プレスリリース

報道各位
2021.10.05

第6次エネルギー基本計画(案)への意見を提出しました

東都生協は2021年10月4日、経済産業省に「第6次エネルギー基本計画(案)への意見」を提出しました。

経済産業省の総合資源エネルギー調査会基本政策分科会にて、第6次エネルギー基本計画の策定が進められています。国が示した同計画案への国民に対する意見公募(パブリック・コメント)を受け、東都生協は今回の改定が持続可能な社会の実現につながる計画とすることを要請する意見書を政府に提出しました。

同計画案では、政府が2050年までの脱炭素社会の実現を宣言したことを受け、2030年度の電源構成比で再生可能エネルギーを36%~38%に引き上げました。一方で原発を重要なベースロード電源として20~22%、石炭火力を19%とするなど、これまでの政策を継承した内容となっています。

本年8月9日に公表されたIPCC報告書では、地球温暖化の原因を人間の活動によるものと断定。2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることは国際的な急務となっています。

東都生協は、原発と化石燃料から脱却し、省エネルギーと再生エネルギーを推進することで持続可能な社会の実現につながるように、計画案の見直しを求めます。

意見の要旨は以下の通りです。意見全文はこちら(※PDFが別ウインドウで開きます)

1.原子力発電から速やかに撤退すること
・全ての原発について、老朽化またはリスクの高い施設より廃炉にし、運転期間の延長や再稼働、新増設、建て替えは行わず、原発から速やかに撤退すること。
・原発の廃炉に至る過程では、放射性廃棄物の処理・処分、プロセスを含めた管理について安全対策を抜本的に強化し、徹底した情報公開を行うこと。
・核燃料サイクルから撤退して使用済み核燃料の再処理を中止し、将来にわたって安全な放射性廃棄物の処分方法を確立すること。

2.ALPS処理水の海洋放出方針を撤回し、地元をはじめ国民的論議を通じて民主的な合意形成を図り、近隣諸国や国際社会の理解が得られる処理方針を策定すること

3.再生可能エネルギーを推進すること
・再生可能エネルギーの2030年電源構成比を国際標準の50%以上とすること。
・所有権分離など発送電の完全分離により送配電網の中立性を確保し、再生可能エネルギーなど地域の分散型電源を優先して利用できるように広域的な送配電網の整備を進めること。
・再生可能エネルギーの普及を妨げ、原発や石炭火力を温存する容量市場、ベースロード市場、非化石価値取引市場は廃止を含めて制度設計を見直し、公正で透明な競争環境を整備すること。
・電源別発電コストを適正に試算・公開し、全ての小売電気事業者に電源構成の公開・表示を義務付けること。託送に関係ない原発コストの託送料金への転嫁をやめ、料金の透明性を確保すること。

4.石炭火力発電は2030年ゼロを目指すとともに、温室効果ガスの排出量・削減量を可視化し、消費者が脱炭素化に資する商品・サービスを選択できる環境整備を進めること

5.エネルギー問題について国民に分かりやすく徹底した情報公開を行い、国民がエネルギー政策形成過程に積極的に参加でき、国民の意見が反映される開かれた仕組みを作ること

6.エネルギー使用量削減やエネルギー効率の改善など省エネルギー政策を強化し、脱炭素社会に向けた具体的な道筋を明らかにすること

以上