みんなの活動:これまでの活動報告

休耕田を生協組合員が1年がかりで整備し、米作り!

田んぼの学校、7年目の報告 -(農)船橋農産物供給センター(千葉県印西市)-

2016.01.13

千葉県の印旛沼で有名な印西市に、「田んぼの学校」があります。この田んぼの学校は、8年前の次のような地元の生産者のつぶやきからはじまりました。

「消費者にはもっと米を食べてほしいなあ」
「もっともっと、米のことを知ってもらいたいなあ」
「うちの田んぼはもう何年も米作ってない。荒れてしまっている。本当は米、作りたいんだよ」
「その田んぼ、整備すれば米作れる?」
「もちろん、いい田んぼだったし、きれいにすれば、山の湧き水で 米作りができると思うよ。」
「荒れ田が 美田になって、米作って食べたらきっと、感動もんだよ」

1年目の2009年、山林に道をつくり、覆いかぶさる木を切り、井戸も掘り、20数年荒れ放題だった田んぼを整備して、“みんなの再生田1号”と名付けて米作りを開始。6年目の一昨年は、 “みんなの再生田3号”をなんとか米作りができる状態まで再生することができました。

1号田から3号田までと合わせて約36aの田んぼで、雑草に挑みつつ農薬を使わずに、安定した米作りを行っています。

2008年当時の荒れた休耕田

2008年当時の荒れた休耕田

20数年の間に生えた木を伐採し整備

20数年の間に生えた木を伐採し整備


2015年度は7年目。東都生協の組合員など、都会に住む消費者約80人が(農)船橋農産物供給センターの生産者、職員の指導を受けながら米作りに挑戦しました。2月~4月に田んぼの整備3回、5月田植え、6~9月草取り5回、9月稲刈り・はざ掛け、9月脱穀、10月の収穫祭と12回にわたり、農作業を体験しました。

2月、第1回目の作業は田んぼの整備。高低差20m以上ある里山の谷地にある田んぼに下るための階段を整備しました。

3月の田んぼ整備では、数人の男性は水はけ用の水路作り、電動草刈り機で草刈り。他の参加者は鎌で畔の草刈り。太陽が当たるように木の伐採などをしました。

4月には、田植え用の苗を育てるために種まきをしました。また、水はけ用の水路作り、鎌での草刈りを行いました。午後からは、前の月に伐採した木を野焼きできるように小さく切るなどの作業を行いました。

7年目は階段の補修から開始

7年目は階段の補修から開始

前年使用した端材の野焼き作業

前年使用した端材の野焼き作業


5月には、いよいよ田植え。1号田は乗用式田植え機で、2号田は手押し式田植え機で、3号田は子どもも含め、参加者の手植えによる田植えを行いました。

3号田は深くぬかるんだ「深田」で、すぐに土の中に足が沈み、参加者は進むのにも一苦労。2号田では、はじめ(農)船橋農産物供給センターの職員さんが手押し式田植え機で田植えを行い、途中より参加者の有志で田植え機を操作しながら、田植えが無事終了しました。

一列になって田植えを開始

一列になって田植えを開始

苗が倒れないよう丁寧に植えます

苗が倒れないよう丁寧に植えます


6月から8月にかけては草取り。除草剤を使わない田んぼは稲も育ちますが、それ以上に雑草も伸びます。

6月ごろはせいぜい10数cmだった雑草も、7月には、大人の胸ぐらいまで伸びているものもありました。普通では見られない、雑草の中に稲が生えているような田んぼを体験し、生産者の苦労や稲づくりの難しさを体感しました。

8月には「稲の花」を観察しました。よく見ないと、花だとは気付かないような形をしています。

夏は雑草との格闘の時期

夏は雑草との格闘の時期

稲の葉でけがしないように草取り

稲の葉でけがしないように草取り


人の丈ほどある雑草も

人の丈ほどある雑草も

おしべがわずかに見える稲の花

おしべがわずかに見える稲の花


9月は、稲刈りと、刈った稲を天日干しする「はざ掛け」作業、脱穀と、連続で田んぼに通いました。
稲刈りは、半分程度を鎌で手刈りし、残りは稲刈り機で一気に刈ります。刈った稲を束ねて稲わらで縛る作業では、慣れないと解けてしまい、はざ掛けの際にバラバラになってしまう難しさがあります。

稲刈りに収穫の喜びがじわり

稲刈りに収穫の喜びがじわり

今では珍しくなったはざ掛け風景

今では珍しくなったはざ掛け風景


稲刈り後、2週間かけて天日干しした稲を、脱穀機にかけ脱穀。最終的には、840kg(14俵)の収穫がありました。10月には、自分たちで田んぼを整備し、育て、収穫した米を食べ1年間のお互いの健闘をたたえ合いました。

2週間の天日干しの後、脱穀

2週間の天日干しの後、脱穀

子ども同士仲良く泥にまみれる

子ども同士仲良く泥にまみれる


来年に向け側溝を修復

来年に向け側溝を修復

自ら育て収穫した米の味は格別

自ら育て収穫した米の味は格別




参加者からは、次のような感想が寄せられました。

「子どもに田んぼがどのようなものか理解させることができました。お米を作る大変さ、作ったお米のおいしさを実感できました。」

「もみに包まれた種子の種まきから田植え、稲刈り、脱穀、収穫と、稲の成長を見守ることができ、収穫した時の満足感もひときわ大きくなりました。また春先にはカエルの卵を目にするなど、作業中にオタマジャクシ、カエル、ドジョウやトンボ、コオロギなど季節の生き物たちと触れ合えるのも魅力です。」

「田んぼの作業を一から体験することは、なかなかできません。木々の緑の中での作業、重労働の日もありますが、それがあってこその収穫を実感できる、充実した農業体験でした。」

「作業はどれも大変ですが、やりがいがあります。子どもにとって自然との触れ合える大きなチャンスだと思いました。」