日本の近現代史についての学習会を開催
組合員活動情報紙 『ワォ』 2005年4月号より
2005.02.12
カテゴリ 平和
東都生協は2005年2月5日・12日の両日、明治大学文学部・山田朗教授を講師に招き、近現代史についての学習会を開催しました。
どちらの学習会とも参加者は、メモを取りながら熱心に聞き入りました。以下、学習会の概要をご紹介します。
第1回―膨張主義の系譜と植民地支配の特徴―
日本は、明治維新直後からロシアの南下を非常に恐れ、対外膨張を志向する。これは、「主権線」(国境線)を守るためにその外側に「利益線」を確保するという当時の考え方。
日本の植民地支配の特徴として、
- 皇民化教育の徹底
- 労働力の確保(強制連行、強制労働)
- 軍事力の補充(植民地にも徴兵制を導入)
- 物的資源の収奪(食糧、資源)
第2回―現代に残された課題―
サンフランシスコ対日講和条約(1951.9.8調印)によって戦後処理が行われた。
この講和会議はアメリカ主導で行われ、ソ連は署名を拒否、中国・台湾・韓国・北朝鮮は戦勝国ではないという理由で除外。日本のアジアに対する占領・支配の処理としては、きわめて不十分なものであった。
- 戦争賠償は総額で1兆円と少ない(ドイツの8兆円、日本国内への旧軍人への補償40兆円とは対照的)
- 直接の戦争被害者にわたるような処理がなされていない
- ODAの形でアジア諸国に供与されたものは、東南アジアへ進出した日本企業を経て日本に還流する構造となっていた。
このため、1990年代以降、50件以上の戦後補償を求める裁判が提訴されている。例えば、
- 強制連行・強制労働問題(虐待・賃金未払いなど)
- 従軍慰安婦問題
- 軍隊への食糧・物資・施設提供による問題(住民が餓死・病死)
- 日本軍の軍票(代用貨幣)が未処理
- 強奪された私有財産(文化財)問題