公開監査

公開監査が開催されるまで <どさんこ農産センターの場合>

 東都生協の取引産地では、農薬の使用や出荷物の品質基準など、生協との約束事を守り生協組合員に安全で安心できる農産物を届けるため、さまざまな取り組みをしております。東都生協ではその取り組みを評価し、さらなるレベルアップにつなげていく活動のひとつとして、公開の場で監査をするという公開監査を開催しています。生協組合員はその公開監査に参加することにより、産地のがんばりを評価し、産直農産物の確かさに確信を持ちます。それはさらなる利用普及となり、ひいては日本の農業を守る運動へもつながっているのです。
 公開監査が開催されるまでには、次の4つのステップがあります。

どさんこ農産センター 夏のかぼちゃ畑

ステップ1:数カ月前に専門家による事前監査

 産地は公開監査を開催する前に、まず専門家による事前監査を受けます。産地にはたいてい生産者の栽培を管理したり、一定の品質のものを出荷したりするための仕組みがあります。例えば、約束どおりの栽培をしていることを確認するために生産者が使用農薬や肥料を栽培報告書に記入したり、一定の品質のものが出荷されていることを確認するために検品をしたり、といったようなことです。しかし、人間が行う作業である以上、すべて完璧というわけにはなかなかいかないのが現状です。そこで専門家にみていただき、その仕組みをより間違いのないものにするために改善指導を受けるのです。

専門家による栽培の確認

ステップ2:産地の準備

 産地では、専門家からの改善指導を受けて具体的に産地としての仕組みの見直しを行うことになります。生産者を多く抱えている産地にとっては仕組みを一つ変えるのも大変です。全員がその意味を理解し、間違いなく実行してもらう必要があるからです。また、場合によっては産地組織全体で論議し、確認する必要もでてきます。約束事を守るための仕組みといっても答えがあるわけではありません。産地によって条件が違うので、他の産地でうまくいったからといって自分のところでもうまくいくとは限らないのです。そこで自らの産地にあった方法を見つけ出す必要があり、試行錯誤の後に産地独自の仕組みが出来上がります。

産地には組織や栽培を管理するための文書がたくさん

ステップ3:公開監査前に、監査人による事前監査

 ある程度の仕組みが整ったところで、いよいよ公開監査です。公開監査では、専門家だけでなく、他の産地の生産者や東都生協組合員および職員が監査人となるわけですが、産地の取り組みを把握するために公開監査開催前に事前監査を行います。産地の資料(組織のきまりごとや記録など)を閲覧したり、産地における農産物の保管や出荷管理の状況を視察したり、さらには生産者のお宅にうかがって農薬の保管管理状況も点検します。不明な点は産地に質疑を行い、確認していきます。

事前監査では生産者の農薬の保管状況も確認

ステップ4:公開監査は監査項目にそってわかりやすく

 公開監査では監査する項目が決まっています。産地における生産を管理する仕組みや一定以上の品質の青果物を出荷する仕組みがきちんと機能しているか、エコプランアクションプログラムの進捗状況はどうか、といったようなことです。当日はこれらの項目一つひとつについて、監査人が質疑をしながら確認していきます。会場では、監査を受ける産地の生産者や取引先、他の産地の生産者、生協の組合員などが参加者として公開監査を見守っています。監査人はこれらの参加者にも産地の取り組みが理解できるように、わかりやすい進行をします。他の産地にとっては、自らの産地の仕組みを見直す上でもいい機会になっているのです。

※エコプランアクションプログラム…東都生協が取り組んでいる「くらしと農業と環境との共生」を推進していく運動「土づくり宣言21エコプラン」に賛同して、各産地が宣言した行動計画です。

会場の前で監査人と産地がやり取りし、 産地の取り組みが明らかに