東都生協の原点。八千代牛乳


安全・安心な牛乳を求めて
1960年代、ときは高度経済成長期真っ只中。当時は脱脂粉乳にバターを混ぜ水を加えた還元乳が牛乳として高く売られ、主流を占めていたような時代。「本物の安全でおいしい牛乳を安く飲みたい」と願う消費者にとっては、まともな牛乳を自前の工場でつくっている生産者から直接手に入れるほかに道はありませんでした。
一方で、千葉北部酪農農業協同組合では、「天然牛乳※を大事にしていかないと日本の酪農は守れない」と考えていました。そんな「安全・安心な牛乳」を求めていた世田谷・杉並の母親たちと千葉北部酪農農業協同組合の八千代牛乳が出会い、1967年、「天然牛乳を安く飲む会」が誕生。「八千代天然牛乳」の集団飲用の運動を始めたのです。
その後、公害問題や有害食品問題から、牛乳以外にも安く安全な食品を望む声が高まり生協運動へ発展。1973年の東都生協発足へと繋がります。
- 成分無調整の牛乳

八千代牛乳の3つのこだわり
01生産者限定の新鮮な生乳
八千代牛乳に使われるのは、千葉北部酪農農業協同組合に所属する生産者の生乳のみ。多くの牛乳では、生乳はクーラーステーションという施設にいったん集められますが、八千代牛乳ではクーラーステーションを経由せず、毎日工場に運ばれます。
02殺菌温度
75℃15秒の高温短時間殺菌法(HTST法)を採用しています。これは、市販の牛乳の多くで採用されている120~130℃ 2~3秒の超高温瞬間殺菌法(UHT法)と比べ、たんぱく質の熱変性による牛乳臭さが抑えられ、より生乳に近い味わいが楽しめます。
HTST法は、新鮮で生菌数の少ない質の良い生乳が得られるからこそ可能な殺菌方法です。

03北酪指定配合飼料

4種類の指定配合飼料の中から、生産者がそれぞれ使いやすいものを選んで使っています。
分別生産流通管理
とうもろこし※1・大豆飼料用米
5%米の精※2
3%以上
- 1 とうもろこしはポストハーベストフリー(収穫後農薬無散布)
- 2 米の精とは、BG無洗米の加工時に取り除かれた肌ヌカを粒状に加工したもの
とうもろこし・大豆は遺伝子組換え品種が混入しないよう分別生産流通管理されており、輸出から飼料として与えられるまでの流通経路がトレーサビリティ可能となっています。しかし、輸入先の国の情勢に価格が左右される懸念があり、飼料価格の値上げが続くと生産者の経営が逼迫してしまいます。
そこで、重要になってくるのが国内産の飼料や自給飼料です。千葉北部酪農農業協同組合では、飼料自給率を上げる取り組みとして2021年1月にTMRセンターを立ち上げました。
- TMR(Total Mixed Ration)とは?
- 牛が必要とする栄養を考えながら、粗飼料(牧草)と濃厚飼料(穀物)を混ぜ合わせてつくった混合飼料のこと。
TMRセンターでは、自給飼料の飼料用米を中心に、しょうゆ粕やビール粕などと牧草を混ぜ合わせて飼料を製造します。これを酪農家に供給し使用してもらうことで、飼料の安定供給やコストダウン、食品副産物の有効利用を実現します。
東都生協の取り組み
01モーモータオルキャンペーン
生菌数の少ない生乳を生産するために、搾乳前後に牛の乳房を清潔なタオルで拭いています。この作業をするためには、たくさんの清潔なタオルが必要です。
東都生協では、組合員のみなさんから使用していない白いタオルを集め、産地へのメッセージとともに送る取り組みを定期的に実施しています。
02もーもーぼきんプロジェクト

東都生協で回収した使用済みの牛乳パックは、トイレットペーパーやティッシュペーパーに生まれ変わります。そんな再生紙でできた「東都もーもーシリーズ」のご利用1点につき2円相当を八千代牛乳の生産者に寄付しています。寄付金は、安全・安心なエサ代に役立てられます。
生産者インタビュー

- 千葉北部酪農農業協同組合
代表理事組合長 - 高橋憲二さん
Profile
1964年、八千代市内で酪農を始めた父のもとに生まれました。父の影響もあり、幼い頃から酪農家になりたいという夢を抱き、日本のトップレベルの酪農を学ぶために北海道の酪農学園大学に進学。次第に世界のトップレベルの酪農を学びたいと思うようになり、大学2年次より2年間、カナダのローマンデール牧場で酪農の技術を学びました。帰国後は、酪農への熱い想いを胸にいすみ市で就農。現在は、実家の八千代市の牧場を兄が引き継ぎ、兄弟でそれぞれ酪農家として働いています。
千葉北部酪農農業協同組合では13年間常務理事を務め、2020年より代表理事組合長に就任。これからも熱い想いを持ち続け、「現状維持は衰退」という言葉をモットーに、常に新しいことに挑戦していきます。
- 八千代牛乳はどんな牛乳ですか?
- 八千代牛乳は、搾乳牛に指定配合飼料を与えている千葉北部酪農協の生産者が搾った生乳のみで作られています。指定配合飼料の原料にこだわり、分別生産流通管理されたとうもろこしや大豆粕、国産飼料用米や米の精を配合しています。とうもろこしはPHF(ポストハーベストフリー:収穫後農薬無散布)です。また「搾りたての生乳にできるだけ近い形で飲んでいただきたい」と考え、殺菌温度にもこだわり、日本では数少ないHTST法(殺菌温度75℃、殺菌時間15秒)を採用しています。この殺菌方法はたんぱく質の熱変性を抑えることが出来るので、加熱臭が少なくさらっとした口当たり、ほのかな甘みを味わうことができます。
- 日々の仕事において大切にしていることはなんですか?
- 牛を大事に育てることを一番大切にしています。牛に生かしてもらっているので、牛には感謝の域を超えて尊敬しており「牛ファースト」で生活しております。牛を健康に育てるには、食べさせるものが非常に重要になりますので、エサの品質には特に気をつけています。また、牛が体調を崩さないように、日頃からよく観察することを心がけています。



- 自給飼料の新しい取り組みについて教えてください。
- 輸入飼料の高騰により、生産者の経営を圧迫しています。そこで千葉北酪では国産の飼料で牛乳・牛肉を生産することを目標に、2021年から自給飼料生産の取り組みを開始しました。輸入に頼らず、自分たちで飼料米などの生産を行い、食品副産物を利用したTMR(混合飼料)を作り、生産者に供給する予定です。この取り組みは、食料自給率の向上や耕作放棄地の減少といった『日本の農業を守る』ことにもつながると考えています。
- 組合員に向けてメッセージをお願いします。
- いつも八千代牛乳・八千代ビーフをご利用頂き誠にありがとうございます。2019年の台風15号で被害を受けた時や、2020年に新型コロナウイルスの影響で学校が休校になってしまった時など、東都生協の組合員の皆様より温かいメッセージやご支援を頂き、東都生協と千葉北酪の産直の絆を実感しております。皆様に恩返しさせて頂く気持ちで、美味しい八千代牛乳をお届けできるように日々努力を続けて参ります。今後とも変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

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