もともとJAやさとは、東都生協との産直が広がりをはじめた1988年から、東都納豆の原料として東京の納豆工場に大豆を納品していましたが、その工場の急な廃業を受けてのことでした。それ以来、JAやさとでの大豆生産を奨励しながら、東都生協仕様の納豆をつくり続けています。
納豆をはじめ豆腐や味噌、醤油など豊かな日本食のベースである大豆ですが、自給率は5%と非常に低く、ほとんどが輸入によって賄われているのが現状で、国産大豆は貴重な存在です。その大豆も世界的な穀物価格の高騰により、先が見えない状況です。 かといって国内で生産を増やす状況にもなっていません。大豆は作付けしても収入が少なく、国内では経営が成り立ちません。それでもつくり続けられているのは、多くが水田での作付けで、転作奨励金(大豆収入の他に稲をつくらないための補助金)が別途、国から出るからです。
一方、2007年より国の農業政策が変わり、4ha以上の国が認めた担い手農家のみ大豆と麦に所得補償を付け、それまで作付けしていた小農家の大豆と麦の作付けを切り捨ててしまいました。
そんななか、今年も大豆の作付け面積が全国で維持されたのは、水田転作の強化によるものです。こうした対策によって、かろうじて大豆は5%の自給率が維持されているのです。
茨城県石岡市八郷地区では、担い手農家と協力して今年も160ha(600万食分)の大豆が作付けされています。小農家の大豆も買い支え、やさと産大豆で納豆を製造し、東都生協さんにお届けしています。
このやさと産大豆は、たんぱく質が多く脂肪が少ないという、納豆のおいしさを引き出している大豆です。
そしてJAやさとでは、納豆工場の収益を生産者の大豆価格に上乗せすることにより、生産者の大豆づくりを援助しています。
ですから、組合員のみなさんがやさとの納豆を利用することは、やさとの大豆生産者を援助することにつながっているのです。そのような農協納豆工場の役割を覚え、「国産大豆」、いや「やさと産大豆」で、これからもおいしい納豆をつくり続けていきたいと思います。
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