
- 食と農をつなげていく実践活動に取り組んでいます。
- 食の安全と食料自給率を高める取り組みをすすめます。
「魚のゆりかご水田プロジェクト」生きもの調査に参加
琵琶湖と田んぼ、くらしを未来につなぐ
用水路の魚観察会 |
田んぼの生き物調査 |
生きものを観察。中央が希少なニゴロブナ |
田んぼから琵琶湖を望む |
「魚のゆりかご水田プロジェクト」では、魚道づくりや環境に優しい農業を通じ、琵琶湖に住む魚が周辺の田んぼや用水路を行き来できるように取り組んでいます。こうして、かつての命あふれる田園環境を再生し、生きものと人が共生できる農業・農村を創造していくことを目指しています。
当日は地元の小学生や大学生など120人以上が参加して琵琶湖につながる用水路の生きものを観察しました。
訪れた用水路では、魚道(魚の通り道)が整備されていました。琵琶湖から遡上してきたニゴロブナやギンブナなどが田んぼで産卵をし、田んぼで成長した稚魚が再び琵琶湖に戻ります。
子どもたちは生きもの発見で大盛り上がりの様子でした。稚魚もいっぱい、またバケツから出てしまうような大きなニゴロブナも採取しました。
みんなで採取した魚たちについて、琵琶湖博物館の学芸員からの、説明がありました。今回は二ゴロブナ、ナマズ、ドジョウ、エビなど多くの魚類や大タニシなどの貝類などが見られました。
琵琶湖固有種のニゴロブナは、伝統的特産物の鮒ずしの原料として有名ですが、近年は外来魚の繁殖などでその数が激減しています。
ギンブナは天然でクローン増殖(雌性発生)を行うことや、ギンブナは全てメスしかいないなど、生きものたちの不思議な生態についても聞くことができました。また外来種のブラックバスは川を上ることができないため、魚道では見られないそうです。
生産者からは、「一度は琵琶湖と分断されてしまった田んぼに琵琶湖の生き物が戻りつつあることを実感している」との話がありました。これは、魚類が遡上できるように用水路を改修したり、農薬や化学肥料の使用量を削減し環境に配慮して農作物を生産するなど地域ぐるみで取り組んでいる成果だといえます。