憲法は誰のもの?~知っておこう改憲となったら動き出す、国民投票の問題など~ 開催報告
太田伊早子弁護士から憲法について学びました
2018.12.30
カテゴリ 平和
太田 伊早子弁護士 |
学習会の様子 |
学習会では、憲法は何のためにあるのか、現日本国憲法と自民党「憲法改正草案」との違い、改憲時の国民投票法の問題点について分かりやすくお話しいただきました。
まずは憲法と法律の違いについて学習。法律は国家が国民に義務を課すものですが、憲法は国家を制限し国民の自由と権利を保障するもの。憲法第13条には「すべて国民は、個人として尊重される」とあり、個人の尊厳が憲法の一番の理念です。
太田さんは「どんな人であれ、生まれながらにして尊厳を持った特別な個人であり、尊厳を持って生きていくためには、さまざまな自由(権利)が保障され、全ての人が平等に扱われる必要があると記されている」と話しました。
また、現在の憲法と憲法改正案との違いについては、現日本国憲法は主語が「日本国民」であるのに対し、自民党「憲法改正草案」では主語は「日本国」と、主語が違う点に注目。自民党の憲法改正草案について、太田さんは「"国家あっての国民"という考えが染みわたっている」と語ります。
もしこの草案の通りに憲法が改正された場合には「国民は、国の役に立つかどうかが問われることになる」と指摘。
「憲法9条を改正することは、日本が戦争を放棄することをやめることであり、改正された憲法は、再度日本が戦争で大打撃を受けるなどしない限り再改正は難しい。そうならないためには、戦争が行われる前に平和の流れを作ることが大切」と強調しました。
太田さんは最後に「自分は護憲派だが、改憲派か護憲派かを問わず、憲法について自分の考えを持つことが大切」としました。今回の学習会を通じ、憲法についてみんなで考える大切な機会となりました。
参加者からは、「何も知らないまま子どもたちが大人になるときに困るような社会が作られているのは恐ろしいことなので、もっと関心を持っていこうと思った」「日本人が平和な日々をずっと送れるように考えたい」などの感想が寄せられました。