食と農
大雪被害支援募金10,555,269円を被災産地に贈呈
大雪被害を受けた産直産地の支援活動を続けていきます
(農)埼玉産直センター木村友一代表理事 |
(有)山梨フルーツライン |
~大雪被害産地支援募金へのご協力、ありがとうございました~
今年2014年2月の記録的な大雪で、関東甲信の産直産地は大きな被害を受けました。東都生協では3月より大雪被害産地支援募金を組合員の皆さまに呼び掛け、これまでに総額10,555,269 円(うち東京南部生協529,800 円)の募金が寄せられました。 皆さまの温かいご 支援とご協力に心より感謝申し上げます。皆さまからお預かりした募金は、特に被害が大きかった(農)埼玉産直センター・(有)山梨フルーツラインをはじめ、やさと農業協同組合、(農)茨城県西産直センター、(農)埼玉西部産直グループ、(農)佐久産直センター、北軽井沢産直の会など23 産地に割り振り、6月20日までに贈呈しました。
しかし産地は今なお復興途上にあります。(農)埼玉産直センターでは、年度内に再建できるのは8割程度の見通しです。同産地代表理事の木村友一さんは「私たちの原点は「物を作ってこそ」の生産者魂。この未曽有の危機を必ず乗り切る」と話します。
春の露地野菜の小松菜・水菜などは、生産者の皆さんの頑張りで順調に育ち、少しずつ出荷できました。産地交流訪問はお休みしていますが、11月8日には例年の収穫祭も開催し、組合員との交流も少しずつ元に戻りつつあります。
一方、(有)山梨フルーツラインでは雪害を受けて傷ついた樹や棚、倒壊したハウスは手付かずのままの状態です。生産者の高齢化やハウス再建に必要な労力は大きな問題で、果樹栽培をやめる生産者が増えることが懸念されています。
産直産地の復興に少しでも役立とうと、東都生協では関東甲信の産地に職員を派遣し、倒壊したビニールハウス撤去作業などを手伝いました。これからも産地の再興を見守り、交流企画への組合員参加など、産直の東都生協だからこそできる支援活動を続けてまいります。
取れたての枝豆って、こんなにおいしい!
都心から1時間の(農)埼玉西部産直グループを訪問
面白かった枝豆の収穫 |
枝豆のさやと葉茎を分ける機械 |
特に面白かったのは枝豆。大人の力でも引き抜くのが大変なほどでしたが、みんなで力を合わせてなんとか引き抜きました。その後は脱穀機のような機械を使って、枝豆のさやと葉茎に分ける体験も...。
昼食時には取れたての枝豆をゆでていただき、そのあまりの甘さにびっくり! こんなに甘くて味の濃い枝豆は生まれて初めて食べました。
「土に触れて元気になった」「生産者と話せて良かった」「これからも東都生協の野菜を食べたい」と、参加者は大満足の様子でした。
無農薬やぶきた茶、茶摘み体験
農薬・化学肥料を使わない栽培が、茶葉の香りとおいしさを引き出します
茶摘を体験 |
生産者の話になるほどと納得 |
7月上旬は、やぶきた種茶の2番茶葉の新芽収穫時期。紅茶に加工されるこの茶葉を籠を持って摘む姿は、文部省唱歌「茶摘み」の「あかねだすきにすげのかさ~♫」茶娘を連想させます。その中に、黒一点(??)、手摘みをしたいと熱望して参加した男性も混じり、現代風な茶摘み風景となりました。
茶摘みの合間には、農薬無散布の茶葉について「なるほど納得」というお話も聞くことができました。
農薬を使った場合、茶葉に掛けられた薬の被膜で虫は寄り付かず、葉は戦うこともなくのんびり育つ。薬の掛からない葉は、寄ってくる虫と必死で戦わねばならず、たくましく育つ。この違いが味に表れるのだそう。
「薬の有無、茶葉の観察は大切」と勉強になりました。
長崎県で西日本地区の産直産地9団体の視察交流を実施
「がまだすセット」を生産する(農)供給センター長崎など産直産地9団体と交流
若手生産者が車座で熱く語り合いました |
一つ一つ手作業で石を積んだ棚田 |
一番奥が諫早湾潮受堤防の水門 |
がまだす(「がんばる」の意)生産者と交流
同協議会の西日本地区会議・全体会では、まず(農)供給センター長崎が、東都生協の土づくり基金を活用した堆肥センターのこと、部会ごとに目ぞろえを実施していることなど、生産から出荷までを解説。
次に東都生協の齋藤センター長(足立)と原田センター長(国立)が、新世代プロジェクトの取り組みを報告しました。続く「農家のお嫁さんとの交流」では女性同士で意見交換を行い、農業は家事と農作業を両立させるお嫁さんの苦心と工夫で支えられていることが、あらためて分かりました。
島原の風景と諫早干拓
若手生産者が生産する「がまだすセット」(玉ねぎ、じゃがいもなど産直青果4種)を生産する島原半島は、海が近く山が迫った地形に、丁寧に石段が積まれ「棚田」「段々畑」が続く美しい土地。大型農機具が使えず手作業で農業を行う生産者の努力と、石段のメンテナンスの賜物です。しかし、農業の担い手の減少と高齢化で休耕地となった田畑も多く、やがては崩れ、元の山に戻ってしまうそうです。
行程の最後は、諫早干拓地見学。1997年に水門を閉じてから堤防内の乾燥と調整池内の淡水化が進み、上から見ると左右の水の色の違いが分かります。塩が抜け稲作可能になるには20年かかるため水田はいまだになく、堤防内には広大な畑が広がります。潮受堤防としての防災機能や耕作地の確保、水質悪化による漁業被害の問題。二つの風景から日本の農業の課題が見えてきます。
農作業の苦労は多くても、組合員からメッセージが返ってくると、大きな喜びを感じるそうです。誇りを持って生産した農産物を、組合員がきちんと評価することが次の世代につながる力になると強く感じた交流会でした。
農作業体験企画で「フードチェーン食育活動推進事業」に参加
産地・メーカー交流訪問などで食育を推進し、国産農畜水産物の需要拡大につなげます
みんなでお昼ご飯♪ |
田植え完了! |
東都生協は今年度、農林水産省が推進する「フードチェーン食育活動推進事業」に参加します。
この事業は、食や農林水産業への理解を深める体験活動などの食育を推進し、国内需要の拡大につなげる取り組みです。食品生産から食卓までの「フードチェーン」での食育活動と食育指導者の育成を支援するものです。
東都生協は、日本の農業を守り、産直を推進し、食育活動を進める立場からこの趣旨に賛同、農水省から対象事業と認定されました。
東都生協の取り組み産地交流訪問を通して、種まき・草取り・収穫・料理など、農作業の流れを体験する3企画①すいかコース②大豆コース③米コースを進めます。
3つの企画参加者を対象に、国産の農畜水産物を利用する人:80%、日本農業や生産者の状況を知り理解する人:70%、食生活を見直し家庭で継続的な食育活動を進める人:50%を目指します。
この企画は親子での参加が多く、継続して行われるため参加家族のつながりもでき、農業や生産者への理解が深まることが期待できます。
さらに一連の農作業体験が、家族の枠を超えて地域に広がる継続的な食育活動につながり、発展することを期待し、その支援も行っていきます。
百聞は一見にしかず。品質・安全性確保の要、商品検査室を訪問
食とくらしの安全・安心を守る東都生協の検査体制を確認
熱心に耳を傾ける組合員 |
2014年7月2日、とーと会・いなぎ産地交流の会は、東都生協入間センター内にある安全・品質管理部の商品検査室を訪問。微生物検査、残留農薬検査、残留放射能検査の機器や検査方法を確認しました。
安全・品質管理部職員の説明にも一語一句を聞き逃すまいと真剣そのもの。
「検査品目の決め方」「遺伝子組換え作物について」「畜産の飼料は」などさまざまな質疑応答の後、「詳しい説明を聞いて安心できた」「組合員の意見に支えられた生協を実感した」という感想がありました。
主催者にとっても東都生協は産地との信頼関係だけでなく、商品検査を通して緊張関係を保っていることも分かり、直接話を聞く機会となりました。
腸内環境を整えて、免疫力UP!
薬膳料理教室を開催しました
薬膳料理を楽しく学びます |
今回使用した生薬は陳皮(みかんの皮を乾燥したもの)です。れんこん入りハンバーグの具材に陳皮を入れ、焼き上がったハンバーグの上には薄めにスライスしたセロリと陳皮をトッピングして出来上がり。
セロリの扱い方や、薬膳臭さがないところも好評で、東都生協商品のしょうゆ・みりん、ベーコンでソースを作るなど質の良い材料を使ったメニューでした。最後は脂質の消化を促し胃もたれを防ぐともいわれるジャスミン茶で締めくくりました。
調理の後は、当日のテーマ〝免疫力を高める〞についてのお話。全免疫細胞の6割が腸に存在するのだとか! 腸内環境を整えることの大切さを学びました。
「新商品おしゃべり会」調布会場報告
組合員が新商品を企画前に試食し、評価する活動「新商品おしゃべり会」を今年度は5会場で開催中
評価とお薦めコメントを記載します |
商品部職員から提案目的や商品の説明を受けて、組合員全員が質問・意見を出した後、「おいしいと感じたか」「注文したいか」の評価と、お薦めコメントを記入します。人によって嗜好はさまざまなため、提案商品の選択に担当職員が頭を悩ませることもあるそうです。
評価表は集計し、商品委員会に提出されます。また、商品評価には、原材料や製造工程などの商品仕様が記載された「商品ガイド」を参考にしますが、評価後に回収し、機密情報として管理されています。
今年度からは活動費の支給に代わり「わたしのこだわり」から毎月1品、利用促進商品が試食品として提供されています。試食品を提供した翌月には、前月の試食品についての感想や意見を集めます。
「食べたことのないものが試食できてうれしい」「すでに気に入って購入しているので、友人にプレゼントして試食してもらった」というメンバーもいて「わたしのこだわり」の利用普及にも役立っています。
継続的農作業体験を通じて食料の生産、加工・流通、消費について学ぶ
継続的農作業体験企画がフードチェーン食育活動推進事業に承認される
農林水産省主催「平成26年度フードチェーン食育活動推進事業」承認
「継続的農業体験型フードチェーン食育活動プログラム」の活動報告
「フードチェーン食育活動推進事業」とは、農林水産省が推進する事業で、健全な食生活の実践を促す取り組みや、食や農林水産業への理解を深める体験活動などを通じ、消費者に食料の生産、流通・加工、消費に関する理解を促進する取り組みです。
このたび、東都生協の「継続的農業体験型フードチェーン食育活動プログラム(*)」が農林水産省より「フードチェーン食育活動推進事業」として承認されました。
*同プログラムは3企画①(農)船橋農産物供給センター「田んぼの学校」(参加:24家族・59人)
②(農)茨城県西産直センター「すいか作り体験・交流」(参加:16家・32人)
③JAやさと農業体験「大豆コース」(5家族:12人)
【1】(農)船橋農産物供給センター・米コース「6年目の田んぼの学校」
(2014年2月~10月、田の整備、田植え、草取り、稲刈り、収穫祭など12回)
この企画は、「後継者不足などによる生産者の老齢化や米の低価格などに起因し、休耕による荒れた田が毎年増えているという状況を多くの消費者に知ってほしい」また「食と農について考える機会を持ちながら、お米を食べることが農業支援になるということを理解してほしい」そんな生産者の思いを受けて始まりました。
1年目に田んぼへ下る道を作り、覆いかぶさる木を切り、井戸も掘り、20数年間荒れ放題だった田んぼを整備して「みんなの再生田1号」と名付け、お米作りを開始しました。現在は、2年目から整備を始めた「みんなの再生田2号」と合わせた約23aの田んぼで、雑草に挑みつつ農薬を使わない安定したお米作りを行っています。
昨年はお米作り以外にも、じゃがいもや落花生の植え付けと収穫、イノシシから田んぼを守る電気柵の設置作業、また、有志による東屋作りや真夏の夜の炭焼き大会なども行いました。
田んぼの整備やお米作りは決して楽な作業ではありませんが、自分たちで整備した田んぼで作り収穫したお米の味は格別です。お米作りを通して大自然と農業と人の関係を学び、豊かな喜びあふれる時を過ごしています。
2月22日(土)田んぼの整備
まるで荒れ野を開墾するかのよう | 親子で休耕田を掘り返します |
水路作りは泥との格闘 | 完成した水路に掛けた丸太の橋 |
育苗用培土に籾殻くん炭を混合 | 田んぼに水を送る給水管用の溝掘り |
みんなで給水管の運び出し | 給水管の埋設作業 |
5月17日(土)田植え、6月28日(土)田んぼの草取り
全員一列に並んで田植え | 子どもたちも頑張りました |
中腰での草取りは結構きつい! | ザリガニやカエル採りに夢中! |
【2】(農)茨城県西産直センター・すいか作り体験・交流!
(5月~7月 苗の定植、わら敷き、収穫など 3回)
(農)茨城県西産直センターの協力を得て行う、普段なかなか体験することのできない果物の農業体験3回連続企画です。同産地生産者の大久保さんの畑で、小玉すいか(スマートボール)ができるまでの作業の一部を体験させていただきます。小玉すいかの苗植えから収穫までの生育の過程を学びながら、生産者のこだわりを実感します。
確実に実を結ぶための花合わせ | これが雄花 | ||||||||
雌花です | 畑に肥料をまき、よく耕します |
「マルチ」に切れ目を入れて苗植え |
金属の枠を半円形に差し込みます |
ビニールをかけました | すいか畑を前に記念撮影 |
防草や保温のため、わらを敷きます | つるがだいぶ伸びてきました |
待ちに待った収穫です! | すいかのお味はいかが? |
【3】JAやさと農作業体験・大豆コース
(7月~12月 種まき、草取り、収穫、豆腐作りなど 4回)
JAやさとと協力し、種まき、草取り・枝豆の試食、収穫・脱穀、お豆腐作りの作業体験を通じて、大豆の生育過程や国産大豆の現状などを楽しく学びます。自分たちで育てた大豆で消泡剤などを使用せずに作ったお豆腐の味は格別です。
7月5日(土)大豆の種まき、大豆作りの話を聞く初めにJAやさとのスタッフが説明 | 種まき位置が分かるように線を引きます |
大豆の種まき | 防鳥用の糸張り |
(有)人と農・自然をつなぐ会(無農薬茶の会)の第38回お茶摘み交流会に参加
日本の豊かな自然に育まれる食と農の大切さを体感しました
そば打ち体験 |
茶畑でのお茶摘み体験 |
新芽を手摘み |
摘んだ茶葉は籠やビニール袋へ |
美しい茶畑の風景 |
お茶摘み交流会は、「やぶきたみどり」などのお茶でおなじみの(有)人と農・自然をつなぐ会が毎年行なっている交流会で、今年で38回目を迎えます。
東都生協からは子ども8人を含む10組24人が参加しましたが、それ以外にも地元の消費者の方などの参加もあり、参加者は総勢130人を超える大交流会となりました。
初日は、お茶の手もみ体験・そば打ち体験・竹器(食事用の食器)作り体験・鶏を絞める体験などの企画に、参加者は各自、自由に参加しました。
夕方からは「海外から見たTPPと家族農業」と題した講演会で、オーストラリアで家族農業と食の安全性を守る取り組みをされている講師のスコット・ジョーンさんが、オーストラリアの農業事情についてお話をされ、大規模化や競争力が重視される一方での、家族農業の果たす役割について共に考えました。
参加者全員が集まってのにぎやかな夕食懇親会では、山菜料理や新茶の天ぷら、地鶏料理、竹筒での炊き込み飯など、地元の手作りの料理を食べながら交流しました。
翌日は、餅つきを行い、朝食のあと茶畑へ移動し、お茶摘み体験。手提げのビニール袋や小さい籠に各自摘んだ茶葉を入れ、集めては大きな籠に移しながら新芽を手摘みしました。体験作業を通して、お茶の芽の美しさ、力強さを満喫しました。
昼食は、お茶畑の近くの木陰に座り、美しい茶畑の景色を眺めながら手作りのお弁当とお茶をいただきました。
交流会終了後、東都生協の参加者は、近くの温泉へ移動し、ゆっくり入浴してから帰路に就きました。
現地でのさまざまな体験や交流を通して、産地の現状や取り組みについての理解を深めることができた2日間でした。
参加者からは、
「農家のネットワーク、若い人のネットワーク、その発信力がすごいと思った。参加者が全国から来ているし、学生もいていろいろ交流できた」
「茶摘みは初めての経験だったが、重労働だと分かった」
「講演がとても良かった。TPPには強く反対していかなければと思った」
「鶏絞めを子どもに見せられてよかった。命の大切さを教えて育てられる」
「中味が濃い充実した企画。とても勉強になった。機会があればまた参加したい」
――などの感想がありました。