食と農
国産にこだわる伝統の味 ―― きんまる星醤油㈱を交流訪問
2019年11月6日 弦巻ブロック委員会「きんまる星醤油㈱交流訪問」
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蔵に入れば甘くまろやかな香り、同社にある「東都生協御用蔵」では大木桶が迎えてくれます。
国産材料で手間暇かけて作り上げる伝統醸造に感動し、私たちの使う商品がどのようにできているかを確認。
試食会ではぜひこのしょうゆを使いたいと、次の企画にも花が咲きました。
同商品は「リユースびん使用」で、環境にも配慮しています。一人でも多くの人に使ってもらいたいと感じました。
ソースを工夫してごちそうメニューに
2019年11月21日 とーと会・ナチュラルボックス「エム・シーシー食品㈱の学習交流会」
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揚げないミートコロッケ |
「カニのトマトクリームソース」はスープ仕立てに「ボロニア風ミートソース」は揚げないミートコロッケに――など、少しの工夫でごちそう感ある料理ができることが分かりました。
市販のジェノベーゼソースとの食べ比べでは、原材料や味の違いを実感。商品作りへのこだわりも知り、とても勉強になりました。
「もーもータオル贈呈式」を行いました
「心をつなぐもーもータオルキャンペーン」に寄せられたタオル・メッセージを千葉北部酪農農業協同組合に贈呈しました
タオルとメッセージ、お届けしました! |
初めての乳搾り |
牛さん、いっぱい食べてね! |
東都生協では、組合員から寄せられたタオルとメッセージを「八千代牛乳」生産者に提供する活動をしています。
「組合員に安全でおいしい八千代牛乳をずっとお届けしたい」と奮闘する生産者を応援するこの取り組みは、1985年に始まりました。
搾乳時にきれいなタオルで牛の乳房を拭くことで、細菌数の少ない生乳を生産することができ、おいしく高品質な「八千代牛乳」の生産につながります。
キャンペーン「八千代牛乳のふるさと牧場へ『もーもータオル』を届けよう!」には、東都生協組合員の皆さんから白いタオル4,200枚とメッセージカード208枚が集まりました。ご協力ありがとうございました。
牧場主の鈴木耕太朗さんは現在29歳。旧藤崎牧場を昨年2月から引き継ぎ、お一人で運営しています。
子どもの頃から八千代牛乳で育った鈴木さんは、北海道の大学で4年間酪農を学び、現在も精力的に鈴木牧場を営んでいます。
2019年の台風15号、19号では建物の被害はなかったものの、停電により牛に水を供給できない状態が続き、親牛2頭が死んでしまいました。鈴木さん自身も寝る間もなく対応に当たるなど、大変なご苦労をされたそうです。
贈呈式の後は参加者全員で牧場見学、餌やり、乳搾り体験を行い、昼食には八千代牛でバーベキューをしながら交流をしました。
これからも「まいとど登録」などをして、八千代牛乳をどんどん飲みましょう!
第31回やさと体験田! 田植えから稲刈り、収穫までを体験!
31年目を迎えるJAやさと農業体験「お米コース」
5月の田植えの様子 |
夏場の草取り |
9月の稲刈り |
稲刈りを終えて全員で記念撮影 |
10月の収穫祭の様子 |
2019年度は5月の田植えからはじまり、10月の収穫祭で今年も終了しました。ベテランの参加者から今回初めてとなる参加者まで、大人と子ども48人が参加しました。
この企画は、東都生協が産直産地・JAやさと(茨城県)に協力いただき、化学合成農薬、化学肥料、除草剤を使わず、できるだけ機械も使わず、自分たちの手で米作りを行う企画として1989年から始まりました。
今回も、天候や、雑草との戦いなど米作りの苦労や収穫の喜びを、生産者、参加者一緒に共有し、貴重な体験とすることができました。
今年は気温や台風など天候に悩まされましたが、収穫量は510kg(玄米ベース)と、昨年の503kgを上回る収穫量となりました。
10月の収穫祭では、生産者、参加者でバーベキューを行い、今年の作業についての振り返りや思い出話に花が咲きました。
生産の現場「農」と消費の現場「食」について、理解を深めるきっかけになれば、と続けているこの企画。2020年も引き続き開催しますので、ぜひ、あなたも参加してみてはいかがでしょうか。
「2030年の子どもたちへの贈りもの~わたしができるSDGs」学習会
2019年9月20日 会場:東京都消費生活総合センター
これからの世界について、参加者が |
SDGs〔S:サステナブル=持続可能な D:デベロップメント=開発 Gs:ゴールズ=目標〕は、「全人類が、これから先も、地球上で豊かに暮らし続けていくために、今、取り組まなければならない17個の課題」のこと。2015年9月の国連サミットで採択された、2030年を達成期限とする国際目標です。
17の課題は相互に関係し合い、経済、環境、平和、人権など全てがつながっています。
東都生協は2019年9月20日、「2030年の子どもたちへの贈りもの~わたしができるSDGs」と題したセミナー・ワークショップ企画を開催。
一般社団法人 環境パートナーシップ会議に所属する髙橋朝美さんを講師に、SDGsの生まれた背景に地球の限界と人間の命の危機があること、自分の行動の先に誰かのくらしがあることなどを学習しました。
講義後のワークショップでは、これからの世界はどのように変わるか、その世界に不安はあるかなどについて意見を交換。未来の世界と17のゴールとの関わりを確認し、2030年はどのような世界になってほしいか、実現するためには何をするかなども話し合いました。
参加者からは「身近な行動でSDGsの達成に少しでも関われることが分かった」「自分事として考えられて良かった」などの感想が寄せられました。
一人ひとりの小さな行動が地球の未来につながっています。子どもたちが迎える2030年の世界に、私たちおとなは責任を待たなければ!
魚のこと、もっと知ろう!!
2019年10月16日 豊平ブロック委員会
千倉水産加工販売㈱の古川信利さん |
魚は皮目から焼くと身崩れしない |
「東都しめさば」で押し寿司作り |
魚は皮目から焼くと身が崩れないなどヒント満載のお話を伺い、「東都しめさば」を使った押し寿司作りにも挑戦。地球温暖化による海水温の上昇や海洋生物への影響など、漁業関連は年々厳しくなってきています。
豊かな資源を残すためにも「今何ができるのか」を考える一日になりました。
河田昌東さんを講師にゲノム編集技術に関する学習会を開催しました
分子生物学者・河田昌東先生による「ゲノム編集技術に関する基礎学習」報告
分子生物学者で遺伝子組換え食品を |
スライドを使って分かりやすく解説 |
会場からは数多くの質問がありました |
河田さんは、「遺伝子組換え食品を考える中部の会」代表で、原子力災害の被災者救援などの活動もされています。名古屋大学で遺伝子の基礎研究をしていた1996年、世界で初めて遺伝子組換え大豆が商品化されたことが、遺伝子組換え問題に関わるきっかけとなりました。分子生物学の学術用語や基礎概念を平易な表現に置き換え、スライドを使って分かりやすく解説しました。
遺伝子の総体を表す「ゲノム」。これを人為的に壊したり入れ替えたりして食料や医療に役立てようとするのがゲノム編集技術です。標的遺伝子を自在に切断できる"遺伝子のはさみ"「CRISPR-Cas9(クリスパーキャスナイン)」が開発されたことで、世界で研究が急速に広がっています。
はじめに河田さんは、筋肉量を増やした「マッスル真鯛」、成長ホルモン抑制遺伝子を壊して太らせた「マッチョ豚」などゲノム編集技術を応用した品種開発、病気の治療、ヒト受精卵を操作する研究など、国内外の情勢を紹介。日本政府は2018年、ゲノム編集を成長戦略として位置付け、2019年には安全性審査や表示などの規制を行わず、事実上"野放し"とすることを早くも決定しました。
これに対して河田さんは、ゲノム編集技術が持つさまざまな未解決の問題について解説。標的外の遺伝子を傷つけてしまう「オフターゲット」や、免疫反応(アレルギー)や発がん性などゲノム編集酵素(CRISPR-Cas9)が持つ問題のほか、ゲノム編集にウイルスや細菌、外来生物の遺伝子や抗生物質耐性遺伝子などの外来遺伝子を使用することなど数多くの問題を指摘し、「技術的には従来の遺伝子組換えとあまり変わらない」「標的遺伝子以外の他の宿主遺伝子に対する影響を調べる必要がある」「食品の場合は表示義務が必要」との考えを示しました。
また、ヒトの遺伝病治療や臓器移植を目的としたゲノム編集について、生命倫理の問題に言及。皮膚から卵細胞を作り出すiPS技術を使うと、同一遺伝子を持つ人が多数作れるようになること、雌×雌の「同性婚マウス」から生殖能力のある子どもが誕生したこと、ラットの膵臓、心臓、眼、鼻、脊髄などを持ったマウス(キメラマウス)が誕生したことなどを紹介。生殖細胞のゲノム編集が種の保存を脅かす危険性、編集した遺伝子が子孫に伝えられ、社会のニーズによって生命が左右される生命倫理上の問題点を指摘しました。
最後に、CRISPR-Cas9を開発した研究者の「これは遺伝病の治療に使えると同時に、生物兵器の道具にもなる」「国際基準を作るべき」との言葉を紹介し、原子核を操作する中性子技術と核兵器や原子力発電との関係への類似性を説明。数十億年にわたる進化を経た生命の根幹となる遺伝子を人間の欲望のために利用することの問題点を示し、「環境・生態系に対する影響とヒトゲノムの編集には生命倫理の観点からの規制が必要」「専門家だけでなく一般市民を巻き込んだ国際的な規制が必要」と締めくくりました。
東都生協はゲノム編集食品について、日本政府に対し「消費者が理解できる情報提供と説明の徹底」「消費者が適確に選択できる環境や条件づくり」「国の管理・監督責任の明確化と消費者の不安や懸念に応える仕組み作り」を要請しています。
ゲノム編集技術は、消費者が健康な暮らしを営む上で根底となる食の分野を含む問題として重く受け止め、引き続き学習会の開催などに取り組んでまいります。
>>当日の講演要旨(pdf)
真っ赤なトマトを収穫する感動を体験!
2019年8月6日~7日 トマト倶楽部主催/トマト収穫援農・交流!
参加した東都生協組合員の収穫作業 |
収穫した完熟トマトと、これを原料にし |
本日の参加者の皆さん |
長野県松本市にある「東都高原夏摘みトマトジュース」のトマト産地を訪問し、ジュース用トマトの摘み取り作業をお手伝いする収穫援農・交流企画に、東都生協の組合員19人が参加しました。
初日は、トマトの学習会とトマト畑で収穫体験、夕食会では生産者のお話を直接聞き、交流を深めました。2日目は、早朝からトマトの収穫作業のお手伝いをした後、トマトジュースを1本利用するたびに1円を国産加工用トマトの生産支援の基金とする「1本1円募金」の贈呈式が行われました。
生産者のご苦労や愛情をもってトマトが生産されていることに触れ、あらためて安全・安心であることと、産地直結の大切さを感じ、参加者全員から生産者への感謝の言葉が伝えられました。
参加者からの「収穫を体験して」
- 事前学習会で、生食用とジュース用のトマトの違いなどが分かった
- 地面に重なり合うように伸びる枝から実がたわわになり、その中でも完熟したトマトだけを使って国産ジュースやケチャップなど作られるのかと思うと、その貴重さを実感した
- 地面にはうように実を付ける真っ赤なトマトを収穫して感動
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2021年4月より、ユニオンソース㈱はオタフクソース㈱と合併しました。今後はオタフクソース㈱として引き続き活動します。夏休みの自由研究に! 牧場で学ぼう!!
2019年7月24日 八千代牛乳生産者・鈴木牧場にて(千葉北部酪農農業協同組合)
講師は千葉北部酪農農協の |
乳搾り、私もできたよ |
乳牛への餌やり体験 |
いっぱい食べておいしい牛乳を作ってね |
同組合が生産する八千代牛乳は、安全・安心なNon-GMO(非遺伝子組換え)の指定配合飼料を食べて育った乳牛から搾った原乳で製造されています。日本で数少ないHTST法(殺菌温度75度、殺菌時間15秒)で殺菌しており、牛乳本来のうまみやコクを残したおいしい味わいです。
今回の企画は、そんな八千代牛乳の生産現場で酪農体験などを通して、八千代牛乳の取り組みや品質について、また、産地や生産者、酪農の現状などについても学ぶことが目的。
千葉北部酪農農業協同組合の信川さん引率の下、1時間目はジャージー種による搾乳体験、2時間目は乳牛が食べている飼料の説明や、餌やりを体験しました。
初めはおっかなびっくりだった子どもたちも、牛に触れているうちにしだいに慣れてきました。生後1カ月のかわいい仔牛には、交代でお乳を与えました。
昼食交流では、楽しいアイスクリームづくり体験も。
3時間目は聴診器・体温計を使った牛の身体測定。牛のブラッシングをした後は牧場主の鈴木さんから冷凍精子の話を伺いました。
4時間目は全員で牛乳の飲み比べです。牛乳が凝乳酵素・レンネットで固まるか、抗生物質が入っているかの検査も実施。八千代牛乳は、熱変性しやすい牛乳中の水溶性カルシウムがレンネットと反応して固まり、水溶性カルシウムが残存していることを確認。八千代牛乳のおいしさと安全性を再認識しました。
参加者からは「牛の顔が見える牛乳に感動した」「牛乳は得意ではないが、八千代牛乳なら飲める」「苦労もあると思うが、これからも頑張ってほしい」と生産者の皆さまへの感謝の言葉が多く寄せられ、充実した体験学習会となったようです。
酪農家を取り巻く環境は大変厳しいものですが、生産者と消費者の「ともに支え合う関係」をこれからも大切にしていきたいですね。
学習会「ゲノム編集 最新の品種改良技術の現状を知る」を開催しました
最新の品種改良技術であるゲノム編集について学習
講師の四方 雅仁さん |
学習会の様子 |
品種改良(育種)には、性質の異なる品種を交配し目的の性質のものを作る「交配育種」、突然変異で遺伝子を書き換える「突然変育種」、遺伝子組換えで新たな性質を付与する「遺伝子組換え育種」、遺伝子を狙い撃ちし、変異を起こさせる「ゲノム編集育種」があります。ゲノム編集は、品種改良技術の1つであり、突然変異育種を効率化させたものです。
ゲノム編集は、もともとある遺伝子を狙って変異を起こすことが可能です。ゲノム編集技術で生じる変異は自然界でも起こり得ることで、今までの突然変異での変化との差を見出すことはできず、科学的な検証もできません。ゲノム編集で育種が進められている例として、超多収イネや、芽の毒素産生量を減らしたジャガイモなどがあります。
遺伝子組換えによる育種との違いは、その生物が本来持つ遺伝子に変異を起こすゲノム編集に対し、遺伝子組換えは、遺伝子を加えることで、その生物が本来持っていない新しい性質を足すという点です。
ゲノム編集という新しい技術を利用していくためには、正しい情報を得た上で、消費者、生産者、企業などがさまざまな視点から議論することが必要です。そのため今回のような講演会で情報提供を行ったり、厚生労働省、農林水産省、消費者庁が主催で消費者や事業者などとの意見交換会を行ったりしています。
四方氏のお話を受け、最後に東都生協の野地専務理事は「私たち消費者にとっては、何を選ぶかがリスクへの抵抗手段」とし「東都生協が厚生労働省に提出した意見書の通り、ゲノム編集食品については、確実な表示を行い、それを基に個人個人が選択できることが最低限必要」と締めくくりました。
- <参加者の声>
- ゲノム編集できる作物をいろいろ紹介してもらえて良かった。ゲノム編集には不安なこともあるので、少なくとも表示をしてほしいと政府に要望したい。
- ゲノム編集への参加者からの不安の声はもっともだと思います。一方、気候変動など世界規模で見た食料難を考えると、新技術を全否定はできないと思います。なので、表示によって消費者が選べるようになることを切に希望します。
- 遺伝子組換えとの違いが分かり、突然変異と同じだということですが、新しい技術については、しばらく年月をかけて経過を見ることも必要だと思う。
- 説明はとても分かりやすかった。良いか悪いかは別とすれば理解はできました。科学的なところでは、きちんとされていていることが分かりました。
- 「安全性」とは何か? 自分でどう判断していくのかが難しいなと思いました。
- 科学的な根拠なしに安全性を疑うのはどうかと思いました。
※農研機構:
正式名称は国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構。農業、食品産業、農村の健全な発展のための研究、農機具の改良の研究、新品種の栽培試験などを行う農林水産省所管の機関(独立行政法人)