2009年12月15日、東都生協、JA新みやぎの田尻支店(宮城県)、大崎市田尻総合支所(同)などからなる「田んぼの生きもの調査プロジェクト」は、「たじり田んぼの生きもの宣言」を発表しました。
同日開催した式典には関係団体約50人が参加。6月から4回にわたって実施した田んぼの生きもの調査と何回もの協議を経て発表に至ったもので、田んぼの生きものと共生した農業を進める旨をうたった宣言としては日本初となります。
同宣言では、「安全・安心な田んぼ作り」を目指すだけではなく、土づくりや複合生態系としての「里地・里山」の多様性の維持や、地域の文化への貢献、産直活動の推進など、10項目の宣言が盛り込まれています。
■田んぼの生き物調査が形に
東都生協とJA新みやぎ(田尻産直米委員会)とは旧田尻町農協から10年以上の提携関係にあり、東都生協が供給するひとめぼれの約4割を同農協が生産しています。2005年より「生きもの観察」の活動を開始。2008年度からは本格的に組合員が関わって田んぼの生きもの調査を行っています。
今回の宣言は、この間生産者自身が取り組んできた生きもの調査や、農法への応用など地道な活動を消費者に広めるねらいもあり、生産者も大変期待しています。
■生産現場を想像できる消費者づくりへ■
東都生協ではJA新みやぎで生産された産直米の包材に、「田んぼの生きもの宣言」マークを付けたり、商品案内を通してこの取り組みを広く組合員に伝えていく予定です。田尻の産直米が単に"宮城のひとめぼれ"ということではなく、たくさんの生きものを育む田んぼで、生きものに温かいまなざしを向ける生産者が作った米であることを多くの人たちに知ってもらい、この産直米を食べることが、田んぼや周囲の環境、たくさんの生きものたちを守ることにつながることを実感してほしいと考えています。
東都生協が進める
「食の未来づくり運動」の行動提起の1つ「ライフスタイル提案」では、「食べ物から生産現場を想像できる消費者づくり」に取り組んでおり、今回の宣言でもこのことを目指しています。生産者が生き物との共生を目指し努力していても、それを理解し、生産された農作物を買い支える消費者がいなくては、その取り組みは継続しないからです。
田んぼの生きもの宣言マーク
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このマークは、生物多様性によって人と田んぼが支えられていることを表わしています。背景の色は、水の青、植物の緑、大地の茶を表しています。私たちが目指すべき「なつかしい未来」を象徴しています。 |