夏野菜の代表のように思われていますが、とうもろこしは正確には「穀物」(イネ科キビ亜科トウモロコシ類に属する1年草)。米・小麦と並ぶ三大穀物の一つです。生産量も小麦に次いで2番目で、その60%以上が家畜の飼料として消費され、人間の食用となるのは20%以下。残りの約20%は工業用として利用され、最近ではバイオエタノール※の原料として注目されています。
※植物由来の原料から作られたエチルアルコール
とうもろこしは、てっぺんに雄花(雄穂〈ゆうすい〉)があり、茎の途中の節から出ているのが雌花(雌穂〈しすい〉)です。雌花の穂先から伸びたひげは、絹糸〈けんし〉と呼ばれる「雌しべ」です。雌しべが受粉すると、雌花の皮の中でとうもろこしが育ちます。私たちが食べるのは、成熟前の雌花の実と発芽する部分。雌しべが受粉して実になるので、ひげの数と実の数は同じということをご存知ですか?
とうもろこしは大別すると、6種類に分けられます。東都生協で扱うとうもろこしはスイートコーンですが、糖度・粒色によってホワイト、バイカラー、イエローに分けられます。
- ① スイートコーン … 甘味種(食用)
- ② デントコーン … 馬歯種(家畜飼料、コーンスターチの製造)
- ③ フリントコーン … 硬粒種(食用、家畜飼料、タコス・トルティーヤの原料)
- ④ ソフトコーン … 軟粒種(食用、粉にひきやすい)
- ⑤ ワキシーコーン … もち種(食用、もちもちした食感)
- ⑥ ポップコーン … 爆裂種(ポップコーン菓子用)
東都生協のとうもろこしは3系に大別できます。甘みや食味の違いをぜひ食べ比べてみてください。産地を替えながら、9月ごろまでおいしくいただけます



とうもろこしの産地リレーは、近年、JAそお鹿児島が産地に加わり、5月の鹿児島からスタート。9月下旬の北海道産までお楽しみいただけます。
5月 : 鹿児島県〔JAそお鹿児島〕
6月上旬~7月下旬 : 埼玉県、千葉県、茨城県〔(農)埼玉産直センター、(農)房総食料センター、(株)八街産直会、(農)茨城県西産直センター、(農)埼玉県産直協同上里グループ〕
7月後半~9月上旬 : 群馬県〔北軽井沢産直の会〕
8月後半~9月中旬 : 有機のみ、北海道〔(株)みよい、北海道有機農協〕


とうもろこし収穫後に残った葉や茎は、すき込むと分解されて土を軟らかくするといわれているため、細かく裁断して畑にすき込みます。
また、とうもろこしの根には「センチュウ」という土中の虫が付かない作用があるので、とうもろこし栽培後の畑にはセンチュウ被害に遭いやすい大根などを後作すると相性が良いといわれています。
作物はそれぞれ土から吸い上げる栄養成分が異なるため、同じ作物を同じ畑で連続して栽培するより科目の異なる作物を順番に植え付ける「輪作」をすることで、土の栄養バランスの偏りを防ぐという考え方があります。輪作体系の中にとうもろこしを入れると畑の土にとても良い、と複数の生産者が口をそろえます。さまざまな理由があるのでしょうが、生産者が体感しているこの事実は大きいですよね!
とうもろこしは、時間経過とともに甘味が弱くなってしまうので、とにかく届いた日に食べるのが一番。当日調理できない場合は、必ず冷蔵庫で保管しましょう。


とうもろこしの皮の外側と毛だけを除き、最後の1枚を残してラップに包み、2本ずつ電子レンジで加熱します。皮を残すとその中で蒸し状態になり、甘みを逃がしません。目安は500Wで7~8分、700Wで6~7分です。
食べる直前に皮をむいて水洗いし、ラップに塩を少しまぶしてとうもろこしを包み、電子レンジ500Wで3分、反転させて3分くらい調理します。


とうもろこしのおいしいゆで方は2通りあります。水からゆでればジューシーに、沸騰した湯でゆでればシャキシャキの食感が楽しめます。でも、長くゆでるのは禁物。いずれもゆで時間の目安は3~5分です。
この他、「焼きとうもろこし」も美味ですよ!

※肉料理、カレーやシチューにもよく似合うごはんです。
【 材料(2~3人分) 】
米 2合 とうもろこし 1本 バター 10g |
[A] | 顆粒鶏ガラスープ 小さじ1 塩 小さじ1/3 |
【 作り方 】
- とうもろこしを固めにゆでる(電子レンジで加熱もOK)。
- 米をとぎ、ザルにあげる(15分)。
- 炊飯器に2と2合分より少し減らした水を入れ[A]を加えて30分置く。
- 3に房から外したとうもろこし粒を散りばめ、バターをのせて炊く。
栄養
主成分はでんぷんですが、そのほかビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンE、カリウム、食物繊維をバランスよく含みます。ちなみに食物繊維は、とうもろこしの1粒1粒を包んでいる皮に含まれる「セルロース」という不溶性のものです。
生とうもろこしの上手なカット方法
昔の固い粒の品種は、一列を外せばあとは手を使ってポロポロと外すことができます。今の品種は皮が柔らかいので、包丁でそぎ切りするのが一般的です。コーンカッター、コーンピーラーなど簡単にカットできるものも市販されています。
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