東日本大震災被災地で視察・交流(宮城県)
被災地の今を知り、これからを考えました
2016.12.21
カテゴリ 食と農
みらいサポート石巻で交流 |
石巻市役所 牡鹿総合支所 |
タブレットをかざすと被災当時の |
㈱マルダイ長沼の東都とろろめかぶ |
宮城県漁協・表浜支所長より |
東都生協が寄贈した大漁旗 |
千倉水産加工販売㈱女川工場を視察。 |
シーパルピアでの語り部さんの |
参加者は公募した組合員21人。
「震災より5年経った現状を知りたい」「復興がどうなっているのか確かめたい」「以前行ったことがあるので、その後が知りたい」などの思いを胸に、交流・視察が始まりました。
最初に訪れたのは「公益社団法人 みらいサポート石巻」。こちらでは「つなぐ 未来の石巻へ」を使命として、震災の体験や災害対応記録を伝え、防災意識向上のためのプログラムを提供するほか、健全な地域づくりを促進する活動に取り組んでいます。
同団体の運営する震災伝承スペース「つなぐ館」では、市街地模型や震災前と後の住宅写真を基に当時の状況を見聞きしました。
語り部の方からは、押し寄せる津波から母親と共にどうやって逃げたか、その2日後、お母様が低体温症でお亡くなりになった辛い体験も伺いました。
その後、ガイドさんと共にバスで市内を移動し、当時の様子や復興の状況説明を受けました。
次に石巻市役所・牡鹿総合支所を訪れました。この一帯も震災時に被害を受けました。同団体では震災の痕跡が見えづらくなっていく中、タブレット端末と専用のアプリを使って震災前や震災直後の様子を体感し学ぶためのプログラムを用意。高台にある駐車場からは周辺が一望でき、現在の街の様子と震災前や震災直後の様子を現実と重ねて体感することができました。
続いて、「東都とろろめかぶ」の製造メーカー㈱マルダイ長沼を訪問。当時の状況と工場再建・生産再開に際してのご苦労などを伺いました。津波で全ての機械やラインが流され、再建に当たり全ての設備を更新。工場も視察させていただき、参加者からは「最後に東都生協のラベルを目にした時には感動した」との感想も聞かれました。
次に、三陸牡鹿表浜魚つきの森植樹協議会(*1)で協定を結ぶ宮城県漁業協同組合・表浜支所を訪問し、現地の浜で支所長より当時の状況や今後について説明を受けました。震災後に東都生協で継続的に実施した炊き出し支援への感謝の言葉などもいただきました。同支所では東都生協が寄贈した「大漁旗」を掲出。「大切に飾られていたのを見て胸が一杯になった」との声も。
1日目の最後には夕食交流会が開かれ、表浜支所の職員、女性部の漁協組合員、㈱マルダイ長沼の担当者の方など、産地の皆さんと交流しました。当時の状況や現状、今後について交流しながら、3~4月はわかめの収穫期で、子どもからお年寄りまで総出で作業することなどお聞きし「ボランティアでも支援したい」との声も出ていました。
2日目は、千倉水産加工販売㈱を訪れ、当時の状況をお聴きするとともに、ちょうど東都生協へ出荷する「(鮮)さんま」の選別加工パック作業の様子を視察することができました。
最後に女川駅前の商業施設「シーパルピア女川」(*2)では、映像と語り部の方からの説明を受け、その後徒歩で、駅周辺の当時の状況と現状について説明を受けました。
参加した組合員からは、
「今回被災地の応援に行ったはずが、逆に明るく頑張る皆さんに元気をいただいた」
「災害対策は立派な建物を作ることではなく、結局は人と人のつながりと言われ納得した」
「5年たっても復興どころか復旧すらできていない。それでも頑張る人々の姿が心に残る」
「"東都生協が力となった"と感謝され、誇らしく思った」
「一つでも多く利用することが復興支援と知りました」
「"喉元過ぎれば"にしてはいけないとあらためて思った」
などの感想が出されていました。