みんなの活動:これまでの活動報告

日本の農業の現状と東都生協の産直を考える学習会を開催しました

食と農を取り巻く情勢を知り、今後の産直について考えました

2018.02.20


左から講師の松本職員、吉田さん

東都生協は2018年1月30日、さんぼんすぎセンター地下ホールで、東都生協の産直事業を取り巻く大きな環境の変化や日本の農業の現状などについて理解を深める学習会を開催しました。東都生協の組合員・役職員31人が参加しました。

農事組合法人 さんぶ野菜ネットワーク 生産販売部・部長の吉田友和さんと、東都生協・農産グループの松本正樹職員を講師に、日本の農業の現状や東都生協の産直事業を取り巻く大きな環境の変化について理解を深めました。

千葉県にある(農)さんぶ野菜ネットワークでは、半径5km以内で耕作する組合員が輪作体系を基本とした土づくりを行っています。輪作体系や資材・肥料の組み合わせ試行錯誤を繰り返し、ノウハウを蓄積してきました。

吉田氏は「青果を扱う東京の大田市場まで1時間という好立地で、東京近郊でもあるため、求職も容易で、転職して離農していく生産者も多い」と生産現場を巡る情勢を説明します。

同産地の出荷戸数は52戸(うち、他業種からの就農が29戸)。登録農地は約85ヘクタールで有機農産物を生産し、栽培品目は60品目。2001年にJAS有機の団体認証を32戸の農家(認定農地50ヘクタール)で取得しています。

吉田氏は、アメリカ離脱後のTPP11の動きや田畑の耕地面積の減少、生産者の高齢化、産地から消費地への物流確保、最近では長距離輸送のコスト高など、日本の農業を取り巻く環境変化について触れながら、現在の課題として、労働力・コミュニケーション不足、JAS有機認定の維持費用、配合肥料の証明書の取得・管理などを挙げました。

吉田氏は併せて、組織管理体制の見直しやコミュニティの活性化、作付面積拡大・品質向上に取り組んでいくと、同産地の今後の計画を示しました。

また、松本職員からは、これまでの東都生協の産直の取り組みを報告。東都生協の産直の課題として、
①環境変化によるデメリットの解決
②交流運動から交流事業への質的転換
③産地直結への理解と共感を実現する仕組み
④産直事業におけるメリットの想像
――を挙げました。

今後の産直事業におけるメリット創造についても触れ、
①産地生産者と組合員がともにメリットを実感できるようにし、共通した目的に向かって「協同」ができること
②後継者対策として新世代チャレンジプロジェクトの取り組みをさらに広げ、次のステップへつなげる
③産地・組合員・生協従業員の三者で共通目標の達成に向けた協力の枠組みと具体的活動をつくりあげていく
――と報告しました。

参加者は(農)さんぶ野菜ネットワークのにんじん「浜紅」を試食しながら交流し、東都生協のこだわり・魅力や商品の良さを実感しました。

    <参加した組合員の声より>
  • さんぶ野菜ネットワークがどのように取り組んでいるか、日本の農業のことが良く分かった。就農者の高齢化を心配していたが新規就農者もある程度いるということで何とか持ちこたえているのかと思った。
  • 有機農産物を作り続けることの大変さがよく分かった。
  • 若い人がもっともっと農業に携われるように組合員も応援していかなくてはと思った。
  • 日本農業の持続的発展のために乗り越えるべき課題はたくさんあるが、産直の東都生協として、今後も組合員の信頼を得て、産地との相互理解を深めながら取り組んでもらいたい。