活動方針・事業計画

2011年度 私たちがめざすもの

 私たちの食と農をめぐる情勢は、かつてないほど、世界的に、複合的に、そして急速に悪化の一途をたどり、その持続可能性を喪失しつつあります。それは、世界人口増加、生活水準の向上、自動車燃料への穀物利用など需要側の問題があり、耕作地の減少、農業用水の不足、収穫量の頭打ち、気候変動による影響など供給側の問題も山積していることによります。そのような中、食料の安定確保、環境に優しい持続可能な農業と社会の確立をめざしてきた「食の未来づくり運動」の役割使命は、消費・流通・生産のあり方を問い直すだけでなく、日本の食料安全保障や国際社会での責任を考える観点からも、ますます重要性を増しています。さらに東日本大震災は、「食の未来づくり運動」のあり方に大きな問いを投げかけています。私たちは、2011年度も「食の未来づくり運動」を事業と活動の基軸に置き、それとともに、世代構成などからくる多様化した組合員の願いに応え、くらしに貢献できる生協づくりをすすめます。そして、2011年度は、2020年に向けたビジョンと中期計画づくりをすすめる年度としても重要です。より厳しい事業環境・事業状況の中であっても、力を合わせ、展望を切り開くことのできる中長期方針づくりをめざします。

[ 2011年度の事業と活動の柱 ]

  1. 組合員活動

    効率的で効果的な活動の組み立てを意識しながら、活動への参加機会を多彩に展開していきます。加えて、必要な制度の見直し検討、組織デザイン論議をすすめます。また、くらしに貢献するさまざまなニーズに応えるため、社会へのかかわりを強めていきます。

  2. 事業経営
    商品力を強化し、組合員の多様なくらしに対応した品揃えやくらし提案をすすめます。質の高いサービスを提供し、組合員満足度を高めます。事業の損益構造を改善するとともに、新規事業を積極的に検討・推進して、事業の成長をめざします。

  3. 組織運営

    日常運営を強化し、マネジメントシステムの整備、人事諸制度の見直し、組合員の声を業務にいかす改善などを着実にすすめます。加えて未来への展望を開いていくため2020年ビジョンとビジョンの実現をめざす第8次中期計画を策定します。

  4. 東日本大震災への対応

    私たちのくらしに大きな影響を及ぼした東日本大震災。生活協同組合のネットワークをいかし、大きな被害を受けた被災地への支援を続けます。また、事業を通じた産地・メーカーへの支援をはじめ、エネルギー使用量削減への一層の取り組みなど震災の影響に対応した事業を組み立てていきます。


I.組合員活動

日本の食と農を守り、くらしを豊かにするために食の未来づくり運動をすすめましょう

(1)“わたし”から はじめます
  1. 商品を利用し、その価値を知って伝えます
    くらしの真ん中に東都生協の商品を置いて、食の未来につなげます。
    いろいろな場で商品を試して、“わたし”の声を届けます。
  2. 興味・関心のあることから参加します
    さまざまな問題に関心を持ち、くらしにあった活動に参加します。
  3. "わたし"のできることからつながりをつくります
    人と集える場を作り、"わたし"の思いを伝えていきます。
(2)みんなでつながり、広げます 
  1. 商品を知らせ、利用普及に努めます
    商品について学び、試し、語り合う機会を作り、良さを広げましょう。
    新しい参加で「交流・訪問2万人運動」をすすめ、食と農のつながり合いを強めましょう。
  2. 地域でつながり合い、新しい参加の広がりを作ります
    ブロックや支部などでは楽しく有意義な活動を企画しましょう。
    多様な形の活動を認め合い、ネットワークし交流しましょう。
    活動に役立つ知識や技術を学習し、活動のサポートと担い手の育成につとめましょう。
    業務と連動し、新たな仲間を増やしていきましょう。
    身近な場でつながり合い、賢く豊かにくらせる活動に取り組みましょう。
  3. 新たなスタイル案に沿って話し合い、準備をすすめます
    組合員の参加と参画のあり方を話し合い、地域委員会を中心とする組織改編に向けた準備をすすめ、2012年度のスタートをめざします。
    2012年度の新たな運営に向けて、組合員活動に関する規定類を整理します。
(3)安心してくらせる社会をめざします 
  1. 社会的な活動を広げます
    少子高齢化がすすむ社会の中で、くらしを助け合う活動を積極的にすすめていきましょう。
    グローバルな視点で、さまざまな問題について考える活動を広めましょう。

II.事業経営

食の未来づくり運動を事業の柱とし、組織全体で事業を推進していきましょう

(1)主力提携産地・メーカーとの関係を強め、産直農蓄産物の商品力を強化するために、確実に届ける基盤をつくります
  1. 産直青果物の鮮度、おいしさ、作り手のこだわりにおいて全国一の品揃えを実現します
    主力産地・メーカーと協力しあい、おいしさや品質向上を追求するための試食会や栽培技術に関わる情報交換会などを開催します。
    欠品削減や、優良産地からの契約的引き取りをめざして、外部販売を含めた需給調整のしくみづくりを検討します。
    インターネット企画を中心に、おいしさや品種にこだわった他では手に入らない品揃えをすすめます。
    有機農産物を含む東都みのりの品揃えを充実させます。
  2. 産直畜産物と水産物の利用率を向上させます
    畜産物の商品力強化に向けて、主力産地・メーカーとの提携をすすめます。
    「八千代牛乳10万本飲用運動」を推進し、パスチャライズ牛乳の良さを広めます。
    「魚つきの森」の取り組みをさらにすすめます。
  3. 地域農業の活性化と環境保全型農業の推進につながる産直提携の強化と農業支援をすすめます
    「新世代チャレンジプロジェクト」の取り組みを広げ、商品企画も充実させます。
    「お米を真ん中に」運動を前進させるために、米産地との提携強化、米粉商品の普及をすすめます。
    生物多様性の取り組みと関連商品の利用を広めます。
    飼料米を使った畜産品や自給飼料100%給餌の「北里八雲牛」など、食料自給率向上につながる商品利用を促進します。
    JAやさととの地域総合産直を組織的に推進します。
  4. 食の未来づくり運動を産地・メーカー、組合員、職員が確信をもってすすめ、地域や社会へ発信していきます
    「交流・訪問2万人運動」の輪の中に新しい仲間を積極的に増やしていきます。
    職員が食と農について学ぶ場をつくります。
    組合員の農業支援の場を増やします。
    「産直マルシェ」をさらに充実させ、各地域での共感を広げます。
  5. 引き続き「食の未来づくり運動」のスローガン、行動目標の浸透と実践をすすめます
    食育活動を推進し、食と農をつないでいきます。
    組合員が食と農を体験、体感する活動を通して運動を広めます。
(2)ライフスタイルに対応した品揃えやくらし提案を推進します
  1. 組合員のライフステージにあわせた商品やくらし提案を積極的におこないます

    ライフスタイル別の商品利用傾向を調査・分析、求められる品揃えや規格、くらし提案をタイムリーにおこないます。

  2. くらしの実情に合わせた価格志向への対応をすすめます
    商品価格の見直しや家計応援・低価格商品の開発をすすめます。
    「もったいない」をコンセプトにした商品開発をすすめます。
  3. 商品案内「さんぼんすぎ」や別媒体での商品価値訴求を積極的にすすめます
    東都生協農産物自主基準表示の理解を高めます。
    原料事情、製造方法、産地情報などの食に関する広報を充実させます。
    産直・国産商品を使ったライフスタイル提案を充実させます。
  4. 新たな商品の考え方基準に沿った商品の品揃えをすすめ、くらしに貢献することをめざします
    ギフトでの品揃えを充実させ、利用組合員を増やします。
    歳時や地域振興企画での品揃えを充実させます。
(3)独自性のある商品仕入のしくみと、組織力を生かした利用促進のしくみをつくります
  1. 主力産地・メーカーとのさらなる提携強化をすすめるとともに商品開発や商品調達のしくみを確立します
    産地・メーカーとの販売促進会議や合同商談会などを通じて提携を強化します。
    独自商品開発に向けて専任体制をつくり、新商品開発と商品リニューアルに取り組みます。
  2. 利用促進の取り組みを工夫します
    供給促進を強化するための商品学習をすすめます。
    部門別に商品未利用者への利用促進をすすめます。
    商品の利用普及のためのしくみを検討します。
(4)組織全体で品質保証を実現します
  1. 信頼される商品やサービスを実現するための仕事のすすめ方を整理します
    組合員からの意見・苦情への対応水準を向上させます。
    品質保証に関わる学習活動をすすめます。
  2. 商品や安全に関する、正確な情報提供をすすめます
    商品の安全性に関する情報提供を積極的にすすめます。
    科学的な根拠にもとづいた食品の安全基準の見直しを定期的に実施します。
  3. 商品質マネジメントシステム(QMS)と日常的な商品管理を強化して商品の品質水準を高めます
    国産応援セレクト100商品、東都生協プライベートブランド商品の商品仕様書(e-ベース)の年次更新を確実にすすめます。
    QMSを通じた組合員満足の向上と業務の効率化をさらにすすめます。
(5)組合員の満足感を高めるしくみづくりと業務改善をすすめて利用を高めます
  1. 職員の商品学習・研修を通じて、業務力量を高めていきます。そして、食の未来づくり運動の実践を通じた利用向上につなげます
  2. 全センターのコールセンター化をすすめ、組合員対応の質を向上させていきます。また、注文書未提出組合員への対応を工夫し、利用につなげます
  3. 組合員と連携した仲間づくりの手法を構築していきます
  4. 組合員とのコミュニケーションや職員の働きがいを重視した、供給高アップをめざす業務運営モデルのトライアルを継続し、効果検証していきます
(6)センター業務の見直しをすすめ、無店舗事業全体の損益構造を改善します
  1. 埼玉県八潮市に新センターを開設、町田センターの増設をおこない、都内センターの配置を見直します
  2. 新セットセンターの稼動を成功させます
    新ドライセットセンターを8月に立ち上げます。
    新要冷セットセンターを9月に立ち上げます。
    Zパックや留守班BOX導入検討など供給作業の変更をスムーズに実施します。
  3. 組合員対応の強化につながるセンター内業務の見直しをすすめます
  4. 供給システム革新の検討と合わせて、個配委託料の削減や課金制度変更を検討します
  5. 業務システムの改善をすすめます
    商品情報管理システムを構築します。
    ホストコンピューターを中心とした基幹システムの保有と運用のあり方を見直します
(7)組合員のくらしに役立つ店舗事業をすすめます
  1. 組合員活動、生産者・メーカーとも連携しながら、食の未来づくり運動を推進していきます
    生産者・メーカーと連携し、食料自給率向上に向けた視点での利用促進に取り組みます。
    組合員、地場産地と連携した、産地訪問、交流企画をすすめます
  2. 利用しやすい店作りをすすめ、利用者を増やす取り組みを強化します
    産直農産物の品質向上、鮮度強化、曜日サービスの見直しをすすめます。
    職員の商品学習や組合員対応研修をすすめていきます。
(8)弁当配食事業や店舗事業、インターネット事業などの新規事業を検討し、事業の成長をめざします
  1. 高齢化社会に向け、福祉の一環である生活支援として、弁当配食事業をすすめます

    さまざまな福祉活動や医療生協などと連携しながら、地域の生活者に貢献できる弁当配食事業をすすめていきます。当面は世田谷区、杉並区、狛江市から段階的にすすめ、弁当の配食を通じた高齢者の安否確認にも取り組んでいきます。
  2. 新たな新規事業としての店舗展開を検討していきます

    お店からの配達や今後の店舗形態、新規の出店、既存店の見直しなど、新たな事業としての方向性を検討していきます。
  3. 共同購入事業の革新をすすめます

    インターネット限定品の品揃え強化、いつでも注文できる商品の品揃え、「お気に入り」および「商品レビュー」機能の改善と活用促進、家庭用品の商品情報提供強化など共同購入事業へのインターネット活用推進をはかります
    注文締め切りから供給までの時間短縮や週複数回供給など、時代変化に対応した共同購入事業の革新策を総合的に検討します。
(9)くらしの保障に役立ち、安心を届けられる共済事業をめざします
  1. CO・OP共済の加入者を増やすため、日常的な推進体制を強化します

    たすけあい共済とあいぷらすに加えて、終身共済(終身医療・終身生命)を提案します。
    夏と冬のキャンペーン推進に加えて、新規加入組合員向けの日常推進を強化します。
    共済推進スタッフの配置による委託先コースの加入を推進します。
  2. 新たな新規事業としての店舗展開を検討していきます

    お店からの配達や今後の店舗形態、新規の出店、既存店の見直しなど、新たな事業としての方向性を検討していきます。
  3. コープ共済連と連携し共済事業の基盤強化をはかります

    共済事務コストの効率化を追求します。
    コープ共済連と連動し、組合員の問い合わせへの迅速対応を強化します。
  4. くらしの保障見直し活動を推進します

    ライフプランアドバイザーによるくらしの保障見直し活動を推進します。
(10)くらしに役立ち、質の高いサービスを提供する生活文化事業をめざします
  1. 住まいの相談から問題解決まで、住まいの改善事業の認知度を高めていきます

    住まいの改善事業の提携先で構成する「住まいる会」と連携した企画を強化します。
    相談活動や地域イベントへ積極的に参加し、住まいの改善事業全体の認知度を向上させます。
  2. チケット分野はリスクを抑えた販売戦略を構築し、斡旋事業は全体の収益力を高めていきます

    (株)東都ライフサービス(子会社)を活用した斡旋サービス事業の展開を準備します。
  3. 葬祭分野は価格帯の見直し、新規展開の「水」分野は事業ボリュームを追求します

    くらしの変化に対応した事業内容の見直しや新規取り扱い事業の展開を追求します。
(11)環境に配慮した事業経営をすすめます
  1. リデュース・リユース・リサイクルの推進と廃棄物の排出抑制をすすめます

    商品のお届けに使用しているポリ袋のリサイクルのしくみを改善します。
    事務所用OA機器の変更や、印刷ルールの見直しなどにより、紙資源の使用量を抑制します。
  2. 温暖化防止行動計画にもとづく取り組みをすすめます

    太陽光パネルをはじめ省エネ機器の導入をすすめるとともに、運用面を見直すことで、事業活動でのエネルギー使用量削減をすすめます。
    アイドリングストップ装置やデマンド監視システムの運用などにより、省エネルギー意識を高めていきます。

III.組織運営

民主と協同を大切にし、社会に責任ある行動で食の未来づくり運動をすすめます

(1)事業協力・共同活動を推進していきます
  1. 東京都生協連と連携し、東京南部生協の次期中期計画の達成にむけて協力していきます
  2. リサイクル洗びんセンターへの組合員募金を実施して支援をしていきます
(2)次世代を担う幹部職員の育成に重点をおき、職員の教育研修を強化します
  1. マネジメントシステムの整備をすすめ、職員の教育研修を強化していきます
    職員の階層別の教育研修や、マネジメントスキルの向上、幹部人材の育成を強化します。
    理念や行動規範を周知し、健全なマネジメントと職場風土の形成を推進します。
  2. 基本方針にもとづいて男女平等参画を推進します
    男女平等参画推進の意義を理解するための職員向け研修を実施します。
    東京都生協連や日本生協連、東京都の取り組みと連携をしていきます。
  3. リスクマネジメントを強化し、内部統制システムを構築します
    内部統制基本方針にもとづき内部統制システムを構築します。
    内部統制に関連した規定類の整備とマネジメントシステムのモニタリングを実施します。
  4. 危機管理態勢を強化していきます
    大規模災害発生に対応した定期的な訓練や対策計画の見直しを実施します。
    行政や他生協と連動して、首都圏直下震災対策、水害対策、新型インフルエンザ対策などの情報交換、訓練、対策協議などの取り組みに参加します。
(3)人事諸制度の見直しをすすめます
  1. 賃金、評価のあり方などを柱とした、職員の士気向上やスキルアップにつながる制度の導入をめざします。
(4)広報の充実と組合員の声を業務にいかすしくみ改善をすすめます
  1. ひとこえ生協をいかした事例の紹介を増やします
  2. インターネットを活用したコミュニケーションを充実させます
(5)退職慰労金制度の廃止を含めた業績評価による役員報酬制度導入をすすめます
  1. 業績評価にもとづく新役員報酬制度を試験運用します
  2. 常勤役員の報酬制度を見直します
(6)監査法人による監査をすすめます
  1. 「公認会計士監査制度」に伴う会計監査は、引き続き「八重洲監査法人」を会計監査人に選任します。
(7)中期計画を策定します
  1. 理念にもとづいた2020年ビジョン(10年後になっていたい姿)と、ビジョンの実現をめざすための第8次中期計画(3カ年計画)を策定し、社会的使命と展望をもった運動と事業を構築していきます。

IV.東日本大震災への対応

(1)被災地への支援を続けます
  1. 支援募金や義援金付供給促進などの支援を継続的におこないます
  2. 日本生協連や東京災害ボランティアネットワークなどを通じた人的支援を継続的におこないます
(2)被災した産地・メーカーの再生を応援します
  1. 組合員に被災状況や支援について情報提供をおこなうとともに、被災した産地・メーカーの事業再開や復興を支援します
  2. 被災地や被災した産地・メーカーの応援企画など事業を通じた支援を展開します
(3)震災の影響に対応した事業を組み立てます
  1. 節電や節約につとめ、負担の少ない合理的な業務に改善します
  2. 夏季の電力統制への対応を準備し、混乱を回避します
  3. 震災影響により調達できない商品の緊急手配対応を実施し、安定した供給を維持する

とともに、安全で安心できる商品供給をすすめます

(4)原子力発電への学習を深め、食と農の視点から、エネルギーのあり方を考えます
  1. 原子力発電やエネルギーのあり方について学習できる場をつくります
  2. 食と農をめぐる環境の安定や環境への負荷を一層低減させるため、自然エネルギーについて検討します
  3. 残留放射能の自主検査によるモニタリングを継続します