みんなの活動:これまでの活動報告

生協合同で「食料・農業・農村基本法」改正に伴う学習会を開催

食料の安定供給の確保と食料安全保障の確立に向けて消費者・生産者が連帯

2023.10.02
会場の様子

東都生協風間理事長が開会あいさつ

東都生協 風間理事長が開会あいさつ

東都生協は2023年9月22日、食料自給率向上に取り組む全国の生協と共に「食料・農業・農村基本法改正」に伴う合同学習会を開催しました。会場のニッショーホール(港区東新橋)には、生協組合員・役職員を中心に、生産者団体、食と農に関わる行政や研究者など367人が来場し、416人がオンラインで参加しました。

学習会は、同法改正を食料自給率向上に向けて農政を転換し、消費者・生産者の願いを社会に発信する機会にすることが目的です。パルシステム生活協同組合連合会、生活クラブ事業連合生活協同組合連合会、生活協同組合連合会コープ自然派事業連合、生活協同組合連合会アイチョイス、グリーンコープ生活協同組合連合会、東都生協の6生協が連帯して開催しました。

司会はパルシステム連合会理事長の大信政一氏、東都生協・石渡副理事長が担当。

開会あいさつで東都生協・風間理事長は「食料自給率は長らく40%を下回り、耕作放棄地の増加や担い手の減少など国内農業は縮小の一途をたどっている。気候変動やパンデミック、地政学的リスク、円安などを背景に食と農は危機的な状況にあり、消費者・生産者の努力では解決し切れない」として「共通の願いを持つ消費者団体が連帯して声を上げ、農政や消費者の意識を変える大きな力としたい」と述べました。




農林水産省大臣官房参事官 小坂伸行氏「食料・農業・農村基本法改正の中間取りまとめ概要と方向性」について講演

農林水産省大臣官房参事官 小坂伸行氏

【講演】農林水産省大臣官房参事官 小坂伸行氏
「食料・農業・農村基本法の検証・見直しに関する最終取りまとめ(答申)」

「食料・農業・農村基本法」の検証・見直しに関する最終取りまとめについて、同法改正を担当する農林水産省大臣官房参事官の小坂伸行氏が講演しました。

小坂氏は、制定から24年たち情勢が変化する中での現行法の見直し経過を説明。2022年9月末に諮問を受けた食料・農業・農村政策審議会が、本年9月に農林水産大臣に最終取りまとめを答申。2024年の通常国会での同法改正とその後の基本計画策定を目指して現在、農林水産省で検討作業が進んでいます。

小坂氏は答申について「1999年に制定された同法を下地として、情勢変化や今後20年を見据え予期される課題を踏まえた基本理念や主要施策の見直しの方向性が示されている」と説明。

国際的な食料需要の増加、高温・干ばつなど頻発する異常気象による食料生産・供給の不安定化、穀物価格の高騰などの情勢に触れ、輸入に依存する日本の食料生産と供給が不安定化していることを強調。国際的な地位低下による「買い負け」、国内市場の縮小、農業従事者・農村人口の減少などの情勢変化を挙げ、有事のみならず平時を含めた食料安全保障の必要性を示しました。

同法の基本理念見直しの方向性として「食料安全保障の確立」「環境に配慮した持続可能な農業・食品産業への転換」などについて説明。主要施策として「国民一人一人に食料を届ける食料システム構築」「効率的かつ安定的な農業経営の位置付け」「集落による農業を下支えする機能維持」「持続可能な農業の主流化と環境に配慮した食料システム確立」「食料自給率と並び輸入に依存する肥料・エネルギーの課題に即した数値目標の設定」「不測時に関係省庁が連携して対応できる法整備」などを具体的に示しました。



生産現場からの実践報告・問題提起

続いて、熊本県で先進的な有機農業に取り組むの(有)くまもと有機の会専務取締役 田中誠氏、山形県で先進的な稲作・水田農業を実践するJA庄内みどり遊佐町共同開発米部会 池田恒紀氏、茨城県で環境保全型農業や養鶏を地域で実践するJAやさと専務理事 廣澤和善氏の3者が登壇。産地の取り組み・現状について報告し、同法改正に向けて生産者の立場から問題提起を行いました。

(有)くまもと有機の会専務取締役 田中誠氏

(有)くまもと有機の会専務取締役 田中誠氏

(有)くまもと有機の会専務取締役 田中誠氏
「有機農業の現場から」

(有)くまもと有機の会の田中氏は有機農業の現場について報告。1976年創業の同社は年間作付け品目100種類以上、産地リレーで有機農産物の安定供給を実現しています。「かつて有機栽培は高温多湿の日本では難しく、手間が掛かり収量も少ないとされてきたが、20年前から有機栽培技術が科学的・論理的に向上し、作物に合った土づくりをすることで高品質・高収量を実現できるようになった。有機物と微生物の力で土づくりを進め、農薬や除草も不要となった。水稲では健全な土づくりで根が張ると丈夫な稲が育ち、中国大陸から飛来するウンカにも強い」として「元気な有機農産物は栄養価が高いことも生協との取り組みの中で実証されてきた。こうした有機の良さに消費者の理解が広がれば、食料安全保障、循環型社会の実現に貢献できる」と語りました。

有機を巡る問題点として「有機栽培の理論・技術について学ぶ場や指導者が少なく、専門の学校・学部の創設が必要だ」とし、担い手の減少について「70歳以上が68.3%で農地集約では間に合わず、地元生産者の技術と経験、思いが途切れようとしている」と現状を報告。

後継者不足で農地が減少する県内で進む、海外の大手半導体メーカーの工場建設についても触れ「32年前の半導体メーカーによる化学物質汚染で水源が今も使えない地域がある。目先の経済だけではなく、百年単位の長期的な視点で産業・環境・農業のバランスが取れた法案にしてほしい」と要望しました。



JA庄内みどり遊佐町共同開発米部会 池田恒紀氏

JA庄内みどり遊佐町共同開発米部会 池田恒紀氏

JA庄内みどり遊佐町共同開発米部会 池田恒紀氏
「持続可能な稲作 水田農業の取り組みについて」

続いてJA庄内みどり遊佐町共同開発米部会の池田氏が50年にわたる生活クラブ生協との米作り・地域づくりについて報告。1992年に立ち上げた同部会の会員は約340人で、水稲をはじめ、野菜、大豆、菜種、そば、飼料用米などを組合員に供給しています。

独自の「庄内遊YOU米(ゆうゆうまい)」について「品種、農法、価格、数量、食べ方を生産者と組合員が直接話し合って決定し、作り続け食べ続けられる米としている。全ての農地で地元畜産業者の堆肥を活用するなど循環型農業で地元に還元している」として「生産と消費の交流・対話を続けた結果、気が付けば持続可能な生産と消費の輪を実現していた」と語りました。

独自に取り組む「共同開発米基金」として生産者と消費者が1%ずつ積み立て、自然災害対策や減農薬の農法開発に活用する制度や、飼料用米を巡り㈱平田牧場と共に進める高タンパク米の実験事業にも触れ「米作りだけでは足りない。高コストや異常気象の常態化により、生産者は疲弊し、減少している、こういう問題を共有して解決策を見付け、基本法改正に盛り込んでほしい」と意見を述べました。



JAやさと専務理事 廣澤和善氏

JAやさと専務理事 廣澤和善氏

JAやさと専務理事 廣澤和善氏
「里山農業と産直の取り組み、そして食料自給を考える」

JAやさとの廣澤氏は、農業と産直、食料自給について提起しました。同産地の産直は、1976年東都生協との「産直たまご」の取引に始まり、1986年からは野菜・果物・米に納豆も加わった地域ぐるみの地域総合産直を開始。安全でおいしい野菜を求める消費者からの要請に応えて1997年に有機栽培部会を設立。1999年には「ゆめファーム」として新規就農制度も開始しています。

「40年以上、生協組合員の利用に支えられてきたが、気候変動やウクライナ情勢の大きな影響を受けている。世界人口の増加で食料難が予想され、海外からの輸入は大量のエネルギーを消費する。現行法制定の背景は、安い農産物を輸入することが国益につながるとの判断だったと考えるが、食料の安定供給、国内自給に向けた施策と運動は喫緊の課題。将来にわたって持続可能な食料生産システムと開発が求められる」とし「地域の環境に適合した農業の実現」「地域資源を活用した循環型農業の推進」「食料自給と国内農業に関する教育の推進」などを提起しました。



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東京大学大学院教授 鈴木宣弘氏

【講演】東京大学大学院教授 鈴木宣弘氏
「食料・農業・農村基本法改正の社会的意義について」

東京大学大学院教授の鈴木宣弘氏は「食料・農業・農村基本法改正の社会的意義」をテーマに講演しました。

輸入農産物の増加、国内農業の縮小や食料自給率の低下という食料安全保障の崩壊を招いた背景を「戦後の日本が米国の余剰農産物や安全性に懸念の声がある食料の最終処分場として、農産物の関税を撤廃し、食と農を差し出す政策を取ってきたことにある」と指摘。

「コロナ禍、中国の農産物爆買い、異常気象、ロシアのウクライナ侵略によるクワトロ・ショック(4重苦)で世界が食料危機に突入し、穀物輸出国が自国民を守るために輸出を止める動きが30カ国に及ぶ中、日本の穀物備蓄は1.5カ月~2カ月分。一昨年に比べ肥料2倍、飼料2倍、燃料3割高と生産者がコスト高で苦しみ、離農が進む現状で、国が進めるのが防衛とコオロギ食などのフードテック。まともな食料政策もないまま、防衛費を5年で43兆円に増やし、敵基地攻撃能力を保有して攻めていくかのような議論が勇ましく行われているが、有事が起きてシーレーンが封鎖されたら戦う前に国民はたちまち飢餓に陥る」として「武器は命を守るものではなく奪うもの。命を守るのは食料。本物を作る生産者を支えることこそ、命を守る安全保障だ」と説きました。

自給率8割とされる野菜について「種の9割は輸入で、コロナ禍のように輸入が止まれば、自給率は8%、肥料も止まれば収量が半減して自給率は4%となる。ほとんどがF1(一代雑種)のため種取りもできない。地域の伝統的な在来種、固定種を守り、地域で循環させる必要があるが、同法改正ではこの点がほとんど抜けている」と指摘。

さらに「食料自給率38%だが、肥料の輸入が止まれば実質的な自給率は22%、種の輸入も止まれば自給率は9.2%となる」として「種や肥料などの生産資材も加味した実質的・総合的な食料自給率を政策の中心に据えるべき」と提起しました。局地的な核戦争が起きれば被爆による死者よりも物流停止による餓死者が3億人にのぼり、そのうち7千2百万人は日本に集中するとしたアメリカの大学の試算も紹介。

アメリカが"食料は武器より安い武器"として、コメなど輸出向け農産物3品目の差額補填だけで多い年には1兆円を投じ、さらには農業予算の64%に当たる10兆円を投入して、消費者の食料購入を支援し生産者にも還元できる循環を作っていることに触れ「国内生産を抜本的に増やして食料自給率を向上させ、いざというときに国民の命を守ることが大切」として、民間任せにせず政府が財政出動し、生産者負担、消費者負担の差を埋める政策の必要性を訴えました。

答申が「食料自給率」「食料自給率向上」に触れず、同法に基づき5年に1度決定される「基本計画」の項目で食料自給率が指標の1つに格下げとなったことにも言及。「平時、有事を分けることなく、不測の事態にも国民の食料が確保できるように、普段から食料自給率をしっかりと高めておくことこそが食料安全保障だ」としました。

有事の際に作目転換も含めて、国が増産命令できる有事立法を検討していることについては「今コスト高で苦しんでいる生産者支援の具体策を出さずに『普段は輸入しておけば良い、有事の場合は命令するからしっかり生産せよ』といっても誰も作れない」と一蹴。

併せて「基本計画」について「多様な農業形態を支援することで地域農業が成り立つとして2020年の基本計画では位置付けられたが、施策対象を目先効率的な担い手に集中する2015年の基本計画に後退した」と指摘。「種から消費までもうけを最大化する無人のデジタル農業だけが生き残り、農山漁村が原野に戻って地域社会も伝統文化も消え、自給率も下がって都市部に人口が集中し、感染症など有事の際にたちまち餓死するようないびつな国にしないように、巨大企業の動きを抑止できる法改正が望まれる」としました。

鈴木氏は同法に関連して米77万トン・乳製品14万トンという莫大な輸入を国が「最低輸入義務」としていることにも触れ「国際的な約束は存在しないのに、日本だけが毎年忠実に守っている。国内価格の3倍の米をアメリカから36万トン輸入し、差額の補填(ほてん)に500億円もかけて飼料に使っている。生乳は北海道だけで14万トン減産させながら、生乳換算で14万トンの乳製品を義務もないのに国が無理に輸入している」として「基本法以前に"米作るな""牛乳作るな、牛殺せ"といった『セルフ兵糧攻め』のような農政を見直し、他国並みに内外の人道支援など需要喚起・出口政策、農家の赤字補填に責任を持つことこそ政府の役割だ」と指摘しました。

"自給率低下は食生活が変化したからで国内農地では賄い切れないから仕方がない"という議論については「戦後の自給率低下の背景にアメリカの政策があったように、食料自給率は政策次第で変えられる。江戸時代が自給率100%だったように底力を発揮し、地域資源を徹底的に循環させ、生態系の力を最大限に発揮する食料生産への取り組みが問われている」としました。

また「"日本の農業は過保護で衰退した、欧米の農業は競争力で発展した"というのは虚構で、欧米では徹底した農業支援を行っている。"日本の農業所得は補助金漬け"というのも虚構で、農業所得に占める補助金の割合は平均で3割に過ぎないが、フランス・スイス・イギリスでは90%~100%。命・環境・地域コミュニティ・国土・国境を守る産業として、農業を国民みんなで支えるのが世界の常識」として、欧米並みの抜本的な政策転換の必要性を訴えました。

鈴木氏は「農業問題は消費者の問題でもある」と注意を促し「"種を制する者は世界を制する"グローバル種子・農薬企業の戦略が世界中から猛反発され、日本に向かっている」として「米・麦・大豆の公共の種を企業に譲渡させ(種子法廃止)、自家採種されると次の年から売れないからと自家採種を禁止し(種苗法改定)、食品への『遺伝子組換えでない』表示を実質禁止し、遺伝子組換え作物とセットの除草剤の残留基準値を大幅に緩和するなど、国民の健康が危険にさらされている。ゲノム編集食品は審査も表示もせず野放し状態で、ゲノム編集トマト苗の無償配布など、子どもたちをターゲットにしたアメリカによる戦後の占領政策、洗脳政策が形を変えて続いている」と話しました。

そうした流れに対して、学校給食を無償化し、安全・安心でおいしい食材を公共調達することで生産者も支える仕組み作りが進んでいることを評価。また価格転嫁について「産地が大手流通に買いたたかれる日本にあって、再生産可能な適正価格を追求し、本物を作る地域の生産者を支える生協の産直ネットワークは重要。"今だけ、金だけ、自分だけ"と目先の利益しか考えない人たちが行政を取り込んで農地も山も水道も食い物にしようとする中で、この動きを食い止めるためにも、消費者と生産者の両方を幸せにする仕組みを追求する協同組合、相互扶助の組織の力は、今や非常に重要だ」としました。

また「鍵は消費者の意識・行動にある」として、消費者の選択がつくり出した世界の潮流に言及。「台湾ではラクトパミン(成長促進剤)を投与した牛肉・豚肉を排除する国民運動が起きている。アメリカの消費者も成長ホルモン使用を拒否し、本物を作る生産者と結びついて、安全・安心な牛肉・乳製品を調達できるようにした。スイスでは生産から消費までのネットワークが食品流通の5割を超えたことで、スーパーは安売りできなくなった。EU・中国は減化学肥料・減化学合成農薬、有機農業にかじを切りはじめた」とし「長距離輸送のため日本国内では禁止されている危険な収穫後農薬が使用された穀物・果物、成長ホルモンが使われた牛肉・乳製品が素通りで輸入され、日本人は食べ続けている。世界で最も残留農薬基準の緩い国の一つとなった日本の消費者は、自分たちの命を守り、本物を作る生産者を支える信頼のネットワークを作り、政治・行政を変えていく必要がある」と強調しました。

最後に鈴木氏は「農協が有機・自然栽培技術で産地形成し、生協が出口をつくる、あるいは生協が協同して一つの産地を支えるといった協同組合間協同もあり得る。食料危機・農業危機は深刻化しているが、世界で一番競争にさらされながらも生き残り、世界第10位の農業生産額を誇る日本の生産者は精鋭。生産者と消費者が本物でつながり、地域にローカル自給圏を作る取り組みをさらに進め、作って食べて、一緒に未来をつくり、政策を動かしていこう」と呼び掛けました。



生協アピール

続けて合同学習会を主催する6生協がそれぞれアピールを発表しました。

生活クラブ事業連合生活協同組合連合会 生活クラブ連合消費委員長・生活クラブ神奈川副理事長 萩原つなよ氏

生活クラブ事業連合生活協同組合連合会
生活クラブ連合会消費委員長・生活クラブ神奈川副理事長 萩原つなよ氏

「主産地の庄内・栃木・長野・紀伊半島では地域協議会を設け、ローカルSDGS、持続可能な地域社会づくりを進めている。循環型農業、農村の活性化につながる飼料用米は自給率35%まで広がった。生産と消費は常に一体。これからも生産者と共に持続可能な未来をつくっていきたい」






東都生協 花沢組合員常任理事

東都生協
花沢組合員常任理事

「酪農・畜産の危機打開や自給率向上に向け、食と農の未来を守る行動を生産者と共に進めている。今の食と農の危機は生産者と消費者の努力だけでは解決できない。食の安全・安心を将来にわたって確保するため、基本法改正には持続可能な国内農畜産業を推進する方向性を強く希望する」





生活協同組合連合会コープ自然派事業連合副理事長 辰巳千嘉子氏

生活協同組合連合会コープ自然派事業連合
副理事長 辰巳千嘉子氏

「『私たちのみどり戦略』を策定し、有機農業を基本に食料自給を高めていくことを提起した。食卓と農地をつなぎ、産地と一緒に取り組みを進めていくことが産直であり、これからの農業政策。生協の連携・協同で元気な命の産業である農業を守っていきたい」






生活協同組合連合会アイチョイス理事 田辺百合氏

生活協同組合連合会アイチョイス
理事 田辺百合氏

「国産有機農産物を推進するとともに、熊本県に有機の学校を設立し、生産者育成に組合員も関わっている。日本の気候風土に合った作物を育て、自給率を上げ、持続可能な循環型農業を推進する中長期の食料・農業政策が求められる。日本の農業が復活し、発展できるような基本法改正を望む」





グリーンコープ生活協同組合連合会 グリーンコープくまもと 理事長 小林香織氏

グリーンコープ生活協同組合連合会
グリーンコープくまもと 理事長 小林香織氏

「産地に出向いて安全・安心な食料を作る生産者と交流するなど、顔の見える関係づくりを大事にしている。食卓に生産者の顔が浮かび、感謝の心があふれることは食育にもつながる。生産現場の声を聞き、何ができるか考え続け、生協が連帯して大きなうねりを作っていきたい」






パルシステム生活協同組合連合会連合会副理事長・パルシステム東京理事長副理事長 松野玲子氏

パルシステム生活協同組合連合会
パルシステム連合会副理事長・パルシステム東京理事長 松野玲子氏

「今、食料・農業・農村は大きな転換点にあり、将来を展望した食料・農業政策への改定を進めている。未来に向けて責任を持つ生活者として現状を見つめ、生産者と共により良い社会を目指していきたい。安全な食べ物、持続可能な農業、子どもたちの明日のために力を合わせていきたい」





生活クラブ連合会会長村上彰一氏

生活クラブ連合会会長 村上彰一氏

最後に主催生協を代表して生活クラブ連合会会長の村上彰一氏が学習会をまとめました。

村上氏は「改正案を理解した上で、私たち生協が食料・農業を守るために問題提起していくことが必要。内外の情勢は厳しく、海外から当たり前のように輸入できる時代ではなくなった。基本法改正は、将来にわたって食料の安定供給を確保し、個々が入手できるようにするのが目的。安全保障は防衛力に偏りがちだが、食料安全保障こそが大切との認識を共有したい」とした上で「海外ではなく国内農業に目を向け、将来にわたって農業を続けられるように、経営の安定につながり、農業の担い手を増やし、耕作放棄地を減らし、持続可能な農村としていけるように期待している。多くの生協がまとまることで世の中を変えることができる。私たちの主張をまとめ、基本法改正、基本計画に反映させるべく取り組んでいきたい」と結びました。