「オンラインでつなぐ『食』のバトン」各地域で開催
東都生協設立50周年企画 ~遠方産地とオンラインで交流~
東都生協設立50 周年の幕開け企画として、普段なかなか交流訪問できない遠方の産直産地とオンライン交流会を、2023年7月17日から7月29日にかけて都内の各地域で開催しました。
産地を知り、産地と東都生協が直接つながる「産地直結」の良さを再認識し、これからも長いお付き合いができるように楽しく交流して、みんなで50 周年を祝いました!
熊本「銀二郎トマト」の産地へ、オンライン訪問!

八代マルタの生産者・前田銀二郎さんが、トマト作りの工程を説明

会場の様子(としま区民センター)。クイズを交えてトマト作りを学びました
第1・第2・第3地域委員会は7月17日、登録商品「銀二郎トマト」を出荷する産直産地・八代マルタ(熊本県八代市)の生産者、前田銀二郎さん(前田農園)とオンラインでつなぎ、交流会を合同で開催しました。
会場のとしま区民センター(豊島区東池袋)と、現地の前田農園のビニールハウスなどから中継して交流。クイズを交えて栽培から出荷までの工程やトマト生産にかける思いを伺いました。
熊本県はトマトの生産量全国一。1年を通じて温暖で日射量が多く、かつ海沿いの平野部から阿蘇の高原まで地形が多彩で、安定して周年出荷できるのがその理由とされています。
「銀二郎トマト」は、2012年から冬場メインの登録トマトとして登場。この商品名は、有機質肥料による土づくりと高い栽培技術を父親から受け継いだ銀二郎さんに、ぜひ「銀二郎トマト」という名前でお願いしたいと商品部・松村職員が説得したのが始まりです。
そのおいしさへの人気はもちろん、商品に添えるトマト栽培への思いなどをつづった「畑日記」(生産者カード)も好評。自分のお名前を冠したトマトを売り出すことに戸惑いを感じていた銀二郎さんの背中を押したのが、奥様の賀奈子さんでした。
安全・安心でおいしいトマト作りへの惜しみない努力と、家族への愛、組合員とのつながりを大事にする銀二郎さんの人柄に参加者は魅了されました。「今年もおいしい『登録 銀二郎トマト』が、どうか抽選に当たって届きますように」と願わずにはいられない交流会となりました。
つながる×奈良五條産直組合 循環型農業に取り組んでます♪

会場の阿佐谷地域区民センターにて進行

奈良五條産直組合の生産者・益田吉仁さんが、おいしい柿作りと土づくりへのこだわりを説明

同産地の生産物や益田さん、奈良県にちなんだクイズで参加者とやりとり
第4・第5・第6地域委員会は7月22日、会場の阿佐谷地域区民センターと産直産地・奈良五條産直組合をオンラインでつなぐ交流会を合同開催しました。
奈良五條産直組合の生産者・益田吉仁さん(益田農園)から、生産する柿の種類や有機質資材「米の精」を使った土づくりなど、化学合成農薬・化学肥料にできるだけ頼らない環境に配慮した循環型農業の実践について説明。自然豊かな園地に現れる野生動物の話についても伺うことができました。
益田さんは、1つの枝に1つの実を残す柿の摘果(てきか)作業を実演。摘果は、より大きくておいしい実をつけるために行います。柿の渋抜きについてのミニ講習に続いて、出荷の早いハウス柿の状態も見せていただくことができました。
秋が深まり気温が15度まで下がると、柿の色付きが進みます。日中に45度まで上昇するハウスで大きくなった今年の柿は「1週間ほど色付きが遅くなりそうだ」と益田さんは話します。
後半は、玉ねぎの根切り作業の様子を紹介。根切り作業は、背の高さほどまで積み重ねたコンテナの玉ねぎ1つ1つ、ハサミを使って根を切り取っていく立ち仕事です。3秒に1個という、瞬くような速さで作業が進みます。乾燥室には120トン(約6,000ケース)の玉ねぎが根切りを待っています。
商品案内では「根付き玉ねぎ」の企画もありますが、参加者からは「こんな大変な作業をされているなら、玉ねぎは根付きで良いと思います」とのコメントも寄せられました。
益田さんからは「娘の作ってくれる柿のサンドイッチがおいしかった」など、ご家族の話も伺うことができ、生産者をさらに身近に感じられる機会となりました。
おいしいだけじゃない! 組合員を元気にする北海道・みよい農園のかぼちゃ

かぼちゃ作りを語る生産者・明井清治さん

おいしいかぼちゃ作りには
剪定(せんてい)作業がとても重要

北海道駒ヶ岳を望む、みよい農園のかぼちゃ畑。広さは約50ヘクタールで東京ドーム10個分以上!(※東京ドーム建築面積:約4.7ヘクタール)
第7・第8・第9地域委員会は7月29日、会場の八王子市学園都市センターと北海道茅部郡森町(かやべぐん・もりまち)の産直産地・みよい農園の生産者・明井清治(みよい・せいじ)さんをオンラインでつなぎ、交流会を合同で開催しました。
有機栽培かぼちゃ「くりりん」の定植から当日までの様子を撮影した動画で、明井さんがかぼちゃづくりを解説。つるを伸ばせるように、苗を「トンネル」という被覆資材の端に植える様子や、親づるに養分が行くように、わき枝や側枝を取り除く剪定(せんてい)作業を行う様子などを見せていただきました。
独自の研究でたどり着いた微生物農法や、科学的な分析結果に基づく有機栽培についても、明井さんは熱く、分かりやすく解説。
同産地では、貝殻の表面付着物から作った堆肥を使用することで、連作障害を発生させることなくかぼちゃを生産。毎月2回、海洋深層水と一緒に微生物を畑に補充することで、農地に自然界と同じ状況を作り続けているそうです。
みよい農園の農地からの中継では、雲が懸かった北海道駒ヶ岳を背景に、たくさんのつるを元気に伸ばしたかぼちゃの様子を見ることができました。
気候などの生育条件はとても良い中で収穫したばかりの大きく育ったかぼちゃを、画面に掲げて見せていただきました。かぼちゃは大きい方が、糖度も栄養価も高いそうです。
このかぼちゃはすぐには出荷されず、温度管理された熟成庫ででんぷん質が糖分に変わるのを待ち、糖度が18度ほどもある、とても甘いかぼちゃになってから組合員に届きます。
おいしさ以外にも、たくさんの秘密を学べる交流会となりました。