平和
真心をつないで
世界平和、核兵器廃絶への願いを熱く語り合いました
平和を願う心で一つになりました |
2006年11月29日から12月8日にかけて、都内5会場で平和委員会主催の(社)東友会(東京都原爆被害者協議会)との交流会が開かれ、延べ135人が参加しました。
今年で19回目を迎える交流会では、参加者一人ひとりが胸に秘めた思い、世界平和、核兵器廃絶への願いを熱く語りました。また、組合員が編んだモチーフをつないだひざ掛け112枚やニットの小物を、各会場で東友会に贈呈しました。
12月4日の国分寺労政会館では、(社)東友会事務局の村田未知子さんから「戦後61年を迎えた今でも、原爆による放射能の後遺症で被爆者は身体も心の傷も癒えず、戦後の保障の問題も未解決です。解決に向けて草の根運動を続けていきたい」との話がありました。
国分寺国分会の会長・西野稔さんからは、自身の被爆体験を踏まえ、経験を語る上の困難や、戦争のない現在だからこそ語り継ぎ検証していくことの重要性を話しました。
有志によるギター伴奏で「遠い世界に」などを歌い、緊張気味の参加者の表情も和らぎました。
テロとの戦いは果てしなき世界戦争への道
機関誌 『東都生協だより』 2007年3月号より
参加者は人権の大切さを実感 |
2006年11月25日、平和委員会主催で千代田区神保町区民館にて寺中誠さん(アムネスティ・インターナショナル日本事務局長)を招き、「世界の戦争と人権」をテーマに学習会が開催されました。(参加者:10人)
「テロとの戦い」の実態は、お互いの敵をテロリストと呼び、誰に対する戦争かが分からないまま、勝ち負けのつかない戦争が果てしなく続くということ。
米軍拷問マニュアルに基づいた拷問と虐待が世界中で行われていること。イラク戦争のような情報戦が現代の戦争の特徴で、都市部への攻撃は子どもと女性の多くが被害者となり、またアフリカなどの紛争地域では10代の子ども兵士が何十万人もいて、過酷な訓練と行軍により精神を破壊していくことなどを学びました。
日本でも、入管法改正や共謀罪など人権に関わる問題があります。人権の大切さを意識し、日本と世界の人権の侵害に対して声を出すことが大事だと感じた学習会でした。
子どもの権利条約に関するワークショップを開催
1989年国連総会で採択された子どもの権利条約の4原則を学ぶ
子どもの権利を学びました |
「子どもの権利条約」という名前を聞いたことはありますか? 正式な名称は「児童の権利に関する条約」といい、子ども(18歳未満の児童)に保障されるべき権利を定めたもので、1989年11月国連総会にて採択され、1990年に発効しました。日本は1994年に批准しています。
この条約で定める権利は、(1)生きる権利(治療を受けるなど)(2)育つ権利(3)守られる権利(4)参加する権利--―に大別されます。2006年11月23日、東都生協の平和委員会は公益財団法人 日本ユニセフ協会の林田佳子さんを講師に、子どもの権利条約についてのワークショップを開催。5世帯12人の参加者とともに「子どもの権利条約」の条文が1つずつ書かれたカードを使いながら、子どもの権利について学びました。
小学校低学年の子どもにとっては難しい内容も含んでいましたが、「一番大切だと思う権利を5つ選んでください」という問いには、自分で考えながら「休み・遊ぶ権利」「搾取・虐待からの保護」などの権利を選んでいました。
子どもだけでなく、おとなも「権利」について再認識する機会となりました。
沖縄で恒久平和への誓い新たに
平和募金企画「沖縄戦跡・基地巡り」
「魂魄(こんぱく)の塔」 |
2006年10月24日〜27日、組合員5人が日本生協連主催「第23回沖縄戦跡・基地巡り」に参加しました。
沖縄に到着すると「ひめゆり学徒隊」の体験者、島袋淑子さんの話を聞きました。当時は女学生も戦地に駆り出され、大変つらい思いをされた様子がよく分かりました。
2日目からはまだ暑さが残る中、戦跡・基地巡りをしました。多くの犠牲者を出した「チビチリガマ」や、2年前にリニューアルをした「ひめゆり平和祈念資料館」、沖縄戦の資料が多数展示してある「県立平和祈念資料館」などの見学を行いました。
戦後60年以上たった今日でも基地問題は解決しておらず、2004年に発生した「米軍ヘリコプター墜落事件」の現場となった沖縄国際大学1号館も見ました。
沖縄県民の皆さんは、今でも危険と隣り合わせの生活を強いられていることを再認識した企画でした。
歩きながら歴史と平和を学ぶ
機関誌 『東都生協だより』 2006年12月号より
動物慰霊碑に折り鶴を捧げます |
2006年9月30日、東都生協の平和委員会主催で「上野公園親子スタディーツアー」を開催し、組合員15組51人が参加しました。
最初に「哀しみの東京大空襲慰霊碑」と、被爆時の炎が封じ込められた「広島・長崎の火」の前で平和委員から説明がありました。
その後、上野動物園まで歩き、動物のスタンプラリーを織り交ぜながら、人間以外の生き物も戦禍を被ってきたことを学びました。
親子で「戦争」を知る良い機会になり、次回の企画への要望も多く聞かれました。
第3回東都生協 平和のつどいを開催
映画や展示を通じて、あらためて平和の尊さ、命の大切さを考えました
展示コーナー |
映画の上映を待つ人たち |
2006年8月25日、なかのZERO小ホールで第3回東都生協平和のつどいを開催し、長編アニメ「ガラスのうさぎ」の上映と「平和に関する展示」が行われました。
夏休みも残り少なくなった一日、大ぜいの親子でにぎわいました。2回の上映会の参加者はおとな267人、子ども242人。また展示のみの参加者もありました。
昨年に引き続き、"平和のたねはみんなのハートにある!"をテーマに、展示コーナーでは参加者が平和へのメッセージを書いて大きなハートを作り上げたり、子どもたちは映画の感想をうさぎのイラストに書きました。
参加した人たちは、映画や東京大空襲を中心とした展示を見て、平和の尊さ、命の大切さを考える一日になったのではないでしょうか。映画の感想から
とにかく感動しました。戦争の悲しみが改めて感じられました。戦争の時代の人が生きてくれたから私が今、ここにいるのだと思います(10歳)
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人がいっぱい死んだところがこ分かった。せんそうはこわい。いやだ(6歳)
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とし子がかわいそうだと思った(4歳)
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なんでせんそうがおこったのか。ばくだんがおちたときかなしかったです(6歳)
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人の命のおもみを感じました。もうむかしみたいにせんそうがおきないように協力したいです。平和を大切にします(10歳)
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とし子のかぞくが兄ちゃんしかいなくてかわいそうでした(7歳)
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とても感動しました。とし子はどんなつらいことでものりこえて家族のために生きてすごかったです(9歳)
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大くうしゅうですごいこわかった(5歳)
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人が死ぬということは、同時に、他の人も悲しんでしまうというのが悲しかった。お兄さんが帰ってきてよかったです(13歳)
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家族がいなくなってもくじけずに生きて行くということが分かった(9歳)
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せんそうがおきておかあさんおとうさんをなくしてかわいそうだった(7歳)
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とし子がすごくかわいそうでした。戦争はもう2度としてはいけない事だと思いました。命はすごく大切なものだなと思いました(9歳)
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展示コーナー
参加者からは、「戦争の悲惨さを風化させてはならない」「もっと若い人たちにも知ってもらいたい」「子どもたちにも分かりやすく伝えてほしい」など多くの感想をいただきました。
東都生協平和のつどい実行委員会と平和委員会のパネル展示は東京大空襲の紙芝居(絵画)や写真、さまざまなデータなどが紹介され、参加者は熱心に説明を聞いていました。
戦争に関する絵本や写真集、雑誌などを展示。手にとって熱心に読んでいる参加者が大勢いました。
東都生協のグループ「パッチワーク三本杉」の作品や「麦藁帽子」の朗読劇公演の様子が写真で展示され、活動が紹介されました。
忘れない ヒロシマ・ナガサキ
戦争や平和について考え、伝えていくために、組合員の代表を広島と長崎に派遣
原爆ドームは崩壊を防ぐ |
全国の生協が集まって |
東都生協では、戦争や平和について考え、見たもの・聞いたものを周囲の人に伝えてもらえるように、例年、原爆投下日に合わせ、組合員から集めた平和募金を利用して、組合員の代表を広島と長崎に派遣しています。
ヒロシマ平和代表団の5人は2006年8月5日~7日、ナガサキ平和代表団の6人は8月7日~9日のそれぞれ3日間活動しました。
現地では、日本生協連主催の「虹のひろば」で全国各地の他の生協と交流をし、被爆者の方の体験を伺い、爆心地周辺の記念碑や遺跡のフィールドワークを行いました。
平和記念式典に参列し、原爆資料館での展示物を見たり、碑巡りガイドさんのお話を聴いたりしながら、未だ被爆の痕跡が残る街を歩いた参加者は、当時の人びとの計り知れない思いや、自分が今生活している状況の「有り難さ」で頭の中がいっぱいになった様子でした。
終戦61年を経て、当時を知る人びとが鬼籍に入りつつある今、被爆体験を語るのが苦痛で避けてい たという人も、風化を恐れて徐々に語り始めています。
限られた人数の代表団ではありますが、現地を直接訪れ、見聞して、伝えていくことの大切さを実感した企画でした。
世界の子どもたちが平和でありますように
世界の貧困と紛争地域の子どもたちが直面する問題について学習
1年間でビタミンA2錠(5円) |
2006年8月2日、平和委員会主催のユニセフハウス見学会に親子47人が参加しました。
最初にビデオで世界の貧困、紛争地域の子どもたちの様子とユニセフの活動を見学。その後、展示スペースで説明を受けました。
世界で学校に通っていない子どもは約1億2千万人、過酷な児童労働に就いている子どもは、約2億5千万人いると推測されています。
発展途上国では、栄養不良や病気で5歳未満に死亡する子は約 1,100万人で、健康な子として生まれ育つには、母親の栄養状態がよく、字が読めて保健衛生の知識があるかが、大きく関わります。
しかしながら世界では、水くみや家の手伝いで学校に行けない女の子が多くいます。女子への教育はのちに女性の社会参加を促進し、母親になった時に、生まれてくる子を健康に育てることを可能にすることができるとのことでした。
ユニセフハウス(品川駅徒歩7分)は個人でも見学できます。足を運んでみてはいかがでしょうか。
未来への遺産
機関誌 『東都生協だより』 2006年9月号より
ガイド役の長野俊英高校 |
2006年7月27日、東都生協は平和募金企画「松代大本営地下壕見学会」を開催し、組合員16人が参加しました。
地下壕(象山地下壕・舞鶴山地下壕)は太平洋戦争末期、本土決戦に備えて天皇御座所や大本営(戦時中の最高司令部)などを松代に移そうと極秘に建設が進行。
地下壕の建設工事には朝鮮半島から強制連行された人々を含め、多くの犠牲者を出したといわれています。参加者からは「戦争の愚かしさと平和であることの重要さを実感しました」などの感想がありました。