みんなの活動:これまでの活動報告

第10回「東都生協平和のつどい」を開催

みんなで平和について学び、考えました

2013.09.16

2万羽の折り鶴をもとに制作されたタペストリー

2万羽の折り鶴をもとに制作された
タペストリー

折り鶴を色分けして配列しました

折り鶴を色分けして配列しました

東友会・木場耕平さんによる被爆証言

東友会・木場耕平さんによる被爆証言

東友会の皆さんに膝掛けを贈呈

東友会の皆さんに膝掛けを贈呈

贈呈したモチーフ編みの膝掛け

贈呈したモチーフ編みの膝掛け

会場も一緒に手話ダンスを体験

会場も一緒に手話ダンスを体験

展示に見入る参加者

展示に見入る参加者

「平和のメッセージカード」に記入

「平和のメッセージカード」に記入

今回の会場、府中グリーンプラザ

今回の会場、府中グリーンプラザ

次世代に歴史の事実と平和の大切さを伝えていくため、平和について学び、交流する機会として毎年夏に開催している東都生協平和のつどい。10回目を迎える今年は2013年8月17日、府中グリーンプラザ・けやきホールで開催しました。

被爆者の証言、組合員から寄せられた折り鶴で作った「2万羽の折り鶴タペストリー」、国連に提出する組合員からの「平和のメッセージカード」などの展示のほか、俳優で弁護士の本村健太郎さんの朗読劇&トーク、エンターテイメントグループHANDSIGN(ハンドサイン)による手話&目で楽しめるパフォーマンスを上演。約150人が参加しました。

庭野吉也専務理事が冒頭あいさつで「つどいをきっかけに、平和について皆で日常的に考えていきたい」と呼び掛けた後、東都生協がこの間取り組んできた平和活動の様子を紹介。

8月に実施した日本生協連と広島県生協連・長崎県生協連が主催する「ピースアクションinヒロシマ・ナガサキ」への東都生協平和代表団の広島・長崎訪問の様子や、沖縄戦跡・基地巡り、長野県の松代大本営地下壕見学会など、組合員から寄せられた平和募金も活用した、子どもたちに平和な世界を引き継いでいくためのさまざまな活動が映像で紹介されました。

このあと、一般社団法人 東友会の木場(こば)耕平さんに、長崎での被爆体験をお話しいただきました。当時12歳の木場さんは、長崎郊外の山中で塹壕を掘る作業中に被爆。激しい閃光と大きな地響きに続き、長崎方面に大きな雲が上がるのを目撃しました。「しばらくすると昼なのに空が真っ暗になり、灰が降ってきた」と話します。

下山すると、長崎県庁はじめ一面が火の海に。負傷者を運ぶ"救援列車"の汽笛が絶えず、ぼろ切れをまとったような大勢の人が、足を引きずって歩く姿に恐怖を覚えたそうです。爆心地にあった自宅は、井戸を残してがれきの山に。木場さんはこの原爆で母と妹を失いました。

「今は平和が当たり前でも、"行ってきます"と家を出てからは、無事で帰れるかも分からない世の中だった」と当時を振り返ります。福島第一原発事故による放射能汚染という目に見えない恐怖にも触れ、非核三原則(核兵器をつくらず、持たず、持ち込ませず)を堅持し、核兵器廃絶を訴えていくことの重要性を強調しました。

被爆証言に続き、東都生協組合員から東友会の皆さまに膝掛けを贈呈。膝掛けは、組合員が毛糸で編んだモチーフを、とーと会「ピースニットカフェ」の4人がつなぎ合わせて作りました。膝掛けを受け取った東友会・山本英典副会長からは「毎年、心のこもった編み物を、会員の皆さまにお渡しして喜ばれている。これ以上の被爆者を生まないように、核廃絶に向けた運動を続けているが、東都生協が同じ思いでつどいを開催していることを有り難く思う」との言葉をいただきました。

続いて、HANDSIGN(ハンドサイン)による「手話&目で楽しめるパフォーマンス」を上演。同グループのオリジナル楽曲・デフリンピック(聴覚障害者のオリンピック)応援ソング「DREAM STAGE」をはじめ、手話とストリートダンスを融合させたパフォーマンスを披露しました。HANDSIGNメンバーが手話ダンスについてレクチャーする場面では、会場の参加者も立ち上がって手話ダンスを体験しました。

休憩をはさみ、俳優で弁護士の本村健太郎さんの手話通訳で伝える朗読劇&トーク。俳優の右手愛美(うて まなみ)さんも出演し、大川悦生作「おかあさんの木」「火のなかの声」を朗読しました。

「おかあさんの木」は、母親が戦争に出征した息子たちのために植えた7本の桐の木のお話。「火のなかの声」は東京大空襲を題材にした物語。いずれも戦争の悲惨さを訴え、平和への願いを込めた作品です。心に響くお二人の語り口に、会場はしんと聞き入りました。

会場ロビーでは、折り鶴のタペストリーを展示。組合員一人一人から寄せられた折鶴を、100羽を1本として組み合わせ、2万羽の巨大なタペストリーに仕上げました。デザインは、東都生協設立40周年、三本杉マーク、手話でラブ&ピースを表現する手の形、平和を象徴する「虹」をあしらったもの。戦争体験を風化させることなく語り伝え、平和の尊さをみんなで考えるきっかけになれば、との願いが込められています。

このほか「第五福竜丸」や「原爆と人間」に関するパネルも展示。

参加者からは、「とっても心にひびく内容だった」「被爆者の方の生の声を聞くことができ、とても良い経験となった」「子どもたちに平和の大切さについて伝えていきたい」などの声が聞かれました。
参加者それぞれが平和の尊さ、命の大切さについて考えることができた一日となりました。