みんなの活動:これまでの活動報告

「田んぼの学校」~今年は東都生協の職員で稲刈りを行いました

12年目の田んぼの学校 -(農)船橋農産物供給センター(千葉県印西市)-

2020.09.24

のこぎり鎌を使って手作業で稲刈り

のこぎり鎌を使って手作業で稲刈り

わらで稲束作り。習熟を要します

わらで稲束作り。習熟を要します

稲架(はさ)作り

稲架(はさ)作り

はざ掛け完了。このまま1週間天日干し

はざ掛け完了。このまま1週間天日干し

参加者一同。再生田と稲架を背景に

参加者一同。再生田と稲架を背景に

産地の皆さんと東都生協の職員。

産地の皆さんと東都生協の職員

中央が飯島さん。東都生協さんぼんすぎキャラクター「つくるん」(生産者)と一緒に。組合員の代わりに「たべるん」(右)もしっかり参加してきました!<br />

中央が飯島さん。東都生協さんぼんすぎ
キャラクター「つくるん」(生産者)と
一緒に。組合員の代わりに「たべるん」
(右)もしっかり参加してきました!

(農)船橋農産物供給センターは新しい世代が未来に続く産直を創造する新世代チャレンジプロジェクトにも参加<br />

(農)船橋農産物供給センターは
新しい世代が未来に続く産直を創造する
新世代チャレンジプロジェクトにも参加

(農)船橋農産物供給センター「田んぼの学校」では2020年9月19日、東都生協の職員有志14人で再生田の稲刈り作業を行いました。

今年は新型コロナウイルス感染症対策のため、組合員参加での全ての作業は見合わせることに。それでも「みんなの再生田」を何とか維持しようと、田植えや日頃の管理は同産地にご協力いただきながら、東都生協の職員有志で草刈りなどを行ってきました。
6月の草刈りの様子はこちら

「田んぼの学校」は、(農)船橋農産物供給センターの協力による通年の農業体験企画。
「高齢化や担い手不足で耕作放棄地が増え続ける生産現場を消費者に知ってほしい」「米をもっと食べて国内農業を応援してほしい」-との思いから、2008年に始まりました。

二十数年間荒れ放題だった休耕田を、生産者に指導いただきながら、東都生協の組合員が山林に田んぼへの農道を切り開くことから始め、手作業で開墾。復活した田んぼを「みんなの再生田」として、"田んぼ作りから始める米作り"に取り組み続け、今年で12年になります。

今回は、稲の収穫からはざ掛け・乾燥までを全て手作業で行います。
作業概要について説明を受けた後、切り開いた山道を通って谷あいの田んぼまで下り、稲刈りを開始。

まず同産地・元代表理事の飯島幸三郎さんから、鎌の使い方やコツなどを教わりました。稲の根元を持ち、鎌の刃のカーブに沿って滑らせるように刈り取っていきます。

片手いっぱいにつかめる量の2回分の稲束を刈り取ったら、同じ向きに重ねて置きます。これがはざ掛け1束分の量になります。後で束ねやすいように、1束分ずつに分けて、刈り取り後の田んぼに置いていきます。

「稲刈りは"鎌半分、腕半分"だよ!」と飯島さん。
初めはうまく刈れず、何度も鎌を動かしてした参加者も、同じ作業を繰り返すうちにスムーズに刈ることができるように。

次に稲束作り。

稲束の切り口を手のひらでトントンとたたき、下端をそろえます。稲わら5~6本を両手に取り、下端から20cmほど上の位置を押さえ込むように1重に巻いたら、束をくるっと裏返しにします。

束をぐっと押さえた状態で、わらの両端が180度になるようにしっかり折って交叉させ、少しより合わせるだけで、稲束の反発力とわら同士の摩擦でうまく固定できてしまいます。締まりが緩ければ、より合わせた部分をわらの後ろに押し込みます。"わらは結ばない"-これには一同、驚いた様子でした。

続いてはざ(稲架=はさ)掛け作業。資材は、前回の作業で周囲の森から切り出した立派な竹。産地の皆さんが収穫の終わった田んぼに見る見る竹と縄だけではさを組み上げ、そこに稲束を2又に掛けていきます。ここまでで今回の作業はひとまず終了。

再生田では化学合成農薬や化学肥料は一切使用せず、米ぬかを肥料として使用しています。小高い森の谷あいに位置する谷地田(やちだ)で、周囲の森林から湧出する清水が米作りを支えます。

米の品種はこしひかりで、今年の作付け面積は2反7畝(27アール)ほど。長梅雨による曇天続きで背丈が高くなりましたが、その後の日照、高温続きで生育が進み作柄は良好でした。手作業での除草など管理が行き届き、雑草もほとんど見当たりません。

はざ掛けでの天日干しは1週間程度行い、その後もみすりを行います。今回の収穫量は玄米で約100kgとのことでした。

収穫後に、この1年間の取り組みをみんなで振り返りました。
同産地の飯島さんからは米作りについて説明。1粒の種もみから1本の苗ができ、これが10本の茎に枝分かれ(分げつ)して稲穂ができます。1本の稲穂には約100粒のもみが付くため、米1粒が1,000粒に増える計算になります。茶碗1杯分のごはんが米約3,000粒とすると、種もみ3粒から3株育てれば、ごはん1杯分の米が取れることに。

米は他の農産物に比べて単位面積当たりの収穫量が多く、田んぼに水を張ることで連作障害が起こらず毎年栽培し続けることができます。

飯島さんはこの他にも環境・国土保全への貢献など、米作りが持つ多面的機能にも言及。新型コロナウイルス感染拡大で食料自給の大切さが見直される中、「米ほど優れた作物はない」と話します。

参加した職員からは、
「コロナ禍の終息後には、より多くの組合員に参加いただき、次に続くように再生田を守っていきたい」
「今回の貴重な体験を生かして、米と米作りの大切さを、日々の業務を通じて組合員に伝えていきたい」
「産地の尽力を実感した。食のみならず地域の環境とくらしを支える産直品の消費拡大につなげたい」
など、それぞれ率直な感想や思いを語っていました。

東都生協では、田んぼの学校などさまざまな農業体験や交流訪問企画の再開に向けて、状況の推移を見極めながら随時ご案内していきます。日頃の産直・国産品のご利用はもとより、こうした機会があればぜひ参加いただき、一緒に日本の農業を応援してみませんか!