みんなの活動:これまでの活動報告

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学習会「ゲノム編集 最新の品種改良技術の現状を知る」を開催しました

最新の品種改良技術であるゲノム編集について学習

2019.07.29

講師の四方 雅仁さん

講師の四方 雅仁さん

学習会の様子

学習会の様子

東都生協は2019年7月13日、文京シビックセンターにて、農研機構(※)本部 広報部広報課 四方雅仁(しかた まさひと)氏を講師に、最新の品種改良技術であるゲノム編集についての学習会を開催しました。組合員など54人が参加しました。以下は講演要旨です。

品種改良(育種)には、性質の異なる品種を交配し目的の性質のものを作る「交配育種」、突然変異で遺伝子を書き換える「突然変育種」、遺伝子組換えで新たな性質を付与する「遺伝子組換え育種」、遺伝子を狙い撃ちし、変異を起こさせる「ゲノム編集育種」があります。ゲノム編集は、品種改良技術の1つであり、突然変異育種を効率化させたものです。

ゲノム編集は、もともとある遺伝子を狙って変異を起こすことが可能です。ゲノム編集技術で生じる変異は自然界でも起こり得ることで、今までの突然変異での変化との差を見出すことはできず、科学的な検証もできません。ゲノム編集で育種が進められている例として、超多収イネや、芽の毒素産生量を減らしたジャガイモなどがあります。

遺伝子組換えによる育種との違いは、その生物が本来持つ遺伝子に変異を起こすゲノム編集に対し、遺伝子組換えは、遺伝子を加えることで、その生物が本来持っていない新しい性質を足すという点です。

ゲノム編集という新しい技術を利用していくためには、正しい情報を得た上で、消費者、生産者、企業などがさまざまな視点から議論することが必要です。そのため今回のような講演会で情報提供を行ったり、厚生労働省、農林水産省、消費者庁が主催で消費者や事業者などとの意見交換会を行ったりしています。

四方氏のお話を受け、最後に東都生協の野地専務理事は「私たち消費者にとっては、何を選ぶかがリスクへの抵抗手段」とし「東都生協が厚生労働省に提出した意見書の通り、ゲノム編集食品については、確実な表示を行い、それを基に個人個人が選択できることが最低限必要」と締めくくりました。


    <参加者の声>

  • ゲノム編集できる作物をいろいろ紹介してもらえて良かった。ゲノム編集には不安なこともあるので、少なくとも表示をしてほしいと政府に要望したい。
  • ゲノム編集への参加者からの不安の声はもっともだと思います。一方、気候変動など世界規模で見た食料難を考えると、新技術を全否定はできないと思います。なので、表示によって消費者が選べるようになることを切に希望します。
  • 遺伝子組換えとの違いが分かり、突然変異と同じだということですが、新しい技術については、しばらく年月をかけて経過を見ることも必要だと思う。
  • 説明はとても分かりやすかった。良いか悪いかは別とすれば理解はできました。科学的なところでは、きちんとされていていることが分かりました。
  • 「安全性」とは何か? 自分でどう判断していくのかが難しいなと思いました。
  • 科学的な根拠なしに安全性を疑うのはどうかと思いました。



※農研機構:

正式名称は国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構。農業、食品産業、農村の健全な発展のための研究、農機具の改良の研究、新品種の栽培試験などを行う農林水産省所管の機関(独立行政法人)

2019.07.09

講師の高田秀重教授

講師の高田 秀重さん

会場の様子

会場の様子

原田副理事長より3R活動リーフレットを紹介

原田副理事長より
3R活動リーフレットを紹介

東都生協は2019年6月29日、さんぼんすぎセンターに東京農工大学 農学部環境資源科学科教授の高田秀重(たかだ ひでしげ)氏をお招きして「海や川を汚染するマイクロプラスチック」をテーマとした学習会を開催しました。

学習会では、マイクロプラスチックの問題点や、人への影響、プラスチックによる汚染を低減するために必要な課題や対策などを、分かりやすくお話いただきました。以下は講演の要旨です。


マイクロプラスチックの問題点は?

マイクロプラスチックは、直径5ミリメートル以下のプラスチックの微細な粒子です。プラスチック製品の破片や化学繊維などが廃棄物処理されず川を通じて海に流出し、波や紫外線により壊れて細かくなり、マイクロプラスチックとなります。

また、マイクロプラスチックには、プラスチック製品に含まれる有害物質や、海洋に溶け出している有害物質を吸着することが分かっており、これを魚や海鳥がエサと間違えて食べてしまうことなどによる生態系への影響が心配されています。

海鳥、魚、貝、ウミガメ、クジラなど200種以上の海洋生物がプラスチックを食べてしまっていることが分かっています。タイでは、クジラの胃の中から80枚ものレジ袋が見つかった事例もあるそうです。


何も手を打たなければ、海に流入するプラスチックの量は、20年後10倍に増加する

海洋のマイクロプラスチックは、除去することができません。しかし、何も手を打たなければ、海に流入するプラスチックの量は、20年後10倍に増加し、海洋プラスチック汚染はさらに深刻化します。


わたしたちにできること

マイクロプラスチック問題対策のために私たちにできることとして高田さんは「ごみのポイ捨てをしない。させない。レジ袋、ペットボトル飲料、ストロー、使い捨て弁当箱、個包装のお菓子、液体せっけん、ポケットティッシュなど、特に使い捨てのものの使用をできるだけ使わない。断る。また、私たちの意識啓発や行動と併せて、国にプラスチックごみを減らすための法規制や、生産・流通の枠組み作りをつくるように働き掛けることも必要」と話しました。

最後に、原田副理事長より、2019年7月1日より配付する東都生協の3R活動リーフレット「みんなですすめる環境にやさしいくらし」を紹介しました。リーフレット「みんなですすめる環境にやさしいくらし」はこちら(PDFが開きます)

参加者の声

  • プラごみについては、今までも気を付けているつもりでしたが、世間にはまだまだ私の知らないプラごみ削減の方策があるのだと知りました。これからも気を付けて生活していこうと思います。
  • 昨年からぐっと身近になってきた「マイクロプラスチック問題」ですが、今日の学習会に参加して、より恐怖を感じました。
  • 「きちんとリサイクルすれば大丈夫!」と思ってきましたが、今日からはリデュースに意識を切り替えて生活しようと思いました。自分はもちろんですが、子どもたちにも伝えていこうと思います。
  • プラスチック製品を減らすのは難しい部分もあるが、皆が少しずつでも気を付けていけば減らせるし、そのようにしないと人間の生命に危機が来ることを感じました。
  • プラスチックによる海洋汚染はすでに手遅れの状態。日本の取り組みが世界から遅れているのはとても残念。人々のモラルの問題も大切だが、国が拡大生産者責任を基にした規制を法制化することが求められる。

2019協同組合フェスタTOKYOに出展・参加しました

若手生産者との協同で、日本の農業を盛り上げる機会に!

2019.06.27

JA東京アグリパーク外観

JA東京アグリパーク外観

東都生協の出展ブース

東都生協の出展ブース

(農)埼玉産直センターの生産者さんも来場者に直接、熱く説明

(農)埼玉産直センター生産者さん
も直接、来場者に熱く説明

東京の協同組合と協同組合同士が連携していることを知っていただく機会として、2019年6月18日(火)から22日(土)5日間にわたって、JA東京アグリパーク(渋谷区代々木)で「2019協同組合フェスタTOKYO」が行われました。

東京都のさまざまな協同組合による商品紹介とお楽しみイベントが行われ、来場者は5日間で4,000人を超え、終日盛況でした。

東都生協は、6月21日(金)・22日(土)の2日間、新世代チャレンジプロジェクト・若手生産者の取り組みのPRとして、新世代プロジェクトの動画投影やパネル展示、料理レシピの配付、(農)埼玉産直センターが生産した「100年トマト」「ミニトマト」の試食・販売、新世代チャレンジプロジェクト「若手生産者の青果セット」の販売などを行いました。

最終日には(農)埼玉産直センターからも応援に駆け付け、来場者に商品のこだわりを伝えました。

イベントでは、家庭で利用されず眠っている食品を寄付していただくフードドライブも行い、5日間で76個・約10kg(内容量)が集まりました。集まった食品は、東都生協でも関係のある、フードバンク狛江にお届けしました。

◇主催:東京の協同組合間の協力と連携のあり方を考える連絡協議会

◇参加団体:13団体

2019ピースアクションinTOKYO&ピースパレードに参加しました。

東京から世界へ向けて、平和への思いと核兵器廃絶を訴えました

2019.06.10

地域で音楽活動を進めるジャズユニット「A・Due」によるコンサート

地域で音楽活動を進めるジャズユニット
「A・Due」によるコンサート

東都生協の平和活動を報告

東都生協の平和活動を報告

核兵器廃絶をアピールしながら行進

核兵器廃絶をアピールしながら行進

沿道の人たちに平和のメッセージを届けました

沿道の人たちに平和のメッセージ
を届けました

2019年5月29日「ピースアクションinTOKYO&ピースパレード」が東京ウィメンズプラザ・ホール(渋谷)で開催され、東都生協から組合員など23人が参加しました。「核兵器の廃絶と戦争のない平和な世界をめざして」をテーマに、東京から世界に向けて平和への思いと核兵器廃絶を訴えました。

一般社団法人 東友会、東京地婦連、東京生協連の3団体が主催し、核兵器の廃絶と戦争のない平和な世界を願って開催。当日は生協や一般社団法人 東友会など15団体190人が参加しました。

オープニングは、地域で音楽活動をしているジャズユニット「A・Due」(ア・ドゥエ)CHIHIROさんのピアノ、久力譲二さんのベースによるピースコンサート。

語り継ぐ「『あの日』のナガサキから生きぬいて」では、被爆証言として米田チヨノさんの被爆体験の証言を映像で紹介。

忘れられないあの日、辛うじて奇跡的に生き延びた被爆者から、原爆投下直後の惨状や、被爆した方々の治療の状況が話されました。当時の被爆者への差別がもたらした苦痛は計り知れないものだったと重ねて振り返りました。被爆証言の映像を紹介した後、証言を聞いた参加団体の代表者よりリレートークを行いました。

続いて、松井一實広島市長、田上富久長崎市長からのメッセージがそれぞれ代読され、両市の核兵器廃絶に向けたさらなる決意と「ピースアクションinTOKYO」への期待が表明されました。

「参加団体リレートーク」では、参加9団体が工夫を凝らしたさまざまな平和活動の取り組みについて発表し、日頃の活動について、参加団体が相互の理解を深めました。

東都生協からは2018年東都生協の平和活動について、第15回平和のつどいの紹介、被爆者の被爆証言を聞くお話会などについて報告しました。

続いて行われた「ピースパレード」では、表参道から原宿を通り神宮公園までの道のりを宣伝カーから平和をアピール。「一緒に歩こう」の声を上げて、参加者全員で平和のメッセージを沿道の人たちに届けました。

平和の大切さをかみしめ、今私たちは何をしていくべきなのかを考える一日なりました。

東都生協は、東日本大震災への支援活動を続けています  

2018年度 東日本大震災支援 募金収支報告

2019.05.31


2019年3月7日~8日、東都生協の組合員が東日本大震災と福島第1原発事故の被災地(福島県)を視察訪問しました。被災当時の状況、その後の様子と現状を知る貴重な機会となりました。

東日本大震災から8年となる2019年も、東都生協では被災された方々や取引先産地・メーカーを支援する東日本大震災支援募金に継続して取り組んでいます。また、対象商品を1点利用すると1円を募金できる「1点1円募金」にも取り組んでいます。

2018年度の募金活動についてご報告します。皆さまからお預かりした募金は、組合員が被災地を訪問して視察・交流する企画や、被災者を支援・応援する企画への協賛などで活用させていただきました。ご協力ありがとうございました。

被災地の願いは「忘れないで」。復興にはまだまだ支援が必要ですので、2019年度も引き続き、ご協力をお願いします。

<募金の使途>
寄せられた募金は、以下の内容で活用いたします。
①東都生協取引先関係者・団体の復興支援のため
②被災地に送る支援物資の調達ならびに支援活動、復興に向けた取り組みを支援・応援する活動など
③日本生活協同組合連合会および各生協などが呼び掛ける被災者を支援・応援するための募金

募金方法

OCR注文書で募金を受け付けます。

■記入方法:注文書裏面下段、特別企画注文欄の「商品(申込)番号」の欄に以下の
6ケタ番号をご記入いただき、「数量」欄に募金口数をお書きください。

■ 1口 200円の場合 ⇒ 商品(申込)番号:365998
※200円 × ご記入口数 の募金額になります

■ 1口 1,000円の場合 ⇒ 商品(申込)番号:365980
※1,000円 × ご記入口数 の募金額になります


※産直の東都生協.coop(旧:さんぼんすぎドットコム)利用の方は、インターネット注文でも募金ができます。FAX登録者はFAX専用注文書で、電話注文センターからでも募金ができます。

※募金に対する領収証の発行はできません。この募金は寄付金控除の対象になりませんのでご了承ください。

皆さまのご協力をお願いいたします。



2018年度もご支援ありがとうございました。

≪2018 年度の収支報告≫  2019年3月20日現在

◆募金総額:5,016,034円
(内訳)
 支援募金:1,239,000円 
 前年度繰越額:2,467,563円
 1点1円募金:33,407円
 前年度繰越額:1,276,064円

◆活用総額:925,345円
(内訳)
 2018年避難者と支援者によるふれあいフェスティバル     75,942円
 福島県生協連福島の子ども保養プロジェクト        100,000円
 くらし・地域復興応援募金 いわて生協          100,000円
 くらし・地域復興応援募金 コープふくしま        100,000円
 くらし・地域復興応援募金 みやぎ生協          100,000円
 福島県被災地視察・交流                 449,403円

*残金は、2019年度に引き継いで活用させていただきます。

2018年度「今年の冬エコ」報告(11月~翌1月末に実施)

エコライフにチャレンジして普段のくらしを見直してみませんか

2019.04.10

応募総数は107枚、チャレンジした人の合計は275人でした



2018年11月から2019年1月末にかけて「今年の冬エコ」として、東都生協の組合員が各家庭で1週間、冬期のエコライフにチャレンジしました。この取り組みは夏期に続くもので、組合員が省エネを実践し、普段のくらしを見直すきっかけづくりとしていただくことを目的としています。

組合員活動情報紙「ワォ」第299号とホームページで組合員の皆さまに呼び掛けました。組合員組織では12月に、地域の活動団体が情報交換を行う連絡会で各団体へチャレンジシートを配付しました。

同時に「100万人のキャンドルナイト※」を呼び掛けたところ、初めて取り組んだ人や、防災用品の見直しにもつながったとの感想が寄せられ、エネルギーのことだけでなく、防災のことについてなど家族で共有されたことが伺えました。

たくさんのご応募ありがとうございました。

アイデアの一覧はこちら(PDFが開きます)
※2001年にカナダで起きた原発反対のための自主停電運動が始まりです。冬至(2018年は12月22日)の夜8時から10時の2時間、電気を消してキャンドルの灯りだけで過ごす「静かな環境保全活動」です。



東日本大震災被災地視察 ~東日本大震災を忘れない~ 視察報告

東日本大震災と福島第1原発事故の被災地、福島県の現状を知り、これからを考える

2019.03.31

海岸沿いに見える福島第2原発

海岸沿いに見える福島第2原発

紙芝居の様子

紙芝居の様子

2011年3月11日に発生し、22,000人を超える犠牲者を出した東日本大震災から8年。

今年も「コープふくしま」にご協力いただき、「3・11」の直前となる2019年3月7日・8日の1泊2日で富岡町、大熊町、双葉町、浪江町を訪れました。

今回もコープふくしまの常務理事 宍戸義広さんが被災地のガイドを務めてくださり、移動するバスの中では、同行いただいた震災当時1歳のお子さんを持つコープふくしまの組合員理事さんより震災時のお話がありました。

「放射線の影響を恐れ、公園で思いっきり遊ばせることもできなかった。親として本当に辛く、申し訳ない気持ちでいっぱいになった」と涙を浮かべながら語っていました。

コープふくしまでは、ただ不安をあおるのではなく、放射能についての学習会や、組合員に協力を得ての「陰膳(かげぜん)方式」と呼ばれる食事調査を実施。陰膳調査は、家庭の食事を1人分余分に作り、実際に食べた分量で2日間6食分を保存して検査機関で測定する方法です。

この他にも、医療生協と連携したWBC(ホールボディカウンター)による内部被ばく測定の実施など、放射能について正しく学習し放射能汚染に向き合った活動を行っています。



1日目「被災地を視察」

東日本大震災での福島県の被害は、地震や津波の被害と原発事故による被害です。放射線の高い地域では、8年を経ても「帰宅困難地域」となっていて、汚染土を運ぶトラックと除染を行う作業員の姿しかありません。

民家の玄関は1軒、1軒、柵で覆われています。震災前はにぎやかだったであろう店舗の立ち並ぶ街は、8年前から時計が止まったように当時のままの形を残していました。

8年を経過すると、テレビの報道もめっきり少なくなり、復興は進んでいるように思えますが、実際に現地に行くとまだまだ復興にはほど遠いという印象を受けました。

移動するバスの中で視聴したDVDの中で、当時、農畜産業を営んでいた方が話されていた「原発事故の影響で家も仕事も全て奪われた。今はお金も何もいらない、震災前の普通で当たり前の日常を返してほしい」この言葉が胸に突き刺さりました。



2日目「震災と原発事故の教訓を学ぶ」

全国から寄せられた支援のお返しに、福島県の被災当時の状況を伝え、二度と福島のようなことが起きないように「紙芝居」を持って全国を回っている松田さんと菅野さんの紙芝居を拝見しました。

被災当時の混乱した状況や情報が錯綜(さくそう)している様子や、被災者を救出できなかった、ある消防団の苦悩を描いた2作品でした。お二人とも当時の様子がよみがえったのか、涙をこらえながらお話してくださいました。

福島第1原発事故は「天災」ではなく「人災」です。東都生協はこうした企画を通して、福島の教訓を忘れず、福島の現状を伝え、一人ひとりが何ができるのか考えるきっかけとなればと考えています。



印鑰智哉さんに聞く「種子から考える、私たちの食の未来」学習会報告

2019年3月15日、日本の種子を守る会・事務局アドバイザーの印鑰智哉さんによる学習会報告(文京シビックセンター)

2019.03.28

講師の印鑰 智哉さん

講師の印鑰 智哉さん

会場の様子

会場の様子

東都生協は2019年3月15日文京シビックセンターにて、日本の種子を守る会・事務局アドバイザーの印鑰 智哉(いんやく ともや)氏をお招きして「種子から考える私たちの食の未来」というテーマで学習会を行いました。

印鑰氏は、まず地球の歴史、生物の歴史をたどり「地球は微生物の星、微生物と植物の共生により地球上に豊かな土壌が生まれ、生命の栄養・エネルギーが生み出され、生態系が維持されている。そんな豊かな地球が大変な事態を迎えている」と語ります。

第1次世界大戦ごろから化学肥料の活用が始まり、第2次世界大戦後、世界的に「緑の革命」の名の下で化学肥料・農薬を多投する農業が拡大。やがて化学企業が農業生産の在り方を支配し、種子+化学肥料+農薬の3つを1セットで売り込む工業型農業への流れが定着。その結果、化学肥料・農薬が植物と土壌微生物との共生関係を壊し土壌を破壊した、と指摘します。

日本の食卓に欠かせない米、麦、大豆。

種子法(主要農作物種子法)は、安定的に優良な品種の米、麦、大豆の種子の生産を行うため、国・都道府県の責任を規定した法律です。各都道府県では、計画的に土地に合った種子が生産され、安価な価格で生産農家に安定提供され、日本の食料生産を支えてきました。しかし、その種子法が昨年、廃止されてしまいました。

この先、種子が民間企業・多国籍企業に委ねられてしまい、種子の多様性がなくなり、種子の値段が高騰する危険性が出てきています。「今まで国が保護し、農家の方が守り育ててきた種子が脅かされる状況になっている」と印鑰さんは話します。


◇自由なタネがなければ自由な社会は作れない

一方、世界では、20年以上前に「種子の自由」運動が提唱され、世界の小農運動、食の運動に大きな影響を与えていることにも印鑰氏は言及。農業が地球の気候変動を止めることができること、農業は土壌の栄養を回復させ、水害や日照りにも強くすることなどにも触れ、国連は2019年~2028年を小規模家族農業を強化する「家族農業の10年」と定めていることを紹介。「大規模企業型農業推進から小規模家族農業、生態系を守るエコロジーの原則を農業に適用した『アグロエコロジー』への転換こそが解決策」との考えを示しました。

日本でも種子法廃止を受けて、独自の条例で公的種子事業を継続させている自治体も増えています。種子の権利(公共性・多様性)を守る新しい法律の確立など、食を守る取り組みを広げていくことが求められています。


<参加者の声>

  • 農家の高齢化、後継者不足の解決策として農業を企業が担っていくというのは正解ではないとよく分かりました。
  • 説明が分かりやすかった。ドキュメンタリー映画「種子―みんなのもの? それとも企業の所有物?」の紹介があり、映画も見てみたいと思いました。
  • 気候変動にまで影響する農業の大切さや、種がいかにグローバル企業に仕切られているのか。この大変さを報道しない。日本の政策が世界と逆になっていることを知り、ドッキリ。
  • 種子法復活に向けて今できることを考えたい。
  • 世界の潮流から広く現状の知識を知ることができました。
2019.01.23
2019年1月17日に豊島区役所にて豊島区との「見守りと支えあいネットワーク事業に関する協定」締結式が行われました。東都生協は、式典に参加したコープみらい・パルシステム東京・北東京生活クラブ東京・東京保健生協と共に協定を締結しました。

見守り活動とは、地域の配達を担当する職員が業務中に組合員や地域住民の異変に気付いた場合、事前に取り決めた連絡先と速やかに連携することで、地域住民の安全を守るという取り組みです。

今回の締結により、東都生協は自治体・他団体との連携・協力をより一層進め、豊島区での見守り活動を推進します。

地域生協・医療生協をはじめ地域の事業者・団体の皆さまと協力し、東都生協は引き続き、誰もが安心して住み続けることのできるまちづくり活動に積極的に取り組みます。

東都生協 庭野吉也理事長(左)と中野区 高野之夫区長(右)

自治体との地域見守り活動 協定締結・団体登録状況(2019年1月17日現在)
中央区、港区、新宿区、文京区、台東区、墨田区、江東区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区、渋谷区、中野区、杉並区、豊島区、北区、荒川区、板橋区、練馬区、足立区、葛飾区、江戸川区、八王子市、立川市、武蔵野市、三鷹市、調布市、町田市、小金井市、小平市、日野市、東村山市、国立市、狛江市、東大和市、清瀬市、東久留米市、多摩市、稲城市、羽村市、西東京市、日の出町、東京都、神奈川県(横浜市、川崎市、相模原市、大和市)
2018.12.30

太田 伊早子弁護士

太田 伊早子弁護士

学習会の様子

学習会の様子

東都生協は2018年12月11日、文京シビックセンターにて横浜法律事務所弁護士・太田 伊早子(おおた いさこ)さんをお招きして憲法学習会を開催しました(参加人数41人)。

学習会では、憲法は何のためにあるのか、現日本国憲法と自民党「憲法改正草案」との違い、改憲時の国民投票法の問題点について分かりやすくお話しいただきました。

まずは憲法と法律の違いについて学習。法律は国家が国民に義務を課すものですが、憲法は国家を制限し国民の自由と権利を保障するもの。憲法第13条には「すべて国民は、個人として尊重される」とあり、個人の尊厳が憲法の一番の理念です。

太田さんは「どんな人であれ、生まれながらにして尊厳を持った特別な個人であり、尊厳を持って生きていくためには、さまざまな自由(権利)が保障され、全ての人が平等に扱われる必要があると記されている」と話しました。

また、現在の憲法と憲法改正案との違いについては、現日本国憲法は主語が「日本国民」であるのに対し、自民党「憲法改正草案」では主語は「日本国」と、主語が違う点に注目。自民党の憲法改正草案について、太田さんは「"国家あっての国民"という考えが染みわたっている」と語ります。

もしこの草案の通りに憲法が改正された場合には「国民は、国の役に立つかどうかが問われることになる」と指摘。

「憲法9条を改正することは、日本が戦争を放棄することをやめることであり、改正された憲法は、再度日本が戦争で大打撃を受けるなどしない限り再改正は難しい。そうならないためには、戦争が行われる前に平和の流れを作ることが大切」と強調しました。

太田さんは最後に「自分は護憲派だが、改憲派か護憲派かを問わず、憲法について自分の考えを持つことが大切」としました。今回の学習会を通じ、憲法についてみんなで考える大切な機会となりました。

参加者からは、「何も知らないまま子どもたちが大人になるときに困るような社会が作られているのは恐ろしいことなので、もっと関心を持っていこうと思った」「日本人が平和な日々をずっと送れるように考えたい」などの感想が寄せられました。

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