みんなの活動:これまでの活動報告

平和

第18回東都生協平和のつどいを開催

チェロの音色に耳を傾け、みんなで平和の大切さに思いをはせました

2022.08.17

組合員からの折り鶴を展示

組合員からの折り鶴を展示

組合員からの「しあわせフォト」をスライドショーで上映

組合員からの「しあわせフォト」
をスライドショーで上映

組合員からのモチーフをつないだ膝掛け

組合員からのモチーフをつないだ膝掛け

麦藁帽子の皆さんによる朗読劇

麦藁帽子の皆さんによる朗読劇

熊田育郎さん・村田未知子さんによる被爆証言

熊田育郎さん・村田未知子さん
による被爆証言

チェリスト・阪田宏彰さん、横山二葉さん

チェリスト・阪田宏彰さん、
横山二葉さん

東都生協は2022年7月31日、「奏でよう平和のしらべ 届けよう平和のメッセージ」と題し、チェロミニコンサートとお話会などのステージ企画からなる第18回東都生協平和のつどいをさんぼんすぎセンターで開催しました。

東都生協では、次世代に歴史の事実と平和の大切さを伝えるため、平和について学び、考える機会として「平和のつどい」を毎年夏に開催しています。

2020年度はコロナ感染拡大の影響で3月にオンライン開催しましたが、2021年度は開催が見送りに。今年度は3年ぶりに集会型での開催が実現しました。



さんぼんすぎセンター・1階会議室では、これまでも行ってきた「原爆パネル展」「戦争ほうきキットコーナー」「折り鶴コーナー」「膝掛け」などを展示。



今回は初の試みとして、組合員から寄せられた平和をテーマにした写真「しあわせフォト」をスライドショーでモニター上映しました。展示会場には猛暑の中、約50人ほどが来場しました。



さんぼんすぎセンター・地下ホールでは、午前・午後の入れ替え制でステージ企画を開催しました。



午前の部では、とーと会・麦藁帽子メンバーによる朗読劇「『この子たちの夏―1945・ヒロシマ ナガサキ』より抜粋」を上演。戦時下の子どもたちそれぞれが体験した悲惨な「原爆」を、メンバー6人が語りました。



午後の部では、広島被爆者・熊田育郎さん(立川友の会/立川被爆者の会会長)、東友会被爆者相談員・村田未知子さん(一般社団法人 東友会・原爆被爆者相談所主任相談員)による被爆証言を聞きました。耳を覆いたくなるような悲しい実相ですが、小さなお子さんもしっかりお話を聞いていました。



午前・午後ともにステージ企画の後半は、チェリスト・阪田宏彰さん、横山二葉さんによるチェロミニコンサートを上演。

ゆったりとした中にも面白いお話を交え、カザルス「鳥の歌」、サン=サーンス「白鳥」、テレマン「チェロソナタ」、ビートルズメドレーなどの演奏を聴きました。

参加者は間近で聴くチェロの音色に心を癒され、平和への思いを新たにしました。ステージ企画での午前、午後延べ参加者数は約70人となりました。


なお、ステージ企画は一部編集の上、動画配信する予定です。組合員活動情報紙「ワォ」と東都生協ホームページにてご案内します。



<参加者の感想>
  • 平和のつどいが続いていることに感謝です。ずっと昔のことだからこそ、忘れないように活動しなくてはならないですね。
  • 平和な生活は尊いものだと感じています。「平和なくして生協なし」という言葉が胸に響く現代の状況の中で自分は何をできるかを考えたいと思います。
  • お話に涙が止まりませんでした。朗読いただき、力強い平和の思いが伝わってきました。
  • 原爆のことは、忘れてはいけない。核兵器が無くなるように周りの人に伝えていきたいと思いました。
  • 本日はありがとうございました。伺ったお話を一人でも多くの方に伝えていきたいと思います。
  • 素晴らしい演奏に心が癒やされ、平和のありがたさを実感しました。
  • やはり、生の音、チェロの音、素晴らしかった! ブラボー! デュオの素晴らしさ、演奏(奏法)の幅広さなど、楽しく学び、音色に聞き入らせていただきました。

「いまこそ! いまだからこそ」憲法学習会を開催

東京都立大学法学部教授・木村草太先生を講師に招き、憲法の平和と人権を学習

2022.07.25

東京都立大学法学部教授・木村草太先生 c岩沢蘭

東京都立大学法学部教授・木村草太先生
©岩沢蘭

2022年7月20日、東都生協は東京都立大学法学部教授・木村草太氏を講師に、憲法学習会を開催しました。

会場の東京都消費生活総合センター教室Ⅰ・Ⅱには、東都生協の組合員など80人が参加。集会型での学習会は約3年ぶりの開催となり、講師のお話が直接参加者に届く、とても有意義な学習会となりました。



憲法は国家権力による失敗を防ぐためのルール

はじめに木村氏は「私たちはさまざまな事で失敗しやすいので、失敗しないように張り紙を貼る。この張り紙の国家権力版が憲法」と分かりやすい例えで憲法が持つ意味を解説しました。

私たちは「       」を失敗しやすい。
なので、 
「        」という張り紙を貼ろう。

つまり、憲法を「近代に入り強大化した国家権力が権力を乱用し犯した3大失敗 ①戦争 ②人権侵害 ③独裁―を防ぐための張り紙。近代立憲主義に基づいて作られた、①軍隊と戦争のコントロール ②人権の保障 ③権力の分立―をはじめ国家権力を制限するための法」だとしました。

続いて木村氏は、日本国憲法の章立てと、第1章から第10章までのそれぞれの特徴を説明。憲法は、その国の国家権力が失敗しやすい事柄についてルールを作り、失敗を防ぐことに意味があります。どの国の憲法にも盛り込まれる上記の3点を含め、日本国憲法は、過去の失敗を踏まえて 「天皇」「戦争の放棄」「国民の権利」「国会・内閣・司法の三権分立」「中央政府から独立した地方自治」などを特徴としています。



改憲論議の焦点は9条2項

「自衛隊と憲法9条」の関係についてのお話。自民党はこれまで、憲法第9条第2項を削除して軍隊と戦力を持てるようにする改憲を主張してきましたが、近年では第2項を残し自衛隊を明記する「明記改憲」を主張。

20世紀半ば以降、国際法では一切の武力行使を原則として禁じています(国連憲章第2条第4項「武力不行使原則」)。日本は過去に侵略戦争という大きな失敗を犯したため、「戦争の放棄」として諸外国と比べ、軍隊と戦力を徹底してコントロールする規定を憲法に設けているのです。

国連憲章の武力不行使原則では、侵略国が現れた場合に備えて、①国連安保理決議に基づく集団安全保障措置 ②個別的自衛権 ③集団的自衛権―の3つの例外を定めています。ロシアによるウクライナ侵攻について木村氏は「このいずれにも該当せず、ロシアの国際法違反は明白」と指摘しました。

「日本国憲法第9条第1項では国際紛争を解決のための武力行使を禁止。つまり侵略戦争の禁止を明文化したもので、現在の国際社会では当たり前の条文で、これには改憲派もほぼ異論はない」としました。

改憲派が問題とする第9条第2項は、戦力や交戦権、軍隊を持たないことが書かれています。しかし、他国の侵略に備えて軍隊を持った場合、指揮監督権の所在は規定されていません。内閣の行う事務、国民が内閣に与える権限を定めた憲法第73条にも書かれていません。こうしたことから「軍事に関する権限は消滅している」「憲法第9条はあらゆる武力行使を禁止する条文と理解せざるを得ない」としました。



憲法9条と個別的自衛権・集団的自衛権

では、第9条に例外はないのでしょうか。政府は、国民の生命や自由を最大限尊重することを定めた憲法第13条を、第9条の例外を認める根拠としています。侵略があった場合にそれを放置することは、国民の生命や自由を最大限尊重する政府の義務を果たさず、第13条に違反することになるからです。

木村氏はこれを「遠足のしおり」に例えて説明。「第9条に『過去にお酒を飲んで酔っ払って迷惑を掛けた人がいるため、飲み物は一切持ってきてはいけません』と書いてある。第13条を見ると『熱中症にならないように水分補給をしましょう』と書いてあって、水を持参しても良いのかどうかが分からない。しかし熱中症対策を考えた場合に『水を持ってきてはいけない』とすることは、明らかに無理がある」。

「同じように、日本が攻撃を受けた場合、憲法第13条を根拠として国民の生命と自由を最大限守るための武力行使は例外的に認められる。したがって自衛隊は置いて良いし、侵略を受けた場合に限り、最低限の武力行使は行って良い、というのが現在の政府の解釈」として「軍事権との関係では、防衛活動は憲法第73条にいう一般行政事務、国内の行政に含まれるものと整理されている」と解説しました。

他方、外国の防衛のために派兵できるのかという点に言及。「侵略国に対して非難声明を出したり、経済制裁に参加したりすることは外交権の範囲で可能だが、軍事活動に関する規定はないため、集団的自衛権の行使や国連軍への参加は憲法違反とされてきた」。

「しかし2015年に成立した安保法制では、存立危機事態に限定して集団的自衛権の行使を容認。憲法第13条により第9条の例外を認める構造は維持されているが、①外国を守ることは規定していない第13条に違反し、違憲となる ②自国が武力攻撃を受けていない段階で、被害国の防衛のために武力行使を行うことは先制攻撃となる」との問題点を示しました。



「自衛隊明記」と「緊急事態条項」の危うさ

続いて木村氏は、改憲派の「自衛隊明記」案や「緊急事態条項」追加案の危うさを、戦前ドイツのワイマール憲法の歴史をたどりつつ解説。

「憲法第9条をそのままで自衛隊を置いて良いとする自衛隊明記案は、先の『遠足のしおり』に例えれば『水筒を持ってきて良い』と書くだけで、その水筒に水を入れて良いかは書いていないようなもの。つまり、自衛隊がどの範囲で任務を遂行するのかを書かなければ意味がない」とし、安保法制の下では「集団的自衛権を憲法に書き込まなくてはならない」との考えを示しました。

しかし、憲法改正の国民投票で「集団的自衛権の明記」を争点にしたくない改憲派は、自衛隊の任務の範囲をあいまいにして真の争点となる「集団的自衛権明記」を隠し、「自衛隊明記」改憲を図る可能性があることに注意を促しました。

緊急事態条項については「感染症や原発事故など緊急事態の行動制限はこれまでの法律でも認められている。現行憲法に緊急事態条項がないから対応できない事態にあるとは考えられず、法改正や政策判断で十分対応できたはず」と指摘。憲法への緊急事態条項の追加には根拠がないことを示しました。

2012年の自民党改憲草案について、木村氏は「政府が緊急事態を宣言すれば、法律を内閣の一存で書き換えられるという内容」としました。第1次世界大戦後、ワイマール憲法下ドイツでの社会不安を背景とした緊急事態条項の乱用が、授権法や議事堂炎上令(大統領緊急令)を経てナチス体制へとつながっていった経緯を解説。「憲法改正の前に、国会での熟議や緊急事態へのさまざまな事前準備の方がはるかに重要」との見解を示しました。

憲法の改正は、国会で衆参各議院の総議員の3分の2以上の賛成を経た後、国民投票によって過半数の賛成を必要とすることが憲法第96条で定められています。国民に誤解をさせて投票に行かせるような、あいまいな説明しか伝えられない可能性があります。

質疑応答での「改憲発議が国会を通って国民投票となった場合、私たちはどう準備すればよいか」の質問に、木村氏は「何が問題なのかを見極めることが大事。必要性がない改憲には流されない構えが大切」と応じました。

「18歳選挙権が実現した今、若い世代に何を伝えていけばよいか」との質問には「投票は、自分のためというよりは、公共の価値を実現するための仕事」との考えを示し、投票の大切さを改めて確認することができました。



私たちが賢く判断し、行動していくためにも、マスメディアが流す情報や伝え方には常に疑問を持ち、情報を深読みすることが大事です。ロシアによるウクライナ侵略などに乗じて、改憲への動きが強まっています。ニュースなどで「自衛隊明記」「緊急事態条項」のワードが出たら要注意。

平和とより良いくらしの実現に向けて、日本国憲法の今日的意義を確認し、守り生かしていく必要があります。東都生協では継続的な憲法学習など、平和を考える取り組みを進めていきます。



参加者からの感想<抜粋>

●世界で起きていることを憲法学の視点から見た解説が、憲法とロシア・ウクライナ情勢の両方を理解できて勉強になりました。憲法改正についてはまだまだ勉強不足なので、これからも関心を持ち続けようと思います。

●過去の歴史を知ればどうするべきか、改憲についてどう考えるべきか理解できる。マスコミの誘導に流されないことが大切。

●投票行動は「個人のためではなく、公共の価値を実現するための業務」という言葉が印象に残りました。

●「憲法とは張り紙」という表現、分かりやすい。この表現で憲法が身近になりました。

●中学生の息子が、社会部に入っており、子どもに頼まれて参加したのですが、私自身、大変勉強になり、さらに憲法について理解を深めたいと思いました。

●憲法について、ここまで踏み込んだことはなく、今の改正について分からなかったことを説明してくださいました。集団的自衛権がよく分かっていませんでしたので、改憲の怖さ(リスク)がよく分かりました。

●分かりやすく解説いただいたことで、ものの見方が変わってしまうことに気付きました。知る機会というのは大事。

●流れるような説明の中に日常のエピソードも織り交ぜてくださり、分かりやすく理解ができました。




[文責:東都生協]

平和への思いをつなげる「ピースニットサロン」

1988年から取り組む、被爆者の方々に贈る膝掛け作り

2022.07.11

「編み物上手だったおばあちゃんの針なんです」。使い込まれたツヤツヤの竹針で編むAさん

「編み物上手だったおばあちゃん
の針なんです」。使い込まれた
ツヤツヤの竹針で編むAさん

編みあがったモチーフ。自宅で編んでくださる方大歓迎!

編みあがったモチーフ。
自宅で編んでくださる方大歓迎!

「東友会」・ピースニット活動の詳細はこちらから。※クリックすると別ウィンドウで動画を再生します

「東友会」・ピースニット活動
の詳細はこちらから。
※クリックすると

別ウィンドウで動画を再生します

「数十年ぶりにかぎ針を手にしました。懐かしく温かい感触、いいですね」。

うれしい感想が寄せられた「ピースニットサロン」。好評だった1月に続き、2022年4月27日に東都生協・さんぼんすぎセンターで開催。(主催:第5地域委員会)

サポーターの清野初美さんに習いながら、編み物の時間を楽しみました。

準備された色とりどりの毛糸の中から、好みの糸を選び、10センチ角のモチーフを編みます。編み図や動画の準備もありましたが、手から手に教え合うのが一番早道! 場も和みます。

初心者の方も丁寧な手ほどきを受けてみるみる習得、「自宅でもできるようになってうれしい」と笑顔に。

「久しぶりの編み物。脳トレに良さそう」「集中すると気持ちが落ち着いて、心が鎮まりますねー」との声には一同共感しました。

「ピースニット」は、「東友会」(東京都原爆被害者協議会=東京に住む被爆者の会)に膝掛けを贈ったのが始まり。1988年から組合員活動として取り組みが広がり、交流を続けています。

   

集まったモチーフをつなぎ、膝掛けに仕上げる集いを企画している地域もあります(第5地域は9月に予定)。

一目一目に平和への願いを込めて、ぬくもりを届けるピースニッティング、あなたも参加しませんか。

そして、全ての人に一日も早く戦禍のない穏やかな日常が戻りますように。

「折り鶴」がなぜ平和の象徴になったのか考えよう!!

絵本の朗読を通じて命の大切さを考える

2022.05.08

絵本「海をわたった折り鶴」を朗読

絵本「海をわたった折り鶴」を朗読

プリザーブドフラワーのアレンジメント実習

プリザーブドフラワー
のアレンジメント実習

2022年2月16日、第7地域委員会は、絵本の朗読会とプリザーブドフラワーアレンジメント講習会を開催。

絵本「海をわたった折り鶴」の朗読では、命の大切さを改めて考える機会となりました。朗読を聞いて、平和への思いを語る人、千羽鶴にまつわるお話を語る人、平和を願い作った折り鶴を見せてくださった参加者もいました。

後半は東都人材バンク・遠藤栄里子さんの指導の下、プリザーブドフラワーアレンジメントに挑戦。

全員同じ材料でも、出来上がりは十人十色。それぞれがオリジナルアレンジを楽しみ、最後に「折り鶴」を飾って完成させました。



※絵本「海をわたった折り鶴」:

平和記念公園「原爆の子の像」(佐々木禎子さん)の兄が、ニューヨーク同時多発テロの犠牲者に、禎子さんが祈りを込めて折った鶴を届けたお話。

世界中の子どもを笑顔に!ユニセフ親子学習会

第7地域「世界の水と衛生」について親子で学習

2022.03.07

講師の山本さん「小さくても自分にできることを続けていくことが、みんなの笑顔につながります<br />
」

講師の山本さん
「小さくても自分にできることを
続けていくことが、みんなの
.笑顔につながります

「うわー、重いっ!」水汲み体験する参加者(小6)。水の入ったカメは40kg以上

「うわー、重いっ!」
水汲み体験する参加者(小6)。
水の入ったカメは40kg以上

第7地域委員会は2021年12月12日、ユニセフ親子学習会を開催。

5歳までに命を落としてしまう子どもは世界に年間530万人! 安全な水を使えない環境が大きな要因です。

「水と衛生」について、神奈川県ユニセフ協会・山本陽子さんに学びました。

1日のほとんどを水汲みに費やす13歳の少女や、厳しいくらしを強いられている子たちの現実を知り、また、世界をより良くするために自分にできる行動ミッションを3つ決めました。「将来ユニセフのような活動に参加したい」との感想がうれしい収穫でした。

平和募金企画「みんなで聴こう被爆者の声、ともに創ろう『核なき世界』」を開催しました

日本原水爆被害者団体協議会・事務局長の濱住治郎さんが講演

2022.03.03

日本原水爆被害者団体協議会・事務局長の濱住治郎さん

日本原水爆被害者団体協議会
・事務局長の濱住治郎さん

東都生協は2022年2月19日、平和募金企画「みんなで聴こう被爆者の声、ともに創ろう『核なき世界』」をオンラインで開催しました。親子を含め38人が参加しました。

今回は、日本原水爆被害者団体協議会・事務局長の濱住治郎さんをお招きしました。


濱住さんは、広島原爆により母親の胎内で被爆した胎内被爆者です。原爆で亡くなったお父様(享年49歳)の年になった時にご兄姉から聴いた当時のお話とまだ見ぬ父への思い、胎内被爆について伺いました。

「77年たった今も、被爆者の方々は原爆の残虐さと放射能による健康被害に今なお苦しめられ、核兵器がゼロになり、核兵器の恐怖から逃れるまで、安心して死ぬことはできない」と濱住さんは話します。


また濱住さんは「放射能は女性や子供に大きな影響を与え、母親の胎内で被爆したからといって、その被害を免れることはない」と語り、むしろ胎児だったからこそ、その無防備な若い細胞にとって放射線の影響が計り知れないことを知る機会となりました。


2021年1月22日に発効し核兵器禁止条約では、歴史上初めて国際法で核兵器を違法とし、核兵器のない世界に向けたスタートラインに立つことになりました。

濱住さんは、自身がニューヨーク行動で参加した核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議をはじめ核兵器禁止条約、ヒバクシャ国際署名についても言及。


「核兵器が存在するということは、私たちが、家族が、愛する人が核兵器の被害に遭うということで、私たちが当事者になるということ」との濱住さんの言葉に、核の問題は過去のことでなく、現在のことであり未来のことでもあることを、参加者はあらためて感じました。


青い空を子どもたちのために、核兵器も戦争もない世界にしていくために、私たち一人ひとりが考える機会となりました。


後半のグループ交流では、「今回初めて被爆証言を聴いた」という小学生のお子さんからも感想や質問がありました。参加者は、子どもたちの中で思いがつながっていくことに願いを込めました。



<参加者の感想より>

・被爆者の声を実際に聞くことができたので身近に感じました。実際に被爆者として行動している方から説明を聞くと関心が深まると思いました。

・改めて核兵器のむごさを感じました。平和の企画に参加すること、周りにも参加を呼び掛けること、平和は当たり前に用意されているものではないと世界の情勢などにも日ごろから関心を持ち続けたいと思いました。

・胎内被爆の方のお話を聞いたのは2度目ですが、被爆体験を話せる方が少なくなってきた証かと思います。語り継ぎ、伝えていくことの大切さを改めて感じました。

・胎内被爆について初めて詳しく知ることができました。言葉では語り尽くせないほどの経験をされてきたことと思います。やはり、自分ごととしてまずは自分の子どもに、そして機会があれば多くの方々にも話していきたいと思います。


*東都生協では1988年より、一般社団法人 東友会との交流を通じて、貴重な被爆証言を伺う活動を続けています。

アジアの子どもたちに絵本を贈ろう

第2地域委員会主催ボランティア企画

2022.01.10

幅広い年齢層の方が取り組みました

幅広い年齢層の方が取り組みました

第2地域委員会では、2021年の8月中旬から9月上旬にかけて、ボランティア企画「アジアの子どもたちに絵本を贈ろう」を開催。この企画は、紛争や貧困の中で絵本を手にする機会が少ない子どもたちに、絵本を贈る取り組みです。

緊急事態宣言発出中のため、自宅で絵本にビルマ語の翻訳シールを貼って事務局に返送、という形で開催しました。

幅広い年齢層の参加があり、「アジアの国々に関心を持つきっかけになった」「普段目にする機会の少ない言語に触れられ、ミャンマーの子どもたちのためにもなって、とても楽しめた」「親子ともども知らない世界をのぞくきっかけになった。もっと知りたい」など多くの感想が届いています。

親子で憲法を学ぼう!「檻の中のライオン ~憲法ってなんだろう?~」学習会報告

組合員活動委員会主催・楾 大樹弁護士による憲法学習会

2021.12.08

講師の楾(はんどう)弁護士

講師の楾(はんどう)弁護士

資料とパペットで分かりやすく解説

資料とパペットで分かりやすく解説

組合員活動委員会は2021年10月30日(土)、「親子で憲法を学ぼう! 『檻の中のライオン~憲法ってなんだろう~』学習会」をオンラインで開催しました。

「檻の中のライオン」の著者・楾 大樹(はんどう たいき)弁護士を講師に、もっと憲法について親子で学ぼうと開催しました。楾弁護士は、広島県の事務所から、ライオンとその他の動物のパペットを使って軽快に講演し、2時間半があっという間に過ぎました。

くらしを守り、次世代の子どもたちに平和な世界を引き継いでいこうと、組合員から寄せられた平和募金を活用しました。参加者は97人と、小学生から高校生まで幅広い世代が参加しました。

「憲法は誰のもの?」「『憲法』というルールを守らないといけないのは、誰?」と楾弁護士からの問い掛けで始まりました。「国民みんな」なのか、果たして「国民みんなじゃない」のか? ――改めて問われると、考えてしまいます。答えは憲法第99条。「国民みんなじゃない」のです。この条文では「天皇または摂政および国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務」を定めています。

楾弁護士は自ら作成したオリジナル「日本国憲法」ファイルを用いて、「私たちが人間らしく生きるために、みんなが共存して生きていくためのルールが憲法です」と話されました。

前半では、第99条:憲法を守るのは誰なのか、第11条:基本的人権は、生まれながらに授かっている人権、第13条:みんな同じ人間だけど、みんな違う人間。人間らしく自分らしく生きていくための憲法であることについて解説されました。

「ルールは、みんなで作りましょう」――憲法は、権力を持った人が勝手に作るべきものではなく、みんなが意見を出し合って作られるものです。

憲法とはそもそも何なのでしょうか? 関連する条文は、第98条、第96条です。第98条では憲法が国の最高法規であることを定め、憲法の改正手続きは第96条で定められています。国民主権とはどういうものかも、国家権力を百獣の王「ライオン」、憲法を「檻」に見立てて、仕組みを分かりやすく説明されました。

「この憲法も作り変えることができます。主権者である国民が『おかしいな』『変えるべき部分がある』と感じたら、意見を出していきましょう。しかし、主権者である国民もしっかりと勉強して理解することが必要。勝手に権力を行使できないように国民が注視し、怒るべきときは怒らないといけません」と楾弁護士は強調されました。

講演の後半は、まず第53条。「いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は、その(臨時会の)召集を決定しなければならない」と定めています。内閣が臨時国会を召集しないのは、どうしてなのでしょうか?

戦争の放棄を定めた「第2章」は、平和と自由を守るものです。第9条2項は、憲法で戦争をしないように国家権力をコントロールし、縛り付けています。第14条では、全て国民が法の下に平等であることを定めています。楾弁護士は、関連して基本的人権(自由権)や表現の自由、民主主義について解説されました。

「果たして国民の何パーセントの人がはっきりと学んだ記憶があるでしょうか? 教育の中ではどれだけ、憲法は国民のためにあり、公務員などの権力者が暴走や悪さをしないようにしているのだと認識しているのでしょうか」と楾弁護士は問い掛けます。

私たちも、憲法の仕組みや大事にすべきことをもっと学び・知り、そしていのちとくらしを守るためによく考え、自ら行動すべき時には意思表示としての行動を取ることになります。それが恒久平和への第一歩で、お互いの意見の違いも受け入れて、どのように、この国での社会や暮らしを平和なものしていくか、語り合わなければならないことが分かりました。

主権者は誰なのか、主権者は憲法で守られているのか、いま一度確認する必要があることを考える機会となりました。

この講演は、10月31日の衆議院選挙前日に行われました。楾弁護士はすぐにYouTubeに講演の様子の動画をアップロードし、広く伝えられています。最後に、楾弁護士の書籍や絵本の紹介をしました。

「憲法とは?」―― 親子で、家族、友人、知人と話してみるきっかけとなった学習会でした。

<参加者感想より>
  • 憲法に対する考え方がよく分かりました。ファイルも見やすくありがたかった
  • ずっと伺いたいと思っていた講師の先生のお話が無料で聞けるという素晴らしい機会に感謝します
  • 小学校4年生の子どもと視聴しましたが、さまざま考えることがあったようで、とてもありがたく、これからの学びにもつなげていきたいと思います
  • オンラインなので、気軽に聞けました。時事問題も聞きたかったので参加しました。知らないことばかりで面白かった
  • 話の内容は分かりやすかった。小学生低学年には難しかった。語りたいことがたくさんあるならば、何日間かに分けてもいいだろうし、参加者への配慮も、もう少し必要だと思った
2021.11.15
東都生協 第2地域では、国際平和デー(9月21日)の夜に鐘を鳴らし、家族や身近な知り合いと平和について語り合おうという企画、東都生協発「100万人のピースベル」に取り組みました。

「国際平和デー」とは、2002年に国連が定めた平和の記念日です。毎年9月21日を世界の停戦と非暴力の日として、全ての国と人々に、この日一日は敵対行為を停止するように働き掛けています。

アメリカ・ニューヨークの国連本部では、毎年この日に、国連事務総長が日本から贈られた「平和の鐘」(Japanese Peace Bell)を鳴らす特別記念行事が行われています。

参加者より「平和のメッセージカード」として平和への思いや、ピースベルに参加した感想をお寄せいただきました。
全11枚を紹介します。

※画像をクリックすると拡大画面(JPEGファイル)が開きます。

平和のメッセージカード1 平和のメッセージカード2 平和のメッセージカード3 平和のメッセージカード4 平和のメッセージカード5
平和のメッセージカード6 平和のメッセージカード7 平和のメッセージカード8 平和のメッセージカード9 平和のメッセージカード10
平和のメッセージカード11
2021.03.13

「東都生協平和のつどい」は、歴史の事実を学び、次の世代へつなぐ機会として、組合員からの平和募金を活用して開催しています。
今年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、会場での開催を中止し、オンラインで開催しています。開催時にご案内した動画をご紹介します。

チェック!①

「(一社)東友会・東都生協~膝掛けでつながる想い~」

東都生協組合員の平和活動は、(一社)東友会を抜きには語れません、動画で見る、東都生協と(一社)東友会のつながりをご紹介します。

>>「東友会・東都生協 膝掛けでつながる想い」の動画はこちらからご覧ください(別ウインドウが開きます)


チェック!②

「戦争ほうきをつくろう」・戦争ほうきって?編

考案者の東都生協組合員 入江篤子さんが、「戦争ほうき」に込めた思いをお伝えします。

>>「戦争ほうきをつくろう・戦争ほうきって?編」の動画はこちらからご覧ください(別ウインドウが開きます)


チェック!③

「戦争ほうきをつくろう」・作ってみよう編

「戦争ほうきの」の作り方を丸ごとお見せします。

>>「戦争ほうきをつくろう・作ってみよう編」の動画はこちらからご覧ください(別ウインドウが開きます)



世界で核戦争のない平和なくらしを願う人々の思いが形になりつつある今、私たちも平和な未来への願いをみんなでつなげていきましょう。

第17回東都生協平和のつどい実行委員会

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