種子法の学習会~種子法廃止で日本の食はどう変わる?~開催報告
種子法廃止で日本の食と農が世界のグロ-バル企業に支配される可能性も
2017.10.04
カテゴリ 食と農
講師の印鑰 智哉さん |
参加者からは活発な質問が |
私たち日本人の食を支えてきた米、麦、大豆。これら「主要農作物」を安定供給するために、優良な種子の生産・普及を担ってきた種子法(主要農作物種子法)が、農業改革関連8法案の一つとして今年4月の通常国会で廃止されました。
このため今後、米などの種子の価格が高騰し、また各地で栽培されている特産農作物の種子の維持が難しくなる恐れがあります。さらに日本の種子が世界のグローバル企業に支配される可能性も指摘されています。
はじめに印鑰さんは、種子の問題は、世界の動きを理解しておく必要がある」として、多国籍の化学企業、とりわけ遺伝子組換え企業によって世界の種子市場が独占されていること、それがどうして生まれたのか、日本の場合はどうなるかなどを詳しく説明。「独占の手段として化学肥料や農薬と種子がセットになっていることが大きな問題」と指摘しました
とりわけ今後予想されるのが「大手の化学企業が種子の開発・供給から栽培、流通までを仕切る"食の再編"が行われること」。
消費者や生産者が自分たちの食を主体的に選べないシステムになっていく影響はきわめて大きく、「ここで消費者や生産者が声を上げて、自らの食のシステムを守れるようにしていく必要がある」と強調しました。
印鑰さんは、そのためにも生産者・消費者が協同して、今、起きている食の危機と、それが人びとの健康や生態系にも大きな影響を及ぼすことを多くの人に伝えていくことの重要性を示し「まずは知ることが第一歩。種子の重要さ、食が果たす役割の大切さ、そして地域で作ることの重要さを共有し、それを実現させるための政策を求めることが重要」との考えを示しました。