します。
わたしたちにできること
マイクロプラスチック問題対策のために私たちにできることとして高田さんは「ごみのポイ捨てをしない。させない。レジ袋、ペットボトル飲料、ストロー、使い捨て弁当箱、個包装のお菓子、液体せっけん、ポケットティッシュなど、特に使い捨てのものの使用をできるだけ使わない。断る。また、私たちの意識啓発や行動と併せて、国にプラスチックごみを減らすための法規制や、生産・流通の枠組み作りをつくるように働き掛けることも必要」と話しました。
最後に、原田副理事長より、2019年7月1日より配付する東都生協の3R活動リーフレット「みんなですすめる環境にやさしいくらし」を紹介しました。リーフレット「みんなですすめる環境にやさしいくらし」はこちら(PDFが開きます)
参加者の声
- プラごみについては、今までも気を付けているつもりでしたが、世間にはまだまだ私の知らないプラごみ削減の方策があるのだと知りました。これからも気を付けて生活していこうと思います。
- 昨年からぐっと身近になってきた「マイクロプラスチック問題」ですが、今日の学習会に参加して、より恐怖を感じました。
- 「きちんとリサイクルすれば大丈夫!」と思ってきましたが、今日からはリデュースに意識を切り替えて生活しようと思いました。自分はもちろんですが、子どもたちにも伝えていこうと思います。
- プラスチック製品を減らすのは難しい部分もあるが、皆が少しずつでも気を付けていけば減らせるし、そのようにしないと人間の生命に危機が来ることを感じました。
- プラスチックによる海洋汚染はすでに手遅れの状態。日本の取り組みが世界から遅れているのはとても残念。人々のモラルの問題も大切だが、国が拡大生産者責任を基にした規制を法制化することが求められる。