みんなの活動:これまでの活動報告

(農)茨城県西産直センターで「すいかの学校」

すいかの畑に、わらを敷くのは何のため?

2016.07.28

東都生協では、2016年も「すいかの学校」を(農)茨城県西産直センターで開催しました。「すいか」の苗植えから収穫まで、普段なかなか体験できない果物の連続3回の農作業体験企画として毎年人気が高く、今年も定員40人を超える47人の応募があり、抽選の結果、16家族40人(おとな23人、小学生11人、小学生未満6人)の参加となりました。

小玉すいか「スマートボール」の苗はユウガオに接木し、「マダーボール」(ラグビーボール型の小玉すいか)は「実生(みしょう)」といって、小玉すいか本来の味により近づけるため、接ぎ木しません。接ぎ木の目的は、苗を丈夫にし、病気に強くし、成りを良くするためです。

(農)茨城県西産直センター生産者の安達一夫さんには、私たちの農業休験のスケジュールに合わせ、1カ月以上も前から接木や、米ぬかやぼかし肥料を使った土づくりなど、すいか作りの準備をしていただきました。


第1回 4月3日 曇り
すいか作りをするハウスは、苗の種類ごとに2棟別々。マルチ(※1)を張り、植え付けるところに穴を開け、マダーボールとスマートボールの苗をそれぞれ植え付けていきます。まず、苗をぬるま湯につけて湿らせてから、マルチの穴に植え付けます。それぞれ自分の植えたところに"大きくなあれ"との願いを込めて、名前を書きました。 最後にマルチを張っていないところに稲わらを敷きつめました。

すいかの苗植え、大きくなるかな

すいかの苗植え、大きくなるかな

すいかの雌花に雄花の花粉を付け交配する「花合わせ」はとても貴重な体験

すいかの雌花に雄花の花粉を付け交配する
「花合わせ」はとても貴重な体験


第2回 5月29日 晴れ

すいかには、雄花の雌花があり、今回は特別にその交配作業(花合わせ)を体験。交配作業を終えた雌花に、受粉日の目印になる赤い毛糸を取り付けました。

その後、ハウスとハウスの間に有機質肥料「米の精」をまき、すいかのベッドとなるわらを敷きます。

「米の精」は東都生協で扱う「金芽米」(BG無洗米)の精米工程でできる肌ヌカを加工した有機質資材。同産地では、今までとぎ汁として捨てられていた成分を肥料として有効活用する循環型農業を実践しています。

受粉日を示す毛糸を付けます

受粉日を示す毛糸を付けます

ハウスの間にわらを敷きます。生長したすいかは、つるを<br>ハウスの外まで伸ばします

ハウスの間にわらを敷きます。生長したすいかは、つるを
ハウスの外まで伸ばします

第3回 6月26日 快晴

安達さんからすいかの生育状況の説明を受けました。スマートボールは交配の後、うどんこ病にかかりましたが、マダーボールの方は青々していました。収穫前に、2種類のすいかの味比べをするため試食しました。交配してから33~34日たつとおいしいすいかに育ちます。今回は、大きいすいかの方が甘かったようです。


(農)茨城県西産直センター・すいか生産者の安達一夫さん

(農)茨城県西産直センター・すいか生産者の安達一夫さん

自分で育てたすいかは特別

自分で育てたすいかは特別

【参加者の声】
  • わたしが、一ばんたのしかったのは、なえをうえることと、しゅうかくすることです。どうしてなえをうえることが楽しかったかというと、「すいかがどれだけ大きくそだっていくんだろう?」と、はやくすいかのおおきさがしりたかったからです。
  • 安達さんの月と植物についてのお話(※2)も、自然界の摂理なのか、それともロマンチックなお話なのか? でも私は信じたい。

※1 マルチ: 農地の畝を覆う、ビニールやポリエチレンなどのフィルム。英語の「マルチング」の略。目的は、①保温による生育促進 ②病害虫の発生防止・反射フィルムによるアブラムシ飛来防止 ③雑草防止-などの効果があります。
※2 安達さんのお話: 植物の樹液は、満月に向かうときに下から上に流れ、新月に向かうときに上から下に流れるとする農法。この理論では、植え替えや接ぎ木、剪定(せんてい)は、新月に向かう時期が良いとされます。第1回目の2016年4月3日は、新月の4月7日に向かう日に設定されました。