東都生協の残留放射能自主検査

~知ること、持ち込まないこと、取り除くこと~

福島第一原子力発電所事故によって生じた広範かつ深刻な放射能汚染は、私たちの食とくらしを脅かし、産地・メーカーの生産活動にも深刻な影響を与えています。
東都生協(コープ)では事故発生直後の3月15日から、関東・東北の農畜水産物をはじめ、政府が暫定規制値を上回った品目を重点的に自主検査を行い、その結果を全て公開。安全・安心を求める組合員の声に応えてきました。
自主検査では、検出限界値を1ベクレル/kg程度まで下げ、ゲルマニウム半導体検出器で正確かつ高精度の測定を実施しています。併せて、短時間で正確な検査ができるNaI検出器とのクロスチェックを実施。対象品目・検体数を拡大し、自主検査を強化しています。

ゲルマニウム半導体検出器

検査の流れ

ゲルマニウム半導体検出器は、核実験や原発事故などで大量に放出される放射性物質のうち、放射性ヨウ素131、同セシウム134、同137などのガンマ線を検出します。迅速性よりも正確性が求められる第2段階のモニタリングにも使われる高性能機器です。東都生協では原則として1検体約70分間、検出限界値は1ベクレル/kg程度と、より正確で高精度の測定が可能です。

東都生協では、クロスチェックを実施。だから安心!

NaI検出器で100ベクレル/㎏を超えた場合は、ゲルマニウム半導体検出器で再検査する「クロスチェック」を行います。残留放射能検査のほかにも、微生物検査、残留放射能検査などさまざまな検査・調査を行い、組合員の食の安全・安心を守っています。

検査機器による検出限界値と検体数

検査機器 主な検査品目 検出限界値 検体数
ゲルマニウム半導体検出器 青果物、畜産品、水産品 1Bq/kg 週40検体
NaI(エヌエーアイ)検出器 加工食品 10bq/kg 週40検体
  • ゲルマニウム半導体検出器:セイコーEG&G社製「ゲルマニウム半導体核種分析装置」
    …ヨウ素131、セシウム134・137、カリウム40などガンマ線を出す多種類の放射性物質を、同時に微量まで測定することが可能
  • NaI(ヨウ化カリウム)検出器:ハイデックス社製「トライアスラーベクレルファインダー」
    …ヨウ素131、セシウム134・137の3種の放射性物質を測定

検出限界値

 検出限界値とは、「その機器で測定できるもっとも小さな値」です。検出限界値が「20ベクレル/kg」なら、18ベクレルや10ベクレルであっても「検出せず」となります。よく東都生協の食品と他で購入した物と比べ、「産地が同じなのに東都生協では検出されるのはなぜ?」という問い合わせがあります。それは東都生協の自主検査では検出限界値が「1ベクレル/kg」と、とても厳しく設定しているからです。しかし、詳細な測定は時間を要し、1検体当たり約70分で測定しています。

放射線物質を食べた場合(内部被ばく)の人体への影響を計算してみよう!

※一般に、ベクレルをシーベルトに換算して計算。ベクレル(Bq)は放射能の強さ(放射性物質の量)を、シーベルト(Sv)は放射線に被ばくした際の人体への影響度合いを示す単位です。
※計算には、放射性物質の線量換算係数を使います。

単位の早見表

放射性セシウム137が19.5Bq/kg検出されたレタスを 1kg食べた場合の人体への影響は、 19.5Bq × 0.000013(係数)=0.00025mSvとなり、 1回の食事で50g(0.05kg)食べた場合、 0.00025mSv × 0.05kg=0.0000125mSvとなります。

[ ICRP(国際放射線防護委員会)は、平常時の一般人の放射線量を年間1mSvに設定するように勧告しています。]

正式名称をNaI(ヨウ化ナトリウム)ガンマ線スペクトロメーター。放射性ヨウ素131、同セシウム134、137などのガンマ線の検出が短時間で正確にできます。

東都生協では新たに商品検査室「新座分室」(埼玉県新座市セットセンター内)を開設します。NaI検出器を設置し、取引産地の農業資材「肥料・飼料」の受託検査も開始する予定です。

ミニミニコラム
 放射能とは放射線を出す「力」のこと。放射性物質は「ウラン」「ヨウ素」「セシウム」など不安定状態の物質で、安定物質に変化する際に出すエネルギーが放射線です。ちなみに放射能、放射線は「感染」することはありません(文部科学省ホームページより)。
自主検査項目
微生物検査 (一般生菌数、大腸菌郡、黄色ブドウ球菌,サルモネラ、カビなど)食中毒や腐敗などの事故未然防止、および衛生レベル維持のための検査
残留農薬検査 食品中に規準を超えて農薬が残留していないかを確認
残留放射能検査 放射性物質による食品などの汚染状況確認
酸価・過酸化物価 酸化油脂による中毒の未然防止、原料管理確認
その他の検査 ヒスタミン検査、亜硝酸などの添加物、栄養成分、pH、糖度、水分活性、硝酸塩
2011年4月~10月までに実施した主な商品検査
自主検査「微生物検査」 微生物検査 検体数 3,872
自主検査「理化学検査」 残留放射能検査 781
残留農薬検査 309
ヒスタミン検査 50
外部委託検査 米のカドミウム検査 31
米の品種/鮮度検査 22

検査室の歴史

東都生協が検査室を開設して約25年、チェルノブイリ原子力発電所事故がきっかけでした。その実績から、福島原発事故後の検査においても、いち早く対応し、確実かつ的確に行うことができました。その姿勢は、マスコミにも報道されたほどです。
また、今回は放射能関連の検査についての内容を掲載していますが、そのほかにも「微生物検査」「残留農薬検査」「酸価・過酸化物価検査」など、さまざまな検査・調査を行い、組合員の願いである食の「安全・安心」を科学的に検証しています。

チェルノブイリ原子力発電所事故。東都生協は食の安全性を確認することの重要性を認識
商品検査室開設、土壌成分検査を開始
残留放射能検査開始
微生物検査開始
残留農薬検査開始
栄養成分検査開始
油脂の酸価・過酸化物価、漂白剤検査など開始
新規提案商品供給事前検査開始(微生物検査,酸価・過酸化物価)
ミニミニコラム
 放射線は自然環境の中に常に「存在する」ことをご存知ですか? 私たちは年間、「食品からの被ばく(約0.24mSv)」「大気中などのラドン・トロンによる被ばく(約1.3mSv)」「大地放射線による被ばく(約0.48mSv)」「宇宙線による被ばく(約0.38mSv)」と、合計約2.4mSvの自然放射線を受けています(文部科学省ホームページより)。

声に応える検査活動

福島第一原子力発電所の事故を受けて、東都生協には組合員からこれまでにたくさんの意見や質問が寄せられています。東都生協は、日本の農業を守り大切な食を未来へ受け継いでいくため、これからも検査体制をさらに強化して正確な情報発信を続け、安全・安心を求める組合員の声に応えていきます。

「ひとこえ生協」であなたの声が届く!

組合員の声に応えるためのしくみが「ひとこえ生協」。商品案内に毎月1度、用紙掲載されます(用紙は問いません)。供給時に提出します。

こんな「ひとこえ生協」が届いています。

皆さんからの声に応えて、検査活動をすすめています

地道な検査で、まず知ること!

放射性物質の汚染濃度を微量まで確認するためには、「ゲルマニウム半導体検出器」での精密検査が必要で、東都生協では実際にこの機器を使って検査をしています。しかし、「微量まで」を徹底して追究すると測定時間が長くなり、1日の検体数は少なくなります。とはいえ、放射性物質汚染に対する組合員の不安を払拭するためには検体数は少しでも多いほうがいい…。そこで、多くの検査機関が「検出限界20ベクレル/kg」としている中、東都生協・商品検査室の結論は「検出限界1ベクレル/kg」(1検体60分)として検査を行っています。