みんなの活動:これまでの活動報告

「夏休み親子で学ぼう! 『へいわ』って何だろう?」開催

第9地域委員会・平和学習会

2022.09.09

引き揚げ船の中での様子

引き揚げ船の中での様子

第9地域委員会は2022年7月28日、平和企画として平和祈念展示資料館(新宿区)の学芸員の方を講師にお迎えし、親子を対象に、「Zoom」を使った平和に関するオンライン学習会を行いました。大人14人・子ども7人の計21人が参加しました。

テーマは「海外からの引き揚げ」。敗戦によって外地での生活のよりどころを失い、身に危険が迫る過酷な状況の中をくぐり抜けて祖国に戻ってこられた約320万人に及ぶ方々の労苦について学びました。



引き揚げ船の中での様子

特に旧満州での引き揚げは、1945年8月9日のソ連軍侵攻により大混乱に陥り、過酷を極めるものでした。

反日感情を持つ現地農民の襲撃もある中、青壮年男子が徴兵されていたため、女性・老人・子どもだけでの引き揚げだったそうです。

想像するだけでも、恐ろしい状況です。

講師は「戦後すぐに平和が訪れたわけではない。戦争が起こると弱い者が犠牲になる。過去に起きたことを知る=未来の平和を考えることにつながる」とおっしゃっていました。



学習漫画「満州からの引揚げ 遥かなる紅い夕陽」

企画参加者には、同資料館より提供された学習漫画「満州からの引揚げ 遥かなる紅い夕陽」を配付。こちらは、同資料館の公式ホームページでも電子版がいつでも閲覧できますので、ぜひご覧ください。

平和祈念展示資料館ホームページ(外部サイトにリンクします)

<あらすじ>

亡くなった母親が遺した3冊の手記を手にした大助は、それらが、母親が満州へ渡り、やがて引き揚げてきてからの生活までを記したものであることを知る。満州からの引き揚げの苦しくつらい状況をつづった手記には、大助の父親や姉妹たちの悲しい思い出と、希望を失わず必死に生きてきた母親の姿があった。(総ページ数:72ページ)


皆さんは「へいわ」とはどのようなことだと思いますか? ぜひ考えてみてください。

<平和祈念展示資料館>

総務省委託機関。戦争が終わってからも労苦体験をされた、「兵士」「戦後強制抑留者」「海外からの引揚者」の3つのテーマを扱う。戦争体験の労苦に関するビデオ上映や、毎月第3日曜日「語り部お話し会」などを実施。
[交通案内]
●JR線・小田急線・京王線 新宿駅西口より徒歩約10分、新宿住友ビル33階



<参加者の感想>
  • 大勢の人を殺したら刑罰があるのに、なぜ戦争で人を殺しても刑罰を受けないのか納得がいかない。戦争はどんな人でも殺してしまうからかなしい。(小4)
  • 兵士対兵士の戦争の裏には引き揚げ者のような苦しい思いをした人がいることを知った(小6)
  • 低学年の子には、少し難しかったかもしれませんが、とても分かりやすい解説でした。
  • 資料館を訪れているような解説でした。資料をまとめていただきありがとうございました。
  • 小学生には、理解が難しい時間もあったかもしれませんが、クイズなど工夫されて、親子でZoomでの戦争と平和について考えることができた貴重な企画でした。


  • <参加者の方々の平和へのメッセージ>
    • 平和とは、自分の幸せだけでなく、誰に対しても暴力がないこと(大人)
    • 宇宙飛行士・毛利衛さんの言葉:「宇宙からは、国境線は見えなかった」―宇宙から見ると、とても小さな地球。そんな小さな世界で争う必要性があるのか? 人間社会だけでなく、地球が(環境・生物、などなど)平和であることを願うばかりです。
    • 戦争について「知る」こと、そして、「考える」ことが大切だと思います。「知」って、「考」えれば、戦争はなくなるのではないかと思います。
    • 人を傷つけない。お互いが寄り添って笑顔になれる。世界中が幸福を感じられる。そんな時代を迎えられることを諦めないことが大事だと思いました。