みんなの活動:これまでの活動報告

「農ツアー in 井荻」を開催

杉並区内を巡り地域の食と農に触れる

2026.01.08

大根の収穫体験(本橋農園)

2025年12月20日、東都生協はJA東京中央との連携企画「農ツアー in 井荻」を開催しました。年末の寒波に加え、小雨交じりの空模様となりましたが、杉並区内の花・野菜農家を歩いて巡るこの企画には、東都生協の組合員4人とJA東京中央からの合計25人が参加しました。


◇花卉(かき)生産者「野田園芸」を訪問

集合場所の荻窪駅北口から出発点の井草八幡宮までバスで移動し、農ツアーがスタート。

最初に訪れたのは杉並区今川で花・草木の栽培を行う「野田園芸」。国内でのクリスマスローズ生産の先駆者である野田一郎さんから、栽培の苦労や魅力について話を伺いました。

東京農業大学で学び、ニュージーランドでの農業研修などを経て就農した後、父親と二人三脚でクリスマスローズの栽培や品種改良、認知度の向上に取り組んできたそうです。

「昨今は気候の問題が大きく、温暖化に対応した育て方が求められる」として「標高が高く夏でも涼しい高冷地にクリスマスローズの株を一時的に移動させ、寒さに当てることで開花を早め、年明けに満開を迎えることができる」と栽培の工夫を紹介。「育てた苗木がまちを彩り、花と緑を増やすことに貢献できてうれしい」と話していました。


開花を待つクリスマスローズ


シクラメンなど花卉類を幅広く栽培


生産者の野田一郎さん

◇善福寺公園・上池で内田秀五郎像を見学

途中、井草八幡宮(杉並区善福寺)を見学した後に訪れたのは「内田秀五郎」像。杉並発展の基礎を築いた郷土の偉人とされ、都立善福寺公園の上池の一角にその像が立っています。

JA東京中央・組織広報室室長 上野善範さんは「明治以降、現在の荻窪地域(旧井荻村)は、武蔵野の農村から中央線沿線を代表する住宅地へと大きく発展してきた」と説明。その背景として「時代のニーズをいち早く的確に読み取り、土地区画整理による道路造りや電気・水道などの住環境整備、さらに駅誘致、学校誘致、公園造成などのまちづくりを次々と進めた内田秀五郎氏の偉業がある」としました。


善福寺公園・上池入り口でJA東京中央・上野さんから説明


善福寺池・上池のほとりにたたずむ内田秀五郎像

◇少量多品目栽培に取り組む本橋農園を訪問

善福寺公園の紅葉を楽しみながら下池を縦断し、最後に訪れたのは杉並区善福寺で100年以上続く「本橋農園」。

生産者の本橋成一さん・隆生さんに農園内を案内していただきました。畑には大根や葉物が植えられ、みかんやブルーベリーなどの果実を含め、年間約40~50品目の農産物を生産。栽培の特徴や苦労についてお話しいただきました。

野菜は農薬を使用せずに栽培し、JA東京中央「いおぎマルシェ」(井荻支店)や直売所で販売されています。

地元のJA東京中央青壮年部に所属する隆生さんからは、尊敬する父親から「『実家に戻ってきてほしい』と言われたことをきっかけに就農を決意した」というエピソードも伺いました。

また、野菜栽培での工夫や、近年の夏場の気温上昇による栽培への影響についても詳しく学ぶことができました。

ツアーの締めくくりは、大根の収穫体験。農園内に植わるクロガネモチの実も提供され、年末年始の飾り用に持ち帰る参加者も見られました。


次世代生産者・本橋隆生さん


ピンク色のかぶ「もものすけ」


本橋成一さんが説明

参加者の感想(一部)
・杉並区内に大きな農家があることを知ることができてよかった。暑い時季よりは今頃の方が良いと思います。区の歴史など、興味深いお話を伺うことができてよかった。今後も区内の農業を盛り上げ、多くの人に知ってもらえる活動をお願いします。

・都内で短時間、気軽に参加できるのが良かった。井草八幡宮や善福寺公園にも寄ることができ、知り得たことが多かった。直売で、もう少しいろいろと購入できれば、なおうれしかった。

・日々様変わりしていく東京で農を維持していくには、新たな課題もあると思われます。東京で生産される農産物には特別な価値があります。東京でも地産地消できるということが次世代に伝わり、農に目を向ける人々が増えることを願ってやみません。



2025年度2回目となる農ツアー。地域を巡りながら地域の食と農に触れる機会となりました。

この企画は、2022年に東都生協とJA東京中央が連携協定を結んだことで実現しました。今後も都市農業に触れ、食と農を学ぶ機会として、さまざまな取り組みを続けていきます。

本橋農園にて参加者と本橋さん親子(杉並区善福寺)