(農)船橋農産物供給センターの「再生田」で草取り作業
みんなの再生田を守るため、生産者と東都生協職員有志が集結!
産地の藤原さんから作業説明 |
整列して全ての株間を除草 |
株間除草機の先端はこんな感じです |
水不足のため清冽な地下水を給水 |
山水を引く用水路に設けた取水堰を補修 |
アマガエルも随所に見られました |
再生田は全て湧き水を利用(すぐ下の |
2021年6月19日、産直産地・(農)船橋農産物供給センターとの「田んぼの学校」の舞台、千葉県印西市の「みんなの再生田」で、東都生協の職員有志8人が産地の方々と夏場の草取り作業を行いました。
「田んぼの学校」は休耕田を再生して米作りを通年で体験する、東都生協組合員を対象とした農業体験企画。13年目となる今年も昨年同様に、新型コロナウイルス感染拡大を受けた緊急事態宣言を受け、感染症対策として組合員が参加しての活動を見合わせています。
コロナ禍にあっても、再生田の維持・管理は欠かせません。日頃の管理は(農)船橋農産物供給センターの皆さまにお願いしていますが、このほど東都生協職員有志8人と産地の方々で草取り作業を行いました。
作業場所は、田んぼの学校で再生した「1号田」「2号田」の田んぼ2枚。化学合成農薬や化学肥料は一切使用せず、生物多様性と自然環境に配慮した米作りを続けています。コシヒカリの田植えは5月中旬、(農)船橋農産物供給センターの皆さまにて実施していただきました。
稲は膝上ほどの高さにまで生長して分げつ(枝分かれ)し、この時期としては順調に生育していました。
併せて田んぼ全面にコナギ、イボクサ、オモダカなどの雑草の発生も確認。一行は昔ながらの手動式「株間除草機」を使い方を教わり、伸びた雑草を掘り起こし、肥料として田んぼに埋め戻していきます。
終日雨天で、水田の泥に足を取られながらの作業となりましたが、産地の方々の指導の下、これまでに再生した「1号田」「2号田」計27アール(2,700平方メートル)ほどの除草作業が滞りなく進みました。
山からの清水を再生田に供給する取水堰の補修も実施。田んぼは周囲の小高い山からの湧水などを利用した谷地田(やちだ)。高さの異なる「1号田」「2号田」に、水田の高さに合わせて用水路に土のうで堰を造り、パイプで導水しています。
しかし、この堰周辺に直径10センチメートルほどの穴が開いて漏水し、田んぼに山水が引けず、地下水をポンプで揚水している状況でした。アメリカザリガニなどの掘削による影響が考えられます。
堰の漏水を止めるため、一度土のうを全て取り除き、穴を壊してビニールでふさぎ、その上に新しい土のうを加えて積み直しました。
午後3時までにはこうした一連の作業が無事終了。作業する傍らで、アマガエルやニホンカナヘビ、クロゲンゴロウなど、さまざまな生き物の生息も確認できました。
米価の低迷や生産者の高齢化・後継者不足により、休耕田は毎年増え続けています。田んぼは、安全・安心な米の安定供給にとどまらず、多様な生き物を育む自然環境の保全、国土の保全、水源の涵養など多面的な機能を有しています。
こうした稲作の現状や大切さを知り、持続可能な米作りをみんなで守っていく取り組みが「田んぼの学校」。再び組合員が参加できる日が来るまで、生産者と共に、みんなで再生した田んぼを大切に管理していきます。