みんなの活動:これまでの活動報告

食と農

2019協同組合フェスタTOKYOに出展・参加しました

若手生産者との協同で、日本の農業を盛り上げる機会に!

2019.06.27

JA東京アグリパーク外観

JA東京アグリパーク外観

東都生協の出展ブース

東都生協の出展ブース

(農)埼玉産直センターの生産者さんも来場者に直接、熱く説明

(農)埼玉産直センター生産者さん
も直接、来場者に熱く説明

東京の協同組合と協同組合同士が連携していることを知っていただく機会として、2019年6月18日(火)から22日(土)5日間にわたって、JA東京アグリパーク(渋谷区代々木)で「2019協同組合フェスタTOKYO」が行われました。

東京都のさまざまな協同組合による商品紹介とお楽しみイベントが行われ、来場者は5日間で4,000人を超え、終日盛況でした。

東都生協は、6月21日(金)・22日(土)の2日間、新世代チャレンジプロジェクト・若手生産者の取り組みのPRとして、新世代プロジェクトの動画投影やパネル展示、料理レシピの配付、(農)埼玉産直センターが生産した「100年トマト」「ミニトマト」の試食・販売、新世代チャレンジプロジェクト「若手生産者の青果セット」の販売などを行いました。

最終日には(農)埼玉産直センターからも応援に駆け付け、来場者に商品のこだわりを伝えました。

イベントでは、家庭で利用されず眠っている食品を寄付していただくフードドライブも行い、5日間で76個・約10kg(内容量)が集まりました。集まった食品は、東都生協でも関係のある、フードバンク狛江にお届けしました。

◇主催:東京の協同組合間の協力と連携のあり方を考える連絡協議会

◇参加団体:13団体

印鑰智哉さんに聞く「種子から考える、私たちの食の未来」学習会報告

2019年3月15日、日本の種子を守る会・事務局アドバイザーの印鑰智哉さんによる学習会報告(文京シビックセンター)

2019.03.28

講師の印鑰 智哉さん

講師の印鑰 智哉さん

会場の様子

会場の様子

東都生協は2019年3月15日文京シビックセンターにて、日本の種子を守る会・事務局アドバイザーの印鑰 智哉(いんやく ともや)氏をお招きして「種子から考える私たちの食の未来」というテーマで学習会を行いました。

印鑰氏は、まず地球の歴史、生物の歴史をたどり「地球は微生物の星、微生物と植物の共生により地球上に豊かな土壌が生まれ、生命の栄養・エネルギーが生み出され、生態系が維持されている。そんな豊かな地球が大変な事態を迎えている」と語ります。

第1次世界大戦ごろから化学肥料の活用が始まり、第2次世界大戦後、世界的に「緑の革命」の名の下で化学肥料・農薬を多投する農業が拡大。やがて化学企業が農業生産の在り方を支配し、種子+化学肥料+農薬の3つを1セットで売り込む工業型農業への流れが定着。その結果、化学肥料・農薬が植物と土壌微生物との共生関係を壊し土壌を破壊した、と指摘します。

日本の食卓に欠かせない米、麦、大豆。

種子法(主要農作物種子法)は、安定的に優良な品種の米、麦、大豆の種子の生産を行うため、国・都道府県の責任を規定した法律です。各都道府県では、計画的に土地に合った種子が生産され、安価な価格で生産農家に安定提供され、日本の食料生産を支えてきました。しかし、その種子法が昨年、廃止されてしまいました。

この先、種子が民間企業・多国籍企業に委ねられてしまい、種子の多様性がなくなり、種子の値段が高騰する危険性が出てきています。「今まで国が保護し、農家の方が守り育ててきた種子が脅かされる状況になっている」と印鑰さんは話します。


◇自由なタネがなければ自由な社会は作れない

一方、世界では、20年以上前に「種子の自由」運動が提唱され、世界の小農運動、食の運動に大きな影響を与えていることにも印鑰氏は言及。農業が地球の気候変動を止めることができること、農業は土壌の栄養を回復させ、水害や日照りにも強くすることなどにも触れ、国連は2019年~2028年を小規模家族農業を強化する「家族農業の10年」と定めていることを紹介。「大規模企業型農業推進から小規模家族農業、生態系を守るエコロジーの原則を農業に適用した『アグロエコロジー』への転換こそが解決策」との考えを示しました。

日本でも種子法廃止を受けて、独自の条例で公的種子事業を継続させている自治体も増えています。種子の権利(公共性・多様性)を守る新しい法律の確立など、食を守る取り組みを広げていくことが求められています。


<参加者の声>

  • 農家の高齢化、後継者不足の解決策として農業を企業が担っていくというのは正解ではないとよく分かりました。
  • 説明が分かりやすかった。ドキュメンタリー映画「種子―みんなのもの? それとも企業の所有物?」の紹介があり、映画も見てみたいと思いました。
  • 気候変動にまで影響する農業の大切さや、種がいかにグローバル企業に仕切られているのか。この大変さを報道しない。日本の政策が世界と逆になっていることを知り、ドッキリ。
  • 種子法復活に向けて今できることを考えたい。
  • 世界の潮流から広く現状の知識を知ることができました。

夏休み! 親子で鈴廣かまぼこ工場見学!

東都生協 第9地域委員会「鈴廣かまぼこ㈱交流訪問」の報告

2018.08.12


東都生協第9地域委員会は2018年7月27日「体に優しい自然の味」をお届けすることをコンセプトとし、化学調味料・保存料を一切使わず、天然素材を使用した商品作りに徹する小田原の鈴廣かまぼこ㈱に、親子連れを含む総勢21人で工場見学とかまぼこ手作り体験に行ってきました!

行きのバスの中では鈴廣かまぼこ㈱の学習に加え、食育クイズも行い食への興味につなげました。参加者は全員、自己紹介しましたが、小学生からは「今回の訪問を夏休みの自由研究にしたい」との声もありました。

鈴廣かまぼこ㈱の恵水(めぐみ)工場では、かまぼこを実際に作っている生産ラインを見学し、1本のかまぼこに5~6尾分の魚(グチ)が使われていること、小田原のきれいな地下水がかまぼこ作りに大切なことなどを学習しました。

市販のかまぼことの食べ比べを行い、鈴廣かまぼこ㈱の弾力の違いにみんなで驚きました。

同社イチオシのお薦めは、白かまぼこの「小田原っこ」ですが、実はお正月用と思われがちな「伊達巻」もお薦めです。年間通して需要があり、不定期ながらも企画していますので、商品案内をしっかりチェックして注文してくださいね。

「手作り体験」では、職人さんのようにはうまくできず苦心。小さいお子さんは、お母さんに手伝ってもらいながら最後まで頑張りました。

環境にも配慮し、化学調味料、保存料不使用に徹した本物の味・鈴廣かまぼこ㈱の製品を、皆さんもどうぞご利用ください。

(農)房総食料センターで、かぶの収穫体験、若手生産者との交流を行いました

第6地域委員会主催「(農)房総食料センター」交流訪問企画の報告        

2018.04.16

かぶは昼食時ステーキや煮物に

かぶは昼食時ステーキや煮物に

かぶの花

かぶの花

房総の野菜を利用するゾ!

房総の野菜を利用するゾ!

第6地域委員会は2018年3月17日、千葉県の産直産地・(農)房総食料センターの小島さん引率のもと、かぶの収穫体験、若手生産者との交流を行いました。大人18人・子ども6人が参加。

かぶの収穫体験では山崎さんの育てたかぶを収穫しました。山崎さんの元で農業研修をしていらっしゃる方2人もいらして、かぶの生育や収穫までの流れを教えてくださいました。

中でも、私たちが食べている白い部分は根っこではなく"茎"であるというお話に一同驚きました。

昼食は産地の野菜を使ったかぶのステーキや、煮物など、心のこもった手料理でお腹いっぱいに!

昼食後の若手生産者との交流では、青年部部長の田山さんも加わり、若手「房総SUNS」生産者の話、農業の現状やこだわり、苦労話など幅広いお話を伺うことができました。

今回の(農)房総食料センター交流訪問は昨年2017年10月に行う予定でしたが、台風による被害が大きかったため中止となり、再企画したものです。

暴風雨による被害だけでなく、海が近いことから、同産地は深刻な塩害に見舞われたそうです。そして今年の冬は寒さが厳しく、台風を生き延びた作物も寒さでやられてしまったことなど、気候が及ぼす農業への影響の大きさを学びました。

生産者からは「野菜は値段の変動が大きい食材で、市場価格の変動による売上高の増減が激しい」「若い人が安心して農業を続けられるために安定した利用を!」とのお話がありました。

参加した組合員からは、「これからは値段に振り回されることなく、作り手のこめた思いも私たちは買っているんだと思いながら利用していきたいと思いました」との声が寄せられました。


 

学習会「日本の畜産・酪農業の現状と東都生協の産直」を開催しました

組合員と生産者が共に環境の変化や課題に向き合い、産直の在り方を考えました

2018.04.13

東都生協は2018年2月14日、さんぼんすぎセンター会議室にて「日本の畜産・酪農業の現状と東都生協の産直」をテーマに学習会しました。

講師として千葉北部酪農農業協同組合の小野 功さん、信川 幸之助さん、東都生協の小俣徹職員が登壇。当日は組合員など29人が参加しました。

TPPや日米貿易交渉(FTA)など際限のない貿易自由化と輸入食品の安全基準の緩和、国内食料生産基盤の弱体化など、日本の畜産・酪農業はさまざまな問題や課題を抱えています。

開会の学習会は、組合員と生産者が互いに、それぞれを取り巻く環境の変化や課題に向き合い、東都生協の産直の事業と運動に理解を深める機会として開催しました。

千葉北部酪農農業協同組合・小野さんのお話
はじめに、千葉北部酪農農業協同組合・小野さんが報告しました。以下は報告要旨です。

TPP加盟による影響試算は、牛肉は格付け4~5等級の国内ブランドは残り、3等級以下は一部を除き輸入牛肉に置き換わる見込みです。輸入牛と競合する乳用種などが、特に影響を受けることが考えられます(用途・特色のある牛肉を除く)。

乳製品は、鮮度が重視される生クリームなどを除き、外国産に置き換わってしまう公算が大きく、飲用乳についても加工から漏れた北海道に置き換わり、都府県の飲用乳は大きな打撃を受ける可能性があります。

千葉北部酪農農業協同組合の戸数および牛乳生産量は、生産者の移籍などに伴い減少してきました。また、妊娠牛の異常高騰など生産費が生産費を圧迫し、搾乳牛の減少にもつながり、乳量も減少していく構造が長らく続いています。

割合は異なりますが、これは全国的に見られる現象であるとともに、メガファームの台頭が酪農現場を席巻しています。大型化、一極化(北海道)の動きが見られるのが近年の酪農業の傾向です。

日本国内の肉牛飼養頭数は2010年を境に、大型牧場の牛部門撤退(廃業)に伴って減少傾向にあります。さらには2010年の九州での口蹄疫発生、2011年の東日本大震災と列島を災害が襲い、仔牛の一大産地が崩壊し、全国的な仔牛不足につながりました。畜産業でも畜産クラスター事業(※)による大型化が進んでいることは酪農業と同じ現状です。
畜産クラスター事業:畜産農家をはじめ、地域の関係事業者が連携・結集し、地域ぐるみで高収益型の畜産を実現するための体制づくりのために、国(農林水産省)が補助金を交付する事業

今日さまざまな要因(経済的要因・天災)が生産状況を圧迫し、負のスパイラルへ落ち込んでいく構造になっています。

国内の畜産・酪農業を未来につないでいくためには、生産者と消費者の相互理解に基づく消費行動が重要です。安全・安心でおいしい牛乳・牛肉を次世代に継承するためには、いま国産農畜産物の消費拡大を進めることが必要です。行動につながってこそ、命を次につなぐことができます。

千葉北部酪農農業協同組合は、「八千代牛」「八千代牛乳」を通じて、東都生協組合員の皆さまと共に、国産農畜産物の担うものを未来につないでいける産地になっていきます。

次世代を担う生産者のお話(千葉北部酪農農業協同組合「八千代黒牛」生産者)
先代の後を継ぎ、今の肉牛生産を行う次世代は、「継続して生産していけるのか」「将来生計を立てていけるのか」など、非常に大きな不安を抱えています。いま私たちの目の前にある"大きな不安"を"大きな希望"に変えていくためにも、組合員の皆さまの"消費行動"という応援を、よろしくお願い申し上げます。

次世代を担う生産者のお話(千葉北部酪農農業協同組合「八千代牛」生産者)
今日までに肉牛生産はBSEや口蹄疫、そして震災に伴う放射性物質による汚染など、廃業と隣り合わせの状況を乗り越えてきました。それは私たちが育てた牛を"おいしい"といって食べていただける東都生協の皆さまがいてくださるからです。

現在は、生産した牛肉を皆さまにお届けすることが難しくなるまでに、仔牛の減少、そして飼料穀物の高騰が長く続いています。皆さまの"おいしい"の後押しを励みに、多くの次世代が頑張っています。私たちは今までと変わらないおいしい牛肉を生産していきます。

続いて東都生協・小俣職員が、独自の有機質資材「米の精」と畜産・酪農との関わりについて報告。

「米の精」は、おいしさと栄養を両立させた産直米「金芽米(BG無洗米)」などの精米過程でできる肌ぬかを再利用した有機質資材です。今まで廃棄されていたこの栄養豊富な「米の精」を、産直青果物の肥料や畜産飼料に活用することで、おいしさと環境保全を両立したブランドとしています。
※米の精:「米の精」は、地球環境の保全と循環型農業を目指す取り組み。産直米「金芽米」などを製造するBG無洗米機は東洋ライス㈱が開発。研ぎ汁の素になる肌ぬかの粘性を利用し、でんぷん層(白米部分)とぬか層の境目にある亜糊粉層(あこふんそう:栄養とうま味成分が豊富)を傷めずに肌ぬかだけを除去します。米の精は、①研ぎ汁による水質汚染を防止し、汚水処理場の電力消費(CO₂)を削減できる ②コメの健康成分の流失と劣化を防ぐ ③コメの食味の劣化を防ぐ ④環境に有害な研ぎ汁を有効資源として活用する ――機能を備えています。

環境保全、循環型農業の実現を目指す考えに賛同いただいた産直産地では、以下の東都生協商品で「米の精」を配合した飼料の給餌が始まっています。

「八千代牛」   2016年1月より、日齢約300日以降、飼料に「米の精」を3%配合
「八千代牛乳」  2017年10月より、乳牛飼料に「米の精」を3%配合
「かぞの豚」   2017年4月より、日齢約120日以降、飼料に「米の精」を3%配合
「太陽チキン」  2017年4月より、日齢約60日以降、飼料に「米の精」を3%配合


参加者から生産者への質問も受けながら、交流と「八千代牛乳」の試飲や「八千代牛」の試食を行い、東都生協のこだわりや魅力、商品の良さを実感できた学習会となりました。

<参加者の声>
  • 今まで日本の畜産・酪農についてあまり考えたことがなかったので良い機会となりました
  • 産地が置かれている現状は厳しいものがありますが、これまで築き上げてきた酪農業の伝統を断たれないように消費者の理解も深めながら頑張っていただきたい
  • 畜産・酪農の現状がこれほど厳しくなるとは考えていなかった。私たち組合員が今後、今までのように安全で安心な商品を手に入れられるか不安に思う。試食の肉がとてもおいしかった。牛肉を利用することは最近少なくなってきたので、今後はぜひ注文したい

学習会「日本の水産業の現状と東都生協の産直」を開催しました

日本の漁業の現状を学び、生産者と一緒に産直の在り方を考えました

2018.04.10

講師の武田裕貴氏(北海道ぎょれん)

試食の鮭・いくらごはん

東都生協は2018年3月14日、さんぼんすぎセンターにて「日本の水産業の現状と東都生協の産直」をテーマとする学習会を開催しました。講師として、北海道漁業協同組合連合会の武田裕貴さんと、東都生協農産グループ藤田圭介職員が登壇しました。組合員など25人が参加しました。

日本の農水産業はさまざまな課題を抱えています。組合員と生産者が互いの環境変化や課題に向き合い、東都生協の産直の事業と運動への理解を深めることを目的に、今年度はシリーズで学習会を開催してきました。今回は水産業の現状について学びました。

北海道漁業協同組合連合会・武田さんのお話
北海道漁業協同組合連合会の武田さんは、始めに世界の水産物消費の動向を説明。日本全国の漁業生産の推移としては、6年続けて海面漁業・養殖業の生産量が500万トンに届かず大幅減となる中で、浜値の上昇により生産額としては微減となっていることを報告しました。

続いてホタテ、サケ、昆布など北海道の魚種別の生産量と単価の推移を示し、水揚高が減少傾向にあることを解説。北海道での漁業の課題として、全道的な水揚げ減少、国内消費の低迷、漁業者の高齢化や後継者不足を挙げました。

これらの課題に対する取り組みとして武田さんは、魚種ごとの漁獲可能数量の設定、大きさの基準、育てる漁業の推進など、将来へ向けた水産資源の保護や、全年代に向けた食育、魚食の普及活動の実施などの産地の取り組みを紹介しました。

東都生協での水産品の利用動向
東都生協商品部の藤田職員からは、食生活の変化などに伴う水産品の利用離れによる支出額・購入額の減少など、消費の現場を巡る状況を報告。

「枝幸(えさし)魚つきの森(※)」商品の利用普及や、地域や県などにこだわった商品配置と品ぞろえの充実、季節や旬を意識した商品の企画増、利用しやすい商品提案、茶話会や学習会開催など、水産品の消費拡大に向けた取り組みを紹介しました。

講演の後は、参加者から質問も受けながら交流と試食を行い、東都生協のこだわり・魅力・商品の良さを実感する学習会となりました。

※枝幸魚つきの森:
東都生協が北海道漁業協同組合連合会・枝幸(えさし)漁協と協同で取り組む活動。山林への植樹活動や鮭の稚魚・ほたての稚貝の放流、交流活動に取り組んでいます。消費者と生産者が一緒に地球環境と生命の源である川と海を守り、漁場・資源管理型漁業により生産される水産物を利用し、豊かな食生活を推進することを目的としています。

<参加者の声>
  • グラフが多く視覚的も分かりやすかった。水産の現状が理解できた。
  • 水産業の漁獲量がここまで減っているとは思いませんでした。
  • 広い意味では世界規模で海水温の上昇のことなど考え実行していかないと、先細り傾向は止められないと実感した。
  • サケ、サンマの不良をニュースで聞いていたが、その理由を詳しく知り、理解することができた。


  • <今回の試食品紹介>
    ①「東都北海道枝幸産いくら醤油漬」
    北海道の枝幸沿岸で9月から11月に漁獲される秋鮭の卵を漁獲後直ちに枝幸漁協にて採卵し、生から漬け込んでいます
    ②「東都北海道枝幸産ほたて貝柱」
    約4年の歳月を自然状態で生育した「地まきほたて貝」。枝幸産のホタテは甘みが強く、肉質も良いといわれています。水揚げされたその日のうちに急速冷凍され製品化されます
    ③「東都北海道枝幸産秋鮭切身(甘口)」
    北海道枝幸前浜で漁獲された銀毛の秋鮭を使用。一次加工は枝幸漁協直営工場で行っているため原魚搬入までに時間がかからず、高鮮度のまま加工しています。塩分2%

2018.03.20

SDGsのロゴ

SDGsのロゴ

講師の新良貴泰夫さん

講師の新良貴泰夫さん

会場の様子

会場の様子

東都生協は2018年3月13日、日本生活協同組合連合会 環境事業推進部 新良貴 泰夫(しらき やすお)さんを講師にお迎えし、持続可能な開発目標(SDGs)に関する学習会を開催しました。

SDGs(エスディージーズ:持続可能な開発目標)は、異常気象、貧困問題、エネルギー、気候変動など、世界が抱える問題を解決し、持続可能な社会をつくるために世界各国が合意した17の目標と169のターゲットです。

SDGsの前身となるMDGs(エムディージーズ:ミレニアム開発目標)を継承し、2015年9月の国連で採択されました。地球上の誰一人として取り残さないという壮大な理想を掲げています。

学習会では、「SDGsの達成に向けて生協ができること 誰一人取り残さない」と題して、持続可能でない世界の状況やSDGsの概要を学び、私たち生協や消費者にどのようなことができるかを考える場となりました。

講演では、地球はさまざまな問題を抱え、持続可能でなくなっていることや、SDGsの成り立ち、SDGsを巡る世の中の動きについて説明。

SDGsの17目標が協同組合の理念と重なること、SDGsにおける協同組合への期待など、ポイントを絞って分かりやすく説明いただきました。

さらに新良貴さんは「生協が具体的な目標を検討・策定していく際には、将来の在るべき姿を想定し、未来から現在を振り返って考えるバックキャスティングの手法を用いることが大切」としました。

今回の学習会を通じて、SDGsの目標を実現するためには、一人ひとりが「自分事」と捉えて取り組むことが不可欠なこと、日常のくらしや行動を少し変えるだけでもSDGs達成につながることを学びました。

参加者からは、
「人が地球で生きていく上で極めて当たり前のことだと思います。このことを全ての人々が理解すべきと思います」
「SDGsについては、名称しか知らなかったので、その中身を知りたくて参加しました。講師の方の説明が分かりやすく理解しやすかった」
「個人として何をすべきか、周りにどう伝えていくべきか考えさせられました」
「今回の学習会の続き、もしくはグループトークなどを企画して自分たちのSDGsを感じる学習会を企画していただければと思います」「成立までの経緯、世界・日本でどのように受け止め履行されているのかがよく分かりました」
などの意見が寄せられました。

改正食品表示法について学習しました

食品表示法に基づく食品表示基準の改正に伴い変更された商品表示の見分け方を学びました

2018.03.07


食品表示を確かめながら試食



東都生協は2017年12月14日、さんぼんすぎセンターで安全・品質管理部の職員を講師に「食品表示法についての学習会」を開催しました。

食品表示法は、JAS法、食品衛生法、健康増進法の3つの法律の「表示」に関する規定を1つにまとめ、食品表示を一元化する法律として2015年4月1日に施行されました。これにより、加工食品においては2020年3月末までに包材の表示を切り替える必要があります(経過措置期間5年間)。

主な変更点は、アレルギー表示が原則として原材料ごとの個別表記となること、原材料と食品添加物を区分して表示すること、栄養成分表示が義務化されたこと、などです。

食品の表示は、消費者の安全や選択の機会の確保を図る上で重要な役割を果たし、食品表示がなければアレルギーを持つ人に深刻な健康被害をもたらすかもしれず、表示の読み取り方を知らなければ毎日の生活にも困る、と具体的な事例を挙げました。

さらに2017年9月1日の食品表示法に基づく食品表示基準の改正では、全ての加工食品に対して、使用重量の1番多い原材料について「原料原産地表示」が義務付けられました(経過措置期限は2022年3月末まで)。

これにより、漬物やうなぎ加工品など一部の加工食品に限定されていた原料原産地表示が、5年かけて全ての加工食品に拡大していきます。

ただし、改正後、例えばパンに使う小麦粉を季節で切り替える場合の表示は「A国またはB国または国産」となり、どの国の小麦粉を一番多く使っているかが分かりにくい、外国産小麦を日本で粉にした場合「小麦粉(国内製造)」と表示され誤解を招きかねない、など問題点も多くあります。

東都生協では、プライベートブランド商品について、義務化前から自主的に原料原産地表示を行っています。

食品表示の目的、現在までの経緯、現状の問題点や今後について学んだ講習会、質疑では踏み込んだ質問にもきめ細かく回答しました。

参加者からは「漠然と聞きかじっていたことが整理・理解できた」「新しい表示になっても迷わず選べそう」などの声や、添加物、遺伝子組換え食品、アレルギー、食品表示についてさらに詳しい内容の学習会を希望する声もあり、有意義な学習会となりました。

マガンのねぐら入り&飛び立ち鑑賞・交流!

マガンの飛来が産直米産地の優れた環境を象徴

2018.03.07


マガンの飛翔



みんなで餅つき


東都生協は2017年12月2日~3日、「マガン(※)のねぐら入り&飛び立ち鑑賞・交流! JAみどりの田尻産直委員会交流訪問」を実施しました。

この企画は、宮城県にある「東都わかば 宮城ひとめぼれ」「東都みのり 宮城つや姫」の産地「みどりの農業協同組合 田尻産直委員会」の協力で毎年行われています。

初日はお米の説明とマガンの説明を受けた後、NPO蕪栗(かぶくり)ぬまっこクラブの戸島先生をガイドにねぐら入りを観賞、夕食時には生産者の方との交流が活発に行われました。

翌朝は5時45分に宿を出て、マガンの飛び立ちを鑑賞。前日に続き天気が良かったため、3回くらいまとまって飛び出す様子を鑑賞できました。

その他、菌床しいたけの収穫体験、水菜の袋詰め体験、正月飾り作りと、さまざまなプログラムを用意。
最後の餅つきでは子どもたちも一緒に餅をつき、あん餅とお雑煮でいただきました。

参加者からは
「素晴らしい体験をさせてもらった。マガンの数に驚いた」
「1枚の田んぼの大きさにびっくり!」
「環境の良さがマガンに象徴されている。地産地消、ラムサール条約(特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)、自然保護、マガンの羽音を聞いて考えた」
――といった感想が寄せられました。

産直米を食べることが、田んぼや周囲の環境、たくさんの生きものたちを守ることにつながることを実感する機会として、これからも続けていきたい企画です。

※マガン:
翼を広げると1.4mほどになる大型の水鳥で、日本には冬鳥として渡来。天然記念物の渡り鳥です。湖や沼などをねぐら場所とし、水田で落穂や草の種子などを食します。宮城の県鳥でもあり、蕪栗沼はマガンの国内有数の越冬地。最大10万羽が飛来します。

日本の農業の現状と東都生協の産直を考える学習会を開催しました

食と農を取り巻く情勢を知り、今後の産直について考えました

2018.02.20


左から講師の松本職員、吉田さん

東都生協は2018年1月30日、さんぼんすぎセンター地下ホールで、東都生協の産直事業を取り巻く大きな環境の変化や日本の農業の現状などについて理解を深める学習会を開催しました。東都生協の組合員・役職員31人が参加しました。

農事組合法人 さんぶ野菜ネットワーク 生産販売部・部長の吉田友和さんと、東都生協・農産グループの松本正樹職員を講師に、日本の農業の現状や東都生協の産直事業を取り巻く大きな環境の変化について理解を深めました。

千葉県にある(農)さんぶ野菜ネットワークでは、半径5km以内で耕作する組合員が輪作体系を基本とした土づくりを行っています。輪作体系や資材・肥料の組み合わせ試行錯誤を繰り返し、ノウハウを蓄積してきました。

吉田氏は「青果を扱う東京の大田市場まで1時間という好立地で、東京近郊でもあるため、求職も容易で、転職して離農していく生産者も多い」と生産現場を巡る情勢を説明します。

同産地の出荷戸数は52戸(うち、他業種からの就農が29戸)。登録農地は約85ヘクタールで有機農産物を生産し、栽培品目は60品目。2001年にJAS有機の団体認証を32戸の農家(認定農地50ヘクタール)で取得しています。

吉田氏は、アメリカ離脱後のTPP11の動きや田畑の耕地面積の減少、生産者の高齢化、産地から消費地への物流確保、最近では長距離輸送のコスト高など、日本の農業を取り巻く環境変化について触れながら、現在の課題として、労働力・コミュニケーション不足、JAS有機認定の維持費用、配合肥料の証明書の取得・管理などを挙げました。

吉田氏は併せて、組織管理体制の見直しやコミュニティの活性化、作付面積拡大・品質向上に取り組んでいくと、同産地の今後の計画を示しました。

また、松本職員からは、これまでの東都生協の産直の取り組みを報告。東都生協の産直の課題として、
①環境変化によるデメリットの解決
②交流運動から交流事業への質的転換
③産地直結への理解と共感を実現する仕組み
④産直事業におけるメリットの想像
――を挙げました。

今後の産直事業におけるメリット創造についても触れ、
①産地生産者と組合員がともにメリットを実感できるようにし、共通した目的に向かって「協同」ができること
②後継者対策として新世代チャレンジプロジェクトの取り組みをさらに広げ、次のステップへつなげる
③産地・組合員・生協従業員の三者で共通目標の達成に向けた協力の枠組みと具体的活動をつくりあげていく
――と報告しました。

参加者は(農)さんぶ野菜ネットワークのにんじん「浜紅」を試食しながら交流し、東都生協のこだわり・魅力や商品の良さを実感しました。

    <参加した組合員の声より>
  • さんぶ野菜ネットワークがどのように取り組んでいるか、日本の農業のことが良く分かった。就農者の高齢化を心配していたが新規就農者もある程度いるということで何とか持ちこたえているのかと思った。
  • 有機農産物を作り続けることの大変さがよく分かった。
  • 若い人がもっともっと農業に携われるように組合員も応援していかなくてはと思った。
  • 日本農業の持続的発展のために乗り越えるべき課題はたくさんあるが、産直の東都生協として、今後も組合員の信頼を得て、産地との相互理解を深めながら取り組んでもらいたい。


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