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放射性物質、放射線についての正しい知識を!

福島第一原発事故を受けて、放射性物質・放射線に関する基礎学習会を開催

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当日は会場を埋め尽くす参加者が

5月17日には日本大学の野口邦和先生を講師に迎えました

5月17日には日本大学・野口邦和先生を講師に迎えました

3月11日の巨大地震と大津波、これに伴い発生した福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故の影響で、私たちは今も目に見えない放射能の怖さに不安な毎日を送っています。

農畜水産物への影響に関して組合員から寄せられた声を受け、「放射性物質、放射線の基礎学習会~福島第一原発事故を受けて~」と題し、学習会を開催しました。

5月12日は、東都生協 安全・品質管理部の新谷喜久夫部長を講師に、二部構成で学習会を実施。

第一部は、放射性物質、放射線の基礎知識として、あらかじめ配られたレジュメと、スライド形式により用語などを解説しました。

第二部は、原子力発電の基礎知識と題して、原子力発電の概要、メリットとデメリット、事故事例、福島第一原発の事故概要、原子力発電の問題点のまとめが述べられました。



<第一部>

● 放射線…「波長の短い電磁波」および「高速で動く粒子(ビーム)」のこと。
①物質の透過作用
②物質を透過する際、その物質の原子・分子にエネルギーを与えて陽イオンと電子に分離する電離作用
③物質に当てると特有な光を放出させる蛍光作用
④写真フィルムを感光させる感光作用
などがある。

● 放射能…放射線を出す能力のこと。ある種の原子が「放射線」を出して別の種類の原子に変わる性質をいう。

● 放射性物質…放射線を出しながら、別の元素に変わってしまう物質のこと。体内の放射能汚染は、放射性物質そのものを水や食物とともに取り込む場合に起こる。

● 放射線の体への影響…放射線を浴びても放射能は体内に残らない(レントゲン撮影しても体が放射能を帯びるわけではない)。放射線を浴びると、体内の細胞が傷付くが、線量が低ければ、通常の身体
回復機能で修復される。しかし、細胞の放射線感受性は、
①細胞が未分化なものほど
②細胞分裂が盛んなほど、細胞の一生のうち分裂期が長いものほど
高いため、乳児・幼児への影響が高い。

<第二部>

● 原子力発電…蒸気でタービンを回して発電するという原理は火力発電と同じ。火力発電はボイラーで化石燃料を燃焼させた熱、原子力発電では原子炉でウランを燃料とした核分裂エネルギーの熱で蒸気を発生させている。

● 原子力発電のメリットとデメリット…原料のウランは石油に比べ安定確保できる。CO2を排出せず、低コストである。一方、強い放射線を出す「高レベル放射性廃棄物」が必ず発生する。廃棄物の放射能レベルの低下には数万年かかる上、放射性廃棄物の保管場所もない。300m以深の地下に処分する計画(地層処分)も進んでいるが、使用済み燃料の再処理も含め、問題は多い。

日本大学・野口邦和先生が講演

5月17日には、日本大学歯学部 アイソトープ共同利用専任講師・野口邦和先生を迎えての学習会を開催しました。

基礎知識として、原子炉内から漏れ出した放射性ヨウ素・放射性セシウムの特性や暫定規制値の設定、残留放射能の問題などさまざまな角度からお話を伺うことができました。

一番の関心である食に関しては、「市場に出ているものには規制値を超えているものはない。平均的な食事をしている人には問題はない」とのことでした。

どちらの会場にも多くの組合員が足を運び、関心の深さをあらためて実感しました。原発事故の終息はまだまだ見通しが立ちません。今後とも私たちには冷静な判断が求められます。

参加者の感想

「ミネラルウォーターでなくても大丈夫ということが分かった」
「東都生協の検査で適合の場合、放射性物質はごく微量で人体には影響がないと分かって安心した」
「原発事故について、いろいろ事例を説明してもらえてよかった」
「東都生協の放射能物質の自主検査はありがたいと思う」