食の未来づくり運動 いのちをつなぐ大切な食べものを未来につなげたい

産直米 お米を真ん中に

産直米生産者インタビュー

JAやさと(茨城県)

柘植 ( つげ ) さん

1984年に代々農業を営む家に生まれた柘植さんは2012年ににそれまで勤めていた会社を退職し、実家に戻り家業を継ぎました。はじめは家業を継ぐことに抵抗がありましたが、結婚して子どもができたことで食に対する思いが変わり、農業に従事することを決めたとのこと。まだまだ修行中だそうです。

「ぴっかりぴん(茨城コシヒカリ)」はどんなお米ですか?
東都生協の組合員さんからの公募によって、1993年に茨城コシヒカリから「ぴっかりぴん」に名称が変わりました。「ぴっかり(光り)ぴん(1番)」とは“1番光っているお米”の意味です。JAやさとが生産するお米は、低温倉庫で大事に保管した玄米を、農協の精米工場で「産地精米」しています。地元で収穫したお米を地元で保管。そして「自分たちの目」で見ながら精米。自信と責任をもってお届けいたします。
柘植さんがお米づくりにおいて大切にしていること(こだわり)はなんですか?
やはり土づくりです。鶏糞や有機質入りの肥料を使用した土づくりを実施し、食味向上に努めてきました。田植え時期の土づくり、実りの時期、適期の追肥。お米づくりで大切なポイントについて、生産者として大先輩の父親や農協職員の竹林さん、地域の先輩生産者からのアドバイスをいただき日々格闘しています。
お米づくりの中で、柘植さんの産地(地域)ならではの取組みを教えてください。
農協の竹林さんや地域の先輩生産者と情報交換を行い助け合っています。お米の味に影響が大きい収穫前にあたえる肥料(追肥)などは「多すぎても・少なすぎても」ダメです。稲の生育状況を細かく観察して稲が欲している分だけ適切に与える。地域の人たちと協力して病気や害虫の発生がないおいしいお米づくりを目指しています。
最後に組合員の方に向けてメッセージをお願いします。
お米づくりは1年があっという間、てんてこ舞い。毎年少しずつですが私も「成長」しています。おいしいと言っていただけるお米をお届けしたい一心で頑張っていきます!
筑波山とやさとの水田

どさんこ農産センター(北海道)

石川さん

2004年より米づくりを始める。食べてもらうにはおいしいお米でなくては!という想いからお米づくりに情熱を傾けています。
2012年 東都生協のネット限定商品にて、5kg30袋からお米の供給をスタート。そしてその後登録商品になりました。
2017年 北海道磯谷郡蘭越町で開催される「米1(コメワン)グランプリ」において準グランプリを獲得。更に2019年には同大会で2品種で銀賞を受賞しました。
参加生産者の米づくりに対する姿勢や技術に刺激を受け、もっとおいしいお米をつくり、食べてくれた方を喜ばせたいと考えるようになったとのこと。
「お米づくりはプレッシャーも大きいが、その分達成感も大きい。だからやめられない。」と語ります。

「ゆめぴりか」の特徴はなんですか?
粘りと甘みのバランスが程良いお米です。北海道産のおいしいお米として人気の高い銘柄です。
石川さんがお米づくりにおいて大切にしていること(こだわり)はなんですか?
お米を「我が子」のように見守ることです。毎日、田んぼには朝晩の2回、合計4時間行き稲の生育状況を確認しています。収穫時期には寝る間も惜しんで農作業に取り組んでいます。作業に追われながら日の出の日差しとともに見る稲穂はとても美しいです。
おいしいお米には、米粒の張りが良いことが最も大切だと考えています。成分でいう「タンパク値」を下げることでおいしくなりますが、ただタンパクを落とそうとするとやせた米粒になってしまいます。粒を大きくしてタンパクを少なくするという相反する部分が努力のしどころになります。そのためには、春先の土づくり・苗づくりが重要なポイントです。
8月、稲の登熟(発育)を助けるため、微量要素肥料を追肥します。このことで根の活性を高め粒張りの良いお米を目指しています。重たい肥料散布作業ですが、おいしい米作りには必要で、食べてくれる組合員の皆さんの顔を思い浮かべながら作業しています。
お米づくりの中で、石川さんの産地(地域)ならではの苦労を教えてください。
冬の長い北海道なので、米づくりは雪解けを待たなくてはなりません。春には土を乾燥させ土中に酸素を入れてあげたいのですが、雨が続くと土を乾燥させられず酸素を土に入れることができないので、お米が育ちづらい土になってしまいます。この地域だけではないですが、この「酸素を土に入れること」が米づくりでは大きな要素であり、おいしさに影響すると考えています。
最後に組合員の方に向けてメッセージをお願いします。
ありきたりですが「食べて本当においしい」と喜んでもらえるよう、毎年の経験を積み重ねながらお米づくりに取り組んでいます。毎年心を込めて育てた「ゆめぴりか」をよろしくお願いいたします。
3月の風景 一面の雪景色です

JA岩手ふるさと

小野寺さん

2008年にそれまで勤めていた会社を定年退職し、米づくりを開始しました。
それまでも、必ず朝晩は家業の米づくりを手伝っていたとのこと。
現在は、かつての小野寺さんのように、会社勤めをしながら、息子さんが米づくりを手伝っているようです。
「お米づくりを苦労と思ったことがない。おいしいお米づくりに妥協せず、大切に育てていきます。」と語ります。

天日干し「ひとめぼれ」の特徴はなんですか?
冷めてもおいしい。名古屋に住む妻の妹の家に友人が来た時に、ご飯を食べて「このお米おいしい」と。それが口コミ で伝わってつながりが増えています。天日干しのお米は違いがすぐ分かる、みずみずしいので。わたしはこのお米しか食べていません。
小野寺さんがお米づくりにおいて大切にしていること(こだわり)はなんですか?
苗づくりと仕上げの天日干しです。「苗づくり半作」といい、田植え前の苗づくりで半分決まってしまうので天候を見ながら適切な栄養と水分を与えます。
また、天日干しもお米の味を左右する重要な柱です。お米が持つ本来の味(水分)を、天日干しによってゆっくりじっくりお米に残します。機械によって一晩で乾燥させるのと違い、最低でも2週間自然の恵みで乾燥させます。刈り取り後、人の手を使って干す作業は、機械の何倍もの労力がかかります。それでもこの方法にこだわるのは、やはりお米がおいしくなるからです。
組合員の皆さんにおいしいお米を届けたいと思うと、この天日干しをやめるという選択はありません。
この地域での米づくりを取り巻く今後の課題について教えてください。
このあたりでの田んぼの大がかりな基盤整理が進んでいます。田んぼを集約して大きな面積にする。そうすると小面積で稲作をされていた生産者は、大規模に取り組む生産者や生産団体に委託してしまうケースが多くなります。そうすると、効率の悪い天日干しは生産量が激減していくかもしれません。
地域では天日干しをする人が年々少なくなっています。この文化を継承するには、天日干しの価値を多くの人に伝えていかないといけないと考えています。
最後に組合員の方に向けてメッセージをお願いします。
よろこんでおいしく食べていただけることに感謝。他のお米と「全然違う」と言われるとすごい励みになる。この声があるから続けられます。妻とも話しているのですが、2020年はコロナ禍で組合員のみなさんと交流できなかったのが非常に残念。コロナが収束したらぜひまた交流して元気をいただきたいです。今後も天日干しのお米をよろしくお願いいたします。
天日干しの様子

JA新みやぎ(宮城県)

佐々木さん

高校卒業後に地元の会社に就職。10年間農業以外の仕事をしていましたが、休みの日や農繁期には手伝いをしていました。本格的に農業をはじめてから20年。野菜も周年栽培をしていますが、米と野菜の売り上げ比率は9:1と圧倒的に稲作中心だそう。
「どの品種もおいしく笑顔になるお米を目指して稲作をしています。」と語る佐々木さん。
東都生協へは「ひとめぼれ」を中心に「つや姫」、「だて正夢」をお届けしています。

宮城県の「ひとめぼれ」の特徴を教えてください
地元宮城県で育成された「ひとめぼれ」は粘りがあり甘みもある。宮城県の気候にあった品種で育てやすくおいしいお米です。「宮城はやっぱりササニシキ」と言われますが、作りづらさから作付けが大幅に減少。宮城生まれの「ひとめぼれ」。その名の通り「ほれて」いただけるよう、これからも精進してまいります。
佐々木さんがお米づくりにおいて大切にしていること(こだわり)は何ですか?
私が作り方でこだわりを持っているのが1坪当たりに植える株数。通常は約60のところ約50と少なくしています。株からの分けつ(枝分かれ)を増やすのではなく、お米一粒一粒をを大きく育てたいと考えているからです。同じ100gのお米で小さい粒の110粒よりも、大きい粒の90粒の方がやっぱりおいしいと思うので。
私は収穫時期に近いときの追肥は行いません。春の田植え前に有機質肥料を中心とした土づくりを丁寧に、お米が育つステージを想像しながらやっております。苗が土から栄養を吸い上げるところや開花してお米が育っていくところを想像しながら…
家族に食べさせるお米と同じ安全・安心なお米をつくる。そのことで自然環境にもやさしい米づくりができます。産地は早くから農薬や化学肥料に頼らないお米づくりに取り組んできました。
これからも自然環境にできるだけ負荷をかけず、環境にやさしいお米づくりをしていきたいです。
お米づくりの中で、佐々木さんの産地(地域)ならではの取組みを教えてください。
世界農業遺産の大崎耕土で育ったお米です。世界遺産に登録された産地で育った「ひとめぼれ」は環境に、そして生きものにやさしい方法で栽培されたお米です。さまざまな虫がいる田んぼのお米はおいしい。まさに安全・安心の田んぼです。産地では「田んぼの生きもの調査」も継続して実施しています。持続可能なお米生産をするため環境に負荷の少ない、自然との共生を目指しています。
最後に組合員の方に向けてメッセージをお願いします。
世界農業遺産の大崎耕土の土地柄を生かして安全・安心でおいしいお米づくりをしています。2020年は前半の天候不良で出来が心配されましたが、8月以降の天候回復でおいしいお米が収穫できました。2019年産からスタートした新たな品種「だて正夢」。まだ少ない量ですが、よろしくお願いします。
マガンの飛び立ち
世界農業遺産の登録産地です

東都生協の産直米

※2020年現在

お米の取り組み

産地交流訪問

お米に興味を持ってほしいという想いから、生産現場で生産者と組合員との交流の機会を設けています。
その中の一つが「田んぼの生きもの調査」。東都生協の代表的なお米の産地を訪れ、田んぼに入って、どんな生きものがいるのかみんなで調査します。自然と共生した環境保全型の取り組みを行っている田んぼには、カエルやドジョウ、トンボなどなど、たくさんの生きものがいます。
組合員と交流することで生産者にとっても、農業のあり方を見直し、地域に適した農法の研究に役立つ活動となっています。

登録米制度

1年間分のお米を東都生協がお預かり(確保)して、精米したてのお米を組合員に定期的にお届けする制度です。
安定的な供給が確保されるため組合員にも生産者にもメリットがあり、お互いの信頼関係を強める取り組みです。
5つの農業高校で生産されたお米をリレー式で取り扱うなど、将来のお米農家を応援する取り組みも行っています。
※写真は一例です

飼料用米

飼料の自給率を向上することで畜産物の安定供給を図り、日本の環境や国土を守っている水田を減らさないようにするために、東都生協では「飼料用米」の利用に積極的に取り組んでいます。

  • 八千代牛
  • 秋川牧園の若鶏
  • 千葉のこめ豚
  • 産直たまご
  • ひたち野穂の香卵
  • かぞの豚

飼料用米を与えた畜産品の一例です。

こだわり商品Story

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