みんなの活動:これまでの活動報告

子どもの貧困問題の現状を学びました

身近な地域の問題に対して、私たちが地域の子どもたちのために何ができるのかを学びました

2017.06.13

会場いっぱいの参加者


講師の栗林知絵子さん


お話を聴き、行動したいと
強く思った参加者もいました

2017年5月31日、東都生協は組合員でNPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク理事長の栗林知絵子さんを講師にお迎えし、子どもの貧困問題の現状を学ぶ学習会を開催しました。組合員と役職員64人が参加しました。

今、世界的に見ても日本の子どもの貧困率は高く、6人に1人が貧困状態にあるといわれています。子どもの相対的貧困率*1は16.3%、一人親家庭の相対的貧困率は54.6%にも上り*2、満足に食事が取れない子どもや学ぶ機会が得られない子どもが増えています。

困難な状況に置かれる子どもたちを、地域とのつながりの中で支え、見守り、育てていくことをコンセプトに、子ども食堂やプレーパーク、無料学習支援などさまざまな取り組みを進める栗林さんから、身近な地域で起きている貧困問題の現状を分かりやすくお話いただきました。

孤立しがちな子どもや家庭が地域とつながる場として、地域の交流拠点や女性の活躍の場として「子ども食堂」が果たしている役割の重要性を学ぶとともに、私たちの身近な地域で起きている問題に対して、今、地域の子どもたちのために、私たちにできることについて、参加者全員で考える機会となりました。

東都生協では、福祉政策2025に基づき、子育て世代やこれからの未来を担う子どもたちの食生活を応援する活動に取り組むことを重点的な課題として掲げています。

子ども自身の力では貧困から抜け出すことはできません。また、「貧困の連鎖」により、子どもが成人期以降にも貧困に陥らないようにしていくことが、これからの明るい未来をつくっていく上でも必要です。

今回の学習会を通じて、地域で既に子ども食堂などに取り組む組合員やNPOなどの諸団体と連携しながら、貧困問題への取り組みを進めていくことの必要性に対する理解を深めることができました。

<参加した組合員の声>
  • 隠れた貧困にどう対応したらよいか手探りでしたが、まずは行動してみることだと感じました。子どもがホッとできる場があると、子どもの問題は減ると思います
  • 貧困という言葉に違和感を持っていましたが、経済的な面だけでなく、おとなの就労状況からくる子どもの置かれている環境のことも含まれていると理解できました
  • 見えない貧困に対してどうつながっていけば良いか分からなかったが、居場所づくりの中から信頼関係を構築していくことの大切さや、行政も含めて地道に周囲を取り込み、仲間を増やしていくことの大切さが分かった
  • 学習支援や子ども食堂など、自分のできることを実行していきたいと思いました
  • 考えているばかりではなく、すぐに実行することが大切ということを強く思いました


*1相対的貧困率:経済協力開発機構(OECD)の基準を用い、収入から税金などを差し引いた世帯の可処分所得を1人当たりに換算して低い順に並べたときに、全人口の中央値(額)の半分を下回っている人の割合のこと。相対的貧困率が高いほど、所得格差が広がっていることを意味する。
*2 厚生労働省「平成25年 国民生活基礎調査」に基づく⇉「平成25年 国民生活基礎調査」(外部サイトにリンクします)