プレスリリース

2025.07.09

今夏の参院選前に6生協が各政党に公開質問を提出

今年7月に予定されている参議院議員選挙に向け、東都生協は5生協と共に「食料・農業・農村基本計画に関する提言」および同提言に関する公開質問を5月28日付で国政政党に届けました。結果、5政党より回答が寄せられましたのでお知らせします。
※本記事は、加筆・修正して7月9日に再度公開しました


公開質問を提出したのは、生活クラブ事業連合生活協同組合連合会、生活協同組合連合会コープ自然派事業連合、生活協同組合連合会アイチョイス、グリーンコープ生活協同組合連合会、パルシステム生活協同組合連合会、東都生協の6生協。今春、政府に共同提出した同提言と公開質問を各政党に届け、選挙公約やマニフェストへの反映を求めることなどが目的です。

本年4月に閣議決定された今後5年間を対象期間とする食料・農業・農村基本計画では、食料自給率カロリーベース目標45%が明記され、諸政策の進捗を毎年検証する指標が設けられるなど、提言の内容が一定生かされました。

折しも「令和の米騒動」では、農政が食卓に直結することを多くの消費者が実感することになりました。しかし、食料・農業・農村基本法やこれに基づく同計画は、米不足を放置したまま、大規模化、スマート農業、輸出拡大を柱にするなど、生産現場の実態からおよそかけ離れたものとなっています。

異常気象や国際紛争による輸入途絶など、食料安全保障上のリスクが顕在化する中、国内の食料生産基盤の維持・強化は喫緊の課題です。まずは苦境にある国内の生産者を規模にかかわらず幅広く支援し食料自給率を向上させ、持続可能な食と農と食の安全・安心を実現し、食料安全保障を確立していくことが問われています。

6生協では、引き続き学習の機会を設けながら諸政策の執行を注視するとともに、必要な提言を重ねていくことを確認しました。こうした取り組みの一環として、間近に迫る参議院議員選挙に当たり、各国政政党の公約・マニフェストなどへの反映ならびに選挙後の政策の具体化および推進策への反映を求めて、このたび同提言と公開質問を各政党へ6生協連名で提出したものです。

提言の概要は以下の通りです。公開質問では、以下1~5の各項目に対する【①政党の見解】【②政権公約・マニフェスト等への反映有無】について回答を求めました。提言全文はこちらをご覧ください。


「食料・農業・農村基本計画」に関する提言の柱

1.食料自給率目標の明示と実現に向けた対策を求めます
(1)農業の多面的機能を発揮し、脱炭素を推進するために食料自給率の向上が必要です
(2)食料自給率向上に向けた抜本的な対策の強化を求めます
(3)100%自給可能な水稲の生産基盤強化を求めます
(4)食料自給率向上には担い手の確保が必要です

2.国内農業、生産者を保護するための適正な価格形成について
(1)農業分野における財政支援を求めます
(2)農業生産者と消費者が対立しない価格政策の実現を求めます
(3)再生産可能な価格の設定と維持に向けた政策を求めます
(4)農業生産現場における長時間労働、低収入から脱却できる仕組みづくりを求めます

3.環境保全型農業、みどりの食料システム戦略について
(1)自然循環を生かした安全でおいしい食べものづくりの推進が必要です
(2)環境への取り組みと、資源循環型農業(未利用資源の活用)の推進を求めます
(3)みどりの食料システム戦略を農業政策に位置付けた持続可能な農業の推進を求めます
(4)有機農業・環境保全型農業の推進と学校給食への活用を求めます

4.消費者の立場に立った食品安全などに関わる規制と表示、食料の安全確保の強化について
(1)食品安全・食品表示に係る制度・政策について、食品表示法の基本理念に則って検討することを求めます
①加工食品の原料原産地表示制度の見直しを求めます
②遺伝子操作(遺伝子組換え、ゲノム編集)食品の表示制度の見直しを求めます

5.農村政策について
(1)多様な農業形態、担い手の確保と気候風土に適った地域農業の育成を求めます
(2)農村のインフラや環境の維持管理を行うための役割を担う人材の構築を求めます
(3)関係人口を増やす都市と農村の交流や活動支援を求めます
(4)家族農業への支援を求めます


公開質問に対する各政党からの回答

各国政政党からの回答状況は以下の通りです。(五十音順)

▼回答あり:5政党[公明党・国民民主党・日本共産党・立憲民主党・れいわ新選組]
▼回答なし:5政党[参政党・社会民主党・自由民主党・日本維新の会・日本保守党]


公明党 »回答(PDF) 日本維新の会(回答無し)
国民民主党 »回答(PDF) 日本保守党(回答無し)
参政党(回答無し) NEW 日本共産党 »回答(PDF)(7月7日着)
社会民主党(回答無し) 立憲民主党 »回答(PDF)
自由民主党(回答無し) れいわ新選組 »回答(PDF)