「いのちをつなぐ大切な食べ物」が
安心して食べられるように
東都生協がしなければならないこと
東京電力福島第一原子力発電所の事故による放射性物質の
問題は、組合員のくらしに大きな不安をもたらし、また日本の
農畜水産業に計り知れない影響を与えています。「食べる人」
と「作る人」を守るため、「東都生協」ができることは―
未来を見据えた仕事をすること
 日本は地震大国。今後震度5レベル以上の地震はかなりの確率で起きるはず…。20年ほど前より、東都生協は放射性物質の危険性に対する不安を感じていました。
 1986年、チェルノブイリで原子力発電所事故が起きた際、食品の安全性を確認することの重要性を感じた東都生協では、1988年に当時の東都生協の規模としては大きな投資であった1,100万円の放射能測定器(ゲルマニウム半導体核種分析装置)を導入しました。同時期にいくつかの生協でも同じくゲルマニウム検出器を購入しましたが、検出結果が落ち着き始め、世の中で残留放射能の話題が少なくなるにつれ、継続的なメンテナンスに相当のコストが掛かることが議論となり、維持・管理する生協が減少しました。
 東都生協においても経費の見直しの過程で、高いコストの掛かるゲルマニウム検出器の維持・管理について議論をしたこともありました。しかし、諸外国の核実験、核廃棄物海洋投棄などによる環境汚染を監視する目的と、地震大国と言われる日本においては、自国の原子力関連施設の事故も視野に入れる必要性からゲルマニウム検出器の維持・管理の継続を決定。以降、農畜水産物・加工食品などの残留放射能検査をおこなってきました。
正確な情報をいち早く
 今回発生した福島第一原子力発電所の事故においても、東都生協は震災によって情報が混乱する中、自前で検査機器が稼動できて、しかも今まで蓄積してきた検査データと比較できる強みを活かして自主検査をおこなうことができました。そして全国の食品流通事業者の中でも、いち早く自主検査の結果を公表してきました。
 検査結果を公表することで、行政の検査結果の確認や、福島第一原子力発電所近隣地域の生産物の状況など、組合員にとって関心の高い情報の提供に努めています。
売り手の視点より食べる人の視点
 一般的には、検査結果の公表は商品を売る側にとっては躊躇する事柄です。「検査で放射性物質がわずかでも出れば、それが基準の範囲であっても売れなくなる」というのが大きな理由です。
 しかし、組合員と産地・メーカーの信頼関係を大切にしてきた東都生協は、正確な情報を伝えることこそ組合員の信頼に応え、産地のためにもなると考えました。売り手の視点より、食べる人の視点。高性能な放射性物質の測定器を維持・管理してきたのは組合員の「安全・安心」のため。今もこの考え方に、少しの揺らぎもありません。
東都生協の放射能対応
 東都生協では放射性物質の人体への影響について、「これ以下なら安全」という数値はないと考えています。汚染による放射線被爆はゼロが望ましいことは言うまでもありませんが、半減期が30年のセシウム137をはじめとする放射性物質とは向き合い続けなければなりません。
 時の経過とともに放射性物質への関心が薄れようとも、今回起きた福島第一原子力発電所事故に対して、東都生協がすべきことは、23年前からなんら変わることはありません。
 組合員に安心して食べていただけるように、自主検査を続け、正しい情報を発信していくこと。
 これが組合員のみならず、産地や生産者、そして日本の農業を守ることにつながると信じています。
学習会の様子

組合員・生産者のための学習会を開催

東都生協ではこれまでに、原発事故や放射性物質に関する学習会を28回開催し、のべ1,100人の方が参加しています。

米
2011年産米については、取り扱いのある全産地・全銘柄を、供給する商品の状態(精米・玄米)で、ゲルマニウム検出器で検査しています(12月31日現在)。 野菜・果物
野菜・果物は関東・東北産を中心に、定期的にゲルマニウム検出器で検査しています(なお、2月より野菜・果物全品目をサーベイメーターで検査する工程が加わる予定です)。 牛乳・卵
育ち盛りの子どもが食べる機会の多い食品である卵・牛乳は、優先的に毎週、ゲルマニウム検出器で検査しています。
加工品
パン類・麺類・豆腐・納豆などの「原料(小麦・大豆など)」は、3月11日以降の収穫分をゲルマニウム検出器で検査を始めています。「製品」は今後、ゲルマニウム検出器からNa・検出器に移行して検査をおこないます。 魚介類
海洋中の放射性物質が水産物に生物濃縮している可能性を踏まえながら、3月11日以降の水揚げ原料を中心に、ゲルマニウム検出器で検査し、長期的な視野でのモニタリングをおこなっています。 肉
定期的な頻度でゲルマニウム検出器で検査しています。
検査体制を強化し、
分析と検証を積み重ねることで、
食の安全性を高めていきます。
1 行政による食品の放射能残留検査結果に対して適切な判断・対応をおこなっていきます。
2 自主検査をおこなうとともに、測定結果に大きな変化が見られた場合は、産地・メーカーと協議して対処していきます。
3 自主検査結果を組合員・産地・関係者に提供していきます。
東都生協がおこなった放射能自主検査結果についてはホームページをご覧ください。
※ホームページがご覧になれない方は、職員へお申し出ください。対応資料をお渡ししています。
シンチレーションサーベイメーター シンチレーションサーベイメーター(日立アロカメディカル社製)2台保有(表面測定・検出限界値は100ベクレル/kg程度)。今後、野菜・果物の全品目に対し、簡易スクリーニングを実施します(2月より実施予定)。
トライアスラー・ベクレルファインダー検出器 NaT検出器:トライアスラー・ベクレルファインダー検出器(ハイデックス社製)1台保有(簡易測定・検出限界値は20ベクレル/kg程度)。2月より加工食品の検査を実施する予定です。また、土壌・肥料・飼料等の検査も実施検討しています。
ゲルマニウム半導体核種分析装置 ゲルマニウム半導体核種分析装置(セイコーEG&G社製)1台保有(精密検査・検出限界値は2ベクレル/kg程度)。国が公的検査と認めている検査器。1986年のチェルノブイリ原発事故を受け、その2年後に導入。以来稼働し続けてきたので、3月11日以降もすぐに商品の検査をすることができました。